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二分咲き帰りには四分咲き

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今年初の試飲会であった、出かけるときには二分咲きだったアーモンドは帰りには四分咲きになっていた。まるで他所の子供の成長を見るようだ。

さてワインの方の歩みはそれほど速くない。少なくともクリスマス前に出ていたバッサーマンヨルダン醸造所のリースリングは殆ど変わっていなかった。寧ろ酢酸のような酸が目立って、まさしく一部の評論家が危惧していたような早摘み、早醸造の悪さが出ている。

酸が弱い2011年産であるが、所謂酸が分解されていない質の悪い酸が多いとなるとこれは品質の問題となる。反対に上位の商品では酸の弱さが感じられて、要するに若干中途半端な収穫時期となったのではないかと想像する。

実際、重要な商品であり2010年は久方の返り咲きとなったウンゲホイヤーは、ミネラル成分の強さはたいしたものとしても、酸が弱い。こうしたリースリングは長持ちしない。折角ご進物に使おうと思っていたがとても残念である。

同じような傾向は天然酵母醸造のアウフデアマウワーにも通じる。これは樽試飲であったので色合いも緑でまだ十分に熟成しているようには思われなかったので仕方ないが、2010年産に比較するともう一つ物足りない。

丁度中間地帯にある今年の新商品のピオニーアは美味く造ってあるが、その価格どおりの価値があるかどうかは別である。同じようにブルグンダー種はどれも気楽に飲みやすい味筋となっているが、比較的ファーストフード程度で遣る瀬無い。スヴェニアオン・ブランの緑ピーマン味は強烈だったが、シャルドネーなどもドイツでこうしたものを栽培してどれほど価値があるのかと思わせる。

流石にキーゼルベルクは美味く仕上げてきていて、結局手間のかけ方などにメリハリをつけているようで、若干白々しい面を感じる。その傾向では、新しいBJの家紋の入っていないエチケットは散々な評判で、もはや今までのものを捨て去る必要があるように思われる。伝統あるバッサーマン・ヨルダン醸造所はもはや昔の面影は殆どなくなった。固定客層も大幅に減ってきたように思われるがどうだろうか?

とても難しいところにきている。葡萄が成熟して酸が綺麗に分解して、ワインが熟成するには時間が掛かるが、栄光が斜陽となるのは一瞬である。ピオニーアーなどとBJ家を称える商品を出した醸造所であるが、もはや過去の栄光となっていることを語っているだけではないだろうか。



参照:
初雪で漸く冷えてきた 2012-02-01 | アウトドーア・環境
はなの憂鬱 2011-03-21 | アウトドーア・環境
いよいよ四月本番の空気 2009-04-04 | 暦
寒の戻りの鮭のクリーム煮 2009-03-22 | 料理
高度差によるミクロ気象 2009-03-20 | 暦
四旬節に香る春の響き 2009-03-15 | アウトドーア・環境
小雪ちらつく強い花並木 2008-03-07 | ワイン
アーモンドの咲く里に 2007-03-16 | 試飲百景
実も殻もないはなし 2006-04-27 | アウトドーア・環境
by pfaelzerwein | 2012-03-18 02:49 | 試飲百景 | Trackback
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