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過激性を売りたいメディア

連立国民政党幹部のTV討論会を嬉しそうに伝えるメディアも存在するようだ。昨日の最大の政治的話題は、昼のラジオニュースで伝えられたSPD首相候補シュタインマイヤーの「アフガニスタンからの連邦国防軍撤退構想」でしかなかった筈だ。それをなぜに特に日本の大衆ジャーナリズムはこのような余分な外報に拘るのか?

まるでそれは、「軍事撤退構想」によって独自の可能性を模索して下野する準備を進める社会主義者の意向を無視して、二大国民政党制度に固執する主義者でなければ、今だに婆さん首相アンジーの「性を売りたい」セックスジャーナリズムでしかないだろう。

しかしそのような人種を相手にしているのはドイツの政治家も同じである。つまり、今や社会主義者の母屋を脅かしている左派党のラフォンテーヌやギジーなどがそれにあたる。彼らの主張は、なるほど「持たない者」の利益を考えた立場での主張である事には違いないが、まともな政治構想となっていないのは、まさに中立非武装を唱えていた日本社会党と変わらない。

さらにそうしたアナウンスが少なからぬ支持を得るのは所謂ポピュリズムに陥っている社会構造の問題であり、セックス資本主義に優るとも劣らない現代の危機となっている。

リーマン兄弟社のお蔭で、幾ら近視眼の欲惚け人民にも新自由主義と称するその主張の本質が知れ渡った。ラジオニュース解説は言う、今回の選挙に欠けているのはキルヒホッフ教授の過激な税改革の主張であると。

同じ番組で緑の党のキューナス女史が「あんな討論会は途中で止めてしまうべきで、私は職業上の理由だけで最後まで観た」と発言するが、FAZが見出しに「国民政党に将来性を見ない者は、それを観なかった」と書く。もしかすると、キリスト教民主同盟が票を固められず、自由党がその分を獲得出来ないかもしれない。また一方、社会民主党の下野を見越して、浮動票は緑の党へ流れる可能性すらある。そうなると囁かれるようにまたもや大連立となれば今度こそ社会民主党の終焉であり、二大政党制どころかドイツ連邦共和国の政治文化の弱体化を意味する。



参照:
キルヒホッフ税制の法則 2006-12-24 | マスメディア批評
芸能人の高額報酬を叱責 2007-12-28 | マスメディア批評
三十五年前からの使者 2005-09-11 | 歴史・時事
淘汰されるグロバル社会 2008-09-07 | 歴史・時事
ケーラー連邦大統領の目 2008-01-02 | マスメディア批評
脱資本主義へのモラール 2006-05-16 | マスメディア批評
ニューオリンズを聞いたボブ 2005-09-06 | 歴史・時事
by pfaelzerwein | 2009-09-15 01:34 | マスメディア批評 | Trackback
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