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エリート層育成への茨の道

IWJの中継が凄いことになってきている。大飯原発発電所の再稼動阻止行動報道で頂点に達したかと思ったが、決してそのような様子は無い。それどころか、官邸前抗議行動に続いて人事案撤回行動における多種多様な映像化は、新たなその抗議対象の緊急性や重大性に応じて新たな頂点を築いている。

そこではここ一年以上に亘って重要な活動を担ってきたFoEなどの団体の面々が各々様々に力をつけてきていて、途轍もない指導力や組織力を放出しているのである。以前から、環境運動家の質や量には欠かないと確信していたが、やはり環境運動にはそれなりの感性や知的な分析力などが欠かせないことからすれば当然なのである ― フクシマ難民の語り部長谷川さんの度重ねて洗練と凝縮の域に達した強烈なアピールの表現に心打たれないものはいまい、浄瑠璃も何も理解しない人間が環境などとほざくのがおこがましい。

それにしても、蛸壺社会の日本社会の中で、ネットがその取り持ち役を担ったとしても、とても素晴らしい市民ネットワークが出来上がってきている。日本旅行をして屡思うのだが、日本人の外国人に対する親切や細かな気の使い振りは特筆するべきもので、蛸壺の社会を離れたところでの非常に柔らかな素朴な感性を感じるのである。

議員会館内での各国会議員を回るボランティーアの市民たちの活動を生で映し出すIWJのとんでもない革新的な生中継内容は、民主主義の根幹に関わってきている。そこで運動が直面するのはまさしく数の論理でしかないのであるが、その内容が全く議会で十分に議論されていない、官僚作成の立法府のあり方を、視聴者に身を以って思い知らせる。

MBS放送のラジオ番組「たね蒔きジャーナル」の番組打ち切り問題に対して、署名や申し入れだけでなく市民スポンサーのために多額の金子が短期に集まるなど、こうした市民の行動が、如何に独創的でありとあらゆるアイデアに溢れていることか。

政治においては、なんら経験も何もない環境市民運動家ではあるが、表現者としての創造的な活動だけでなく、その指導力や統率力など、社会のエリート層の重要な部分を担う人材がそこに溢れていることは間違いない。

しかしそうした独創性や創造力を押さえつける教育を施してきたことで文化的になんら一流の人材を育てなかったことは、文芸だけでなく科学学問の広い分野においての人材の流出を促し技術基盤の充実を妨げてきたのであった。しかし、それだからといって急激に創造力豊かなエリート層を社会で育成するためには、日本ではそのエリート層を育てるだけのエリート層が無いために致し方ない。卵が先が鳥が先かの茨の道が続くのである。



参照:
揺らぐ霞ヶ関と情報カルテル 2012-08-03 | マスメディア批評
涼しげな緑のライフスタイル 2012-07-29 | アウトドーア・環境
徹底的に打破する市民の声 2012-07-14 | アウトドーア・環境
創造力豊かな無広告社会 2012-07-11 | マスメディア批評
黒ヘル群集と将来の指導者 2012-07-02 | 歴史・時事
原子力規制委員会 早くも秘密主義 (田中龍作ジャーナル)
by pfaelzerwein | 2012-08-28 05:27 | マスメディア批評 | Trackback
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