人気ブログランキング | 話題のタグを見る

起死回生への自転車行脚

明日は街道筋が自転車解放になる日である。車の通行が出来なくなるのでその前にパンを取りに行って歩ければと思っている。同じようなパン屋の支店が違う町に出来たのだが「少し遠く森がないので意味がないかな」と人に言うと、「歩いて行けばいいじゃない。六キロぐらいしかない筈よ」と言われた。なるほどあの方向なら殆どがワインの地所であるので歩きやすい。一時間で往復出来る。平地だから走ればもっと早い。

自転車と言えば、日本の政権交代について選挙戦の様子を伝える中に自転車選挙について触れられている。自転車選挙を始めたのは横山ノックだと思うが今やなかなか面白い事象として世界で伝えられている。なるほど車を使わずに自転車で有権者の中に入って行くのは良いアイデアだ。きっと明日もドイツワイン街道を走る代議士候補者もいることだろう。

ネットでTAZ紙が、今回の日本の衆議院選挙をして黒船来航、敗戦以来の起死回生の最後のチャンスとなるのだろうとしている。FAZ紙が一週間前に一通り伝えて仕舞っているのに対して、シュテルン誌のネット配信は、森と田中の石川県の選挙区を紹介して、金曜日の応援演説の様子を伝えている。麻生の応援演説をして「最後まで耐えるお願い」のように聞こえるとする一方、鳩山のそれをまるで「オバマの演説のように聞こえる」と名前からすると南欧系の女性記者は魅了されている。

なるほどネットで見ると麻生の浪花節のようなあれでは最初から負けている。今時あんな者に靡いた漫画世代とはどんな連中なのか。両者の「良く似ている経歴」を比べて、学生時代から秀才の誉れ高い鳩山と比較するのは如何なものだろう。スタンフォードで博士号を修得しているとあるから、所謂「遊学」とは異なり英語力も十分にあるのだろう。

TAZが書くように本当に日本国の起死回生となるかどうかは、国内の政治的基盤の整備も必要だろうが、シュテルンが書くように「もう少し時間が必要です」と濁声を張上げる麻生の態度には国民が辟易しているというのは本当だろう。鳩山は先へ先へと手を打っていると言う報道があるが、オバマ政権が試みたような先行して進めて行く姿勢は功を奏するに違いない。

鳩山のアジア主義は、ブロックとしての主要世界市場の閉鎖性やある種人種・民族・文化主義的な趣があり危惧される。その実態は良く判らないが、選挙戦で見せたように大阪での応援や繁盛亭訪問などが暗示する、在日朝鮮人などの活力を建設的に活かしてアジア的な活力を奮い起こそうとするのは理解出来た。ドイツ連邦共和国においてもトルコ人などの外国人のそれが十分に活かされるときにはじめて将来が見えてくるのである。いづれにしてもこれらの高齢化した先進工業国はそれらの国からの労働力なくしては遣って行けない ― なんと日本の(子供を除く)有権者総数は一億人を越えている。

その意味から、現在のメルケル政府がシュレーダー政権が形作った「飴と鞭の失業政策や外国人政策」によって支えられていると言われる政治環境の下作りが必要となる。なるほどトルコを含む汎欧州政策は実現はしていないがそのアイデアは今でも間違いではない。同じようにアジア統一通貨への意志がTAZでも取り上げられているが、現時点では実現性は少ないとしても、そのような環境作りの為の政策や外交を繰り広げて行く事によって、起死回生の切っ掛けとなるだろう。

非核三原則の固持とその戦略的な利用も ― 実際の軍事的な戦略とは別に ― 分かり易い外交方針であり、汎亜細亜構想も ― 大日本帝国の構想でもあった筈だ、 中共、北鮮などに向けても人権尊重と自由主義を表面に押し出して行く事で ― おそらくこれは野党の主要な役目となるだろう、 世界的な理解も得られるに違いない。もちろん民主党が公約としてもいる自転車行脚精神の環境保護政策も忘れてはならない。



参照:
Kurswechsel unter Schock, MARTIN FRITZ, TAZ
Chance auf einen Wechsel in Japan?, Janis Vougioukas, Stern.de
Japan bereitet sich auf historische Wahl vor (DPA)
大アジア主義思想から「大東亜共栄圏」論へ (原田勝正、和光大学経済学部教授)
by pfaelzerwein | 2009-08-30 02:48 | 歴史・時事 | Trackback
<< 索引 2009年8月 怠け者は旨い汁を吸わない >>