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本年第三登の気持ちよさ

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漸く凌ぎやすくなって来た。もう一息である。マーキングを済ましたザイルを始めて使った。オーバーハング帯を懸垂下降した。完璧である。

バヴァリアンフェルツと呼ばれるとてもマイナーな岩頭を登った。駐車場から近く決して隠れた辺鄙な場所であるどころか、地元の街中からも国道からも良く見えるのにである。頂上の記帳には二十年前からのそれが残っているように、今年になってから第三登の名誉を得た。初挑戦なので一般ルートを攀じ登った。

他のルートに比較して蜘蛛の巣などが全く無く清潔な感じがあり、第一ピッチ目は稜線に上がると容易でわかりやすかった。そこから第二ピッチは裏側の南面のバンドを反対端まで渡って行くのであるが、北面側が地上までわずか30メートルほどしかないのに比較して南面側が驚くほど高度感があってびっくりした。そして南から北へと吹き上がる風がとても気持ちよい。

南壁を横断するバンドは数十センチと比較的広く、内側を辿れば奈落を直接覗くことことが避けられるので怖くは無いのだが、道は平坦ではない。更に途中設置可能な支点の数も限られている。更にリュックサックとヘルメットが天井に当たるのでやり難い。特に一箇所は障害物となっている小さな岩を乗り越えて向こう側に降りるのが結構ややこしい。

それを乗り越えるとそこは鳥の館のようで、白い糞でそこかしこと色づけされていた。幸いなことに鷲も鷹も居らず向こう側へと通行させて貰った。そして反対側の稜線に出て、頂上への三メートルほどの壁を登ることになる。そこがまた、一箇所だけしっかりした指が掛かる手掛かりがあるものの、中の割れ目の右手の手掛かりが広がっていて余りよくない。垂壁なのでここも結構厄介な場所であった。

今年になってからクラシックと呼ばれるこうしたルートを登る機会に恵まれている。そのままアルプスのクラシックルートに繋がる練習でもあるのだが、このルートも難易度二級に指定されている。嘗て三級の岩場は沢山登ったが、これまで更に容易な二級ルートを登る機会には殆ど恵まれていなかった。

本来ならば片手をぶらぶらさせていても登れる筈なのであるが、それがどうして、手強い一歩二歩がしばしば表れて、更に特にトラヴァースなどでは心理的な圧迫感は単に上へ上へと登って行くときよりも強い場合が少なくない。こういう場所で練習しておくと、アルプスの高峰で完全に切れ落ちている場所でも落ち着いて身体を制御していく練習が出来るのである。一般的には、所謂「悪い」と呼ばれるような場所なのかもしれないが、なるほど中間支点を取りにくい面では不幸なのだが、決して岩質などはそれほど悪くはないのである。ロッククライミングは、必ずしも手足を動かすことだけでなく全身の調整力であることを再認識されるようなルートである。

日曜日に峠まで走ったが、その帰りに出会った小母さんが走っていた森の中の道を爪先で走ってみる。坂なのでそもそも厳しいのだが、爪先走りにすることでテンポが落ちでも速度は速い。なるほどぜいぜいするが、そのまま駐車場まで爪先で走り十五分続けて降りてきた。徐々に筋力だけでなく心肺機能まで序に鍛えられそうで大変期待している。これならば何千ユーロもするような高級なマウンテンバイクは必要ない。



参照:
爪先走りで膝を立てる 2012-08-16 | 生活
取り敢えずのフットワーク 2012-08-21 | 女
NPO法人PK会長の穴潜り 2012-06-25 | アウトドーア・環境
黄金の十月の美しい残照 2011-10-16 | アウトドーア・環境
by pfaelzerwein | 2012-08-23 23:43 | アウトドーア・環境 | Trackback
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