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バンジージャムプ並の転落

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岩登りでは初めて大きな転落を経験した。それ以外は、一度は剣の三の窓雪渓で、子供のときの階段でんぐり返しぐらいしか記憶がない。第二ピッチ目であるからバンジージャムプ並である。

途中の支点は一本のボルトと二本のハーケンだけであったが、最後の一本以外は大丈夫と確信していた。そもそもスポーツクライミングでの転落を良しとはしていない世代なので落ち慣れていないのだが、それ以上の転落なのでとてもよい経験になるだろう。

なによりもハーケンも抜けずザイルも切れなかったので、続けて二回も同じぐらい転落してザイルを傷めた。それでも右手中指の珪素による筋傷をはじめある程度出血するような切り傷も無く、危惧されたような翌日の打ち身傷も殆ど無いようである ― 尾骶骨をなぜか打っている。なによりも地上に落下するようなことも無く、ヘルメットを被っていたので眼鏡が吹っ飛ぶことも無く、頭部横を護れた。普通の帽子であったならそうはいかなかった。

物質的な被害などは今後改めて検証するとしても、重要なのは精神的な影響であろう。今後は更に現実的に落ちる計算をして移動式の中間支点である楔などをしっかりと設置していく実際的な対応を取るようになるだろうことは間違いない。

クライミング中の落下の恐怖心と実質的な安全性への対応を今まで以上に峻別していくことになるわけで、怪我をしない命を落とさない安全な落下を準備することがスポーツクライミングの重要な課題であることを改めて思い知らされた。

今回の転落はルートを間違ったことが大きいのだが、それでも十分に筋力に余裕があれば落ちずに済んだ。金曜日からの連日の活動とワイン祭りの睡眠不足が祟っていることもあるが、いろいろな意味で丁度落ちどころであったような印象もある。

先週の北イタリアに続き、様々な岩質を登るクライミング週間を終えた。頂上の登頂記録に誰かが書いていたように、「雑食砂岩などくそ食らえ」を噛み締めて再び地上へと戻った。


写真:上から滑落したアンヴァイラーのオーヴァーハング帯



参照:
バーデン・バーデンを登る 2012-06-17 | アウトドーア・環境
緩い傾斜と緩んだ気分 2012-06-14 | アウトドーア・環境
by pfaelzerwein | 2012-06-18 18:58 | アウトドーア・環境 | Trackback
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