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とても楽しめた木曜午後

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予想していたほどの日和とはならなかった。そして相棒の医者も遅く床について朝の五時過ぎに起こされたようだ。患者が亡くなれば時を選ばない。たとえ病気の九十歳のお婆さんが亡くなったとしても、家族としても朝食が済むまで放っておくことは出来ないだろう。それで、駆けつけたとしても既に死んでいると往診はならないようで、死亡認定だけの料金しか貰えないらしい。

死亡時刻も家族の証言などで推測するだけのことらしい。その後のことは、葬式屋の仕事らしいが、今でも極稀に生き返ることもあるのは皆の知ることである。緊急医師はそれとは反対に、死亡診断書を書くことは出来ないようで、二時間後ほどに戻ってこなければ書けないというのである。

さて、そのような理由で出かけるのが遅れたので、新しい岩壁に挑むことなく、八月に登った岩壁を再訪して、南壁側を視察して、北壁の乾き具合を見た。一般ルートの容易なところを相棒に登って貰おうとしたが、取り付きからして最初の支点が取れない。そこで諦めて降りてきたところを、「二級の岩場ということを考えろ」とお説教して登る。するとなるほど最初の支点を取るのが中々難しい。なんとか楔などを挟み込んで、上部のチムニーを手掛かりを壊しながら登って驚いた。

西側の鞍部に居る筈が東側の鞍部に出てしまったのである。要するに登るところを完全に間違ってしまった。折角登ったので立ち木に足場を作って、相棒にも登ってきて貰った。少なくともそんなに容易な場所ではなかったのは当然で、完全に勘違いしていた。

幸運にも立ち木で懸垂下降できたので、下に降りて本来の一般ルートを探す。なぜか似ているのだが難しさはやはり大分違った。西稜を頂上直下まで行ってそこの最初のハーケンに足場を作って貰った。さて、前回は最も緊迫感のある東稜までの長い横断をして頂上へと上がったが、今度はそこから直接頂上を狙った。難易度は十分に高くは無いのだが、垂壁で中間支点を砂時計やフレンズなどを使って取っていくのは遥かに登るよりも疲れる。足が直にミシンを踏み出すのだが、二本目のフレンズの効きもあまり良くなく、緊張した。兎に角南壁側に四十メートルほど落ち込んでいるので痺れる。しかしそこからはもう頂上も文字通り手の届く範囲である。

間違った場所も含めて、二箇所も初めて登ったルートとなり、この時期としては汗も掻くぐらいでとても楽しめた。



参照:
本年第三登の気持ちよさ 2012-08-24 | アウトドーア・環境
by pfaelzerwein | 2012-10-19 05:06 | アウトドーア・環境 | Trackback
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