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あっと驚く、びっくり水

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安いスパゲッティがスーパーのブランドで出ていた。以前買っていた安物イタリア物に代わるように提供されている。五百グラムで34セントほどのものだから、三回で食べても安く、四回ならば一食あたり七セントであるから、四合の米34セントと同じである。基本的には麺類の方が米よりも高い筈であるが、同じ価格となっている。

スパゲティの安いものは美味しくは無いが調理の仕方によっては十分に使える。今回のものも初めての購入であったので一袋しか買わなかった。しかし、袋に書いてある調理法通りにすると、前のものとは比べられないほど美味く、ブイトーニより美味い。バリラには落ちる。その秘訣がなんと驚くなかれである。

七分の茹で時間に続いてびっくり水をしろと書いてある。こんなスパゲティーは初めてである。そこで茹で上がりをさっと水に通してみた。びっくり仰天の麺の締まりで、まるでイタリアでのパスタと同じぐらいに美味い。ぴちぴちしこしこのスパゲティーで尚且つそー図が良く滲みる。

イタリアのお店でも調理場では乾麺を茹でてびっくり水をさせているのではないかと疑わせるほど上手に茹で上がった。追加で購入して、今度はどんなソースにするかが楽しみである。

テッシンで購入したメルローの高い方を飲んだ。数フランだけもう一つのものより高価なだけだったが味は大分上であった。スーパーの価格のつけ方は多くの人が何度も試飲して決めているので、こうした差が蔵出しを買うのと同じように出ることもあるのだ。その反面全く見当違いの価格設定は、蔵出しではありえないぶらつきである。スイスのメルローは、ポメロールのようなボディー感が無い代わり、ワインのロールスロイスには無い深みと複雑さがある。

一昨日開けたロベルト・ヴァイルのキードリッヒのオルツリースリングは大変素晴らしくて驚いた。2009年産のラインガウは素晴らしいが、その中でもヴァイルはスレート土壌のリースリングとして、そのテロワールの出し方は天下一品である。同じワインを秋に飲んだときと比べて、更に開いて来ており、鉱山でトロッコに乗って進んでいくような鉱物臭さが美しく広がる。熟成が進むと行き過ぎになりそうだが、新しいうちにこうして愉しめば、本当に品が良い。ナーへのシェーンレーバートは異なった意味で、ヴァイルのリースリングはスレート土壌のリースリングを代表する逸品である。2009年以降は、これなくして辛口リースリングやスレート土壌を語っても仕方なかろう。
by pfaelzerwein | 2011-01-26 06:06 | 料理 | Trackback
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