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スイス合理主義の判断

スイスの脱原発は福島後も急激に進行していないようだ。五基ある原発の発電比率は38%と堂々たる原発大国で、1990年からの一割の消費量上昇にともなって発電量も24%増加している。化学や機械などとしてもそれほど大きな工業が無い割りにこのように消費量とも増えているのは、日本などと同じで市民が繁栄に関してなにか考え違いをしているのではないだろうか。

日本は地震大国であるから即全廃するのが最も合理的な考え方であるが、スイスは危険性が少ないとして国際標準の原発60年寿命説を採用する。そのことから2050年まで時間を掛けて全廃していくというのである。

その背景には現在の「繁栄」を保持しながら持久性のあるエネルギー源を確保して、尚且つ炭素排出量をふやさない再生可能エネルギーへと切り替える期間の必要性ががあるからなのだ。そのひとつである三カ国の境にあるフランス国内の老朽化したフェッセンハイム発電所もスイスが関与しているのである。こうして2019年から徐々に2050年まで時間を掛けてスイス内の原発は廃炉に向かう。しかし、半世紀を越えようとする危険な老朽化した核反応炉を使い続けようとするのは果たしてスイスの合理的な思考なのだろうか?



参照:
Die Schweiz hat es mit dem Atomausstieg nicht eilig, FAZ vom 9.1.2012
仏ストレステスト後の指針 2011-11-19 | マスメディア批評
地盤に立ち上げれ、農民! 2011-11-15 | アウトドーア・環境
ベルリン、原子力の創世と終焉 2011-07-07 | 歴史・時事
アルザスの原子力発電所 2011-07-06 | アウトドーア・環境
裏町のパブリックな対応 2008-02-18 | 試飲百景
二十五年前の市民の連帯 2011-08-13 | 歴史・時事
漸く歩みだした廃炉への道 2011-09-03 | アウトドーア・環境
古典的17時50分問題 2011-10-15 | 文化一般
by pfaelzerwein | 2012-01-11 05:35 | アウトドーア・環境 | Trackback
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