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今も続く摘み取り作業

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一昨日のホーヘンモルゲンの葡萄である。摘み取りは既に一ヵ月半以上続いているが、写真のビュルクリン・ヴォルフ醸造所のものも隣接のバッサーマンヨルダンのものもまだ残されていて、向かい側のモスバッハー醸造所のキーゼルベルクも摘み取り中であった。

要するにグランクリュは最後まで残されていたようで、今週末の気温低下と金曜日の雨の前に最後のグランクリュが摘み取られるのだろう。摘み取りが始まるまでは平均的な年度であったが、これだけ長く果実の熟成が為された例は最近は知らない。もしかすると、可也大型のグランクリュが期待できるのかもしれない。

そのように考えると今年の赤みの多い紅葉は、まさに酸が分解されて作られる寒暖の変化そのものであり、その紅葉の長さと同じく長い熟成が託されているのだろう。

先日来飲んだワインでは、何と言っても試しに開けた2009年産の中で、レープホルツ醸造所の雑食砂岩Sは素晴らしかった。酸の熟成だけでなく、落とした糖も、2009年の弱い葡萄で些か熟成が早まっている感じはあったが、春の最高潮を迎えていた2008年産の同じものに比較しても、とても品質が高かった。

2008年産の特徴は華やかな暴れまくる酸とその果実風味に尽きるのだが、それに比較すると2009年産はミネラル風味と落ち着いた引っ込み思案の酸が特徴であり、その質量から熟成もあまり長くは期待できないのであるが、現時点での青りんご系の味質と枯草風味は最高のリースリングの一つであった。

醸造所には飲み頃に関するサジェスチョンを与えているので、レープホルツ夫妻自体も私の言わんとすることを今回のSの瓶熟成でも実感していることだろうと想像する。顧客兼最高の理解者冥利に尽きる瓶熟成である。



参照:
センチメンタルな恋心? 2012-09-19 | 暦
何処までもついて行くわよ 2012-05-20 | 試飲百景
by pfaelzerwein | 2012-10-24 16:37 | ワイン | Trackback
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