人気ブログランキング | 話題のタグを見る

アドルノ先生とすべき議論

海賊党の姿勢に対して著作権者が署名運動をして強い抗議行動となっている。同時にネットでは知的創造に関わる議論が海賊党内外で盛んになっている。

連邦代表理事のユリア・シュラムは、自身のツイッター上で、「デモクラシーやフリーダムの定義のみで争っているのではなくて、アートの定義について争っているのだ」と声明した。

つまり、「芸術家が消費の需要者に落ちてしまって、もはやそれそれは芸術であるか?」と消費社会への批判を持ち込むとき、おのずからアドルノの名前がそこに輝き始め、「文化工業」というハッシュが出来上がった。

こうした状況を受けて、ベルリンの代議士ラウワーは、「そもそも芸術の定義などを党がすべきではなく、嘗てバイエルン首相フランツ・ヨゼフ・シュトラウスが何十年も前に試みたことだ」とはしながらも、著作権問題で大きな反響と批判があったことから、「真剣に受け止める必要がある」としている。

しかしながら、芸術の商品の差異を定義することは歴史的にも難しく、今回の創作者からの抗議においても、所謂著作隣接権のみならず著作量料徴収団体などの協力無しにその知的創造物が管理もされず報酬されないことを明確にしている。

なるほどアドルノが正しいとしても、その文化工業の概念を議論するにはとても津リッターでは役に立たないと言う事実も浮かび上がり、一般の多くの市民がともに声を挙げる海賊党のありかあの根幹にも関わるものであるのは間違いないであろう。

そして海賊自体にはそうした論争の文化が無く、自らの提案が藁人形を自ら打つだけでしかないと、この新しい政治結社の声に注目する。ネット文化のツィッターの限界を明らかにするとともに、従来の政治では市民の声が反映されない問題点をもあからさまにしていることには間違いない。



参照:
Wir müssen das ernst nehmen - aber was genau?, Stefan Schulz vom 11.5.2012
海賊党が問題提議したもの 2012-04-22 | 文化一般
頭の悪い人達が集まる業界 2010-02-11 | マスメディア批評
天を仰ぐ山寨からの風景 2009-01-12 | 文化一般
著作権のコピーライト-序章 2005-08-05 | 文化一般
社会資本の換金請負 2005-07-15 | 歴史・時事
文化の「博物館化」 2004-11-13 | 文化一般
政治への強硬な姿勢 2012-05-10 | ワイン
by pfaelzerwein | 2012-05-13 02:41 | マスメディア批評 | Trackback
<< 雑食砂岩で新しい靴を試す 貧相な幕府小役人の写真 >>