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二年目の真価を示すとき

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クリストマン醸造所のピノノワールを注文し、オェールベルクを購入した。予想に反して酸が強かったので、それを確かめるように最もベーシックなシュペートブルグンダーを開けた。矢張り傾向は似ていて、リースリングでの酸の弱さとフルーティーな甘さとは大分印象が異なった。

それでもフォルストのムスバッハー醸造所などのものは完熟感が強くとてもフルティーであり、対岸にあるゼーガーのものもその傾向にあった。しかし、上のクラスのものほど透明感とミネラリティーが際立ってきており、同じ傾向はリースリングにも感じられるものであった。

それを引っ掛けながら、あの素晴らしいオキュパイ大飯の中継を流していた。これまた決して甘辛いの行動ではなく、その土壌の環境のテロワールを色濃く打ち出すようなとても印象深い記録であった。それをして社会の熟成と評価する参加者も多い。なるほどそうなのだろう。

週が明けてから懸案の2009年産のリースリングを開けた。夏以降に本格的に飲み頃が訪れる筈の瓶熟成である。2009年は明らかに酸が弱く、甘みが感じられた年度なので ― レープホルツ氏などに言わせると奇数年はミネラルの年で偶数年は果実の年となる ―、手元には限られたものしか残っていない。

むしろベーシックなワインはナトューアウアシュプリュングを中心に十分に楽しませて貰ったが、既に無くなってしまっているのは当然なのである。現在の見ごろを迎えて全開の2008年産も残るはグランクリュが中心となっていて、これは年末の2008年産祭りに残される。

さて、2009年産で複数本あるバッサーマン・ヨルダン醸造所のグランクリュ・ホーヘンモルゲンを開けた。もともと複雑味の少ない旨みの多い土壌からのリースリングなので、残糖と酸のバランスに大きく左右される。

結論からすると瓶詰二年を迎えようとしていて大分糖がこなれて来ていて、量感のある醸造所特有の酸とバランスが取れだしてきている。個人的な好みからすると後二年ほどしてもう少し糖が落ちてくれるようになると良いだろうと思うが、そこまで飲み代がもつだろうか?

しかし致命的なのは、人工的に石灰層が積み上げられた塀の上の地所からは複雑な土壌感は得られない。そう少し木が古くなって根が深く伸びてくれると面白いのかもしれない。このあたりの事情は隣の地所を使うビュルクリン・ヴォルフ醸造所においてもより高価であったこの地所からのワインがウンゲホイヤーなどと価格が揃えられたことでも分るだろう。

それでもそれゆえに万人向きのリースリングであって、このまま熟成しても重くなりそうでもなく、酸が突出するわけでもなく、少なくとも瓶詰後五年ぐらいまでは新鮮に楽しめるだろう。



参照:
学歴のある奴か失業者 2012-06-29 | 生活
何処までもついて行くわよ 2012-05-20 | 試飲百景
定まった天の配剤の絶妙 2009-03-24 | 試飲百景
by pfaelzerwein | 2012-07-12 22:55 | ワイン | Trackback
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