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スポーツクライミング事始

日曜日はシーズン十日目であった。シーズン全体で大体四分の一ぐらいのところだろうか。当日はロープをリードするワークショップの予定であったので、その関係もあってか偶然に二組の仲間に出会った。一組は眼鏡親方の家族で、もう一組は本来ならばワークショップを手伝う蛸親爺と恐らく参加を希望していた若者であった。初対面の若者は適当なところをリードしていたので、ある程度は登れる力がありそうであった。

親方は何か登っていたが余り興味がないので見ていなかったが、こちらの練習風景が気になるようでチョコチョコ見に来て、話し込んでいた。こちらは昨日シュタイクアイゼンなどを注文して、アイスクライミングに備えているような話しをしていたのだが、アイスには興味がないらしい。

正しくそこが問題であって、アルピニズム的なロッククライミングを目指すのか、本格的にスポーツクライミングを目指すのかが全く見えない。実際の話、四級程度の岩壁を登ってきて、ただ登れなくなって降りてくるようでは、棒にも端にも引っかからない。フリークライミングを無視するならば幾らでも補助的な手段を使うなりして登り切れるはずなのだ。もしフリークライミングに拘るならば、せめて五級を身に着けてスポーツクライミングを意識してどんどん練習しなければいけない。

さて初心者講習の成果は、ワークショップはなくなったが、簡単なところをリードしてもらって、まずまずの成功を収めたことと、五級マイナス・五級のオヴァーハングを何とか登らせたことであろう。本人にとっては、室内では最初の五級であって、こちらが少々力を貸そうが、他の手掛かりを使おうが大成功である。これは本人よりもこちらの方が大喜びで、その五級マイナスの練習をさせ易くなるからだ。

四級プラスのポイントに本人の限界域にあるのだが、五級マイナスを視覚に置くことで、今後の動機付けが大分変わってくるだろう。騙し騙しではないが、少しづつ分からないぐらいに要求を上げていければ最高である。最初からすれば、四級マイナスが登れるという意識付けになってきているので、大分進歩した。

執拗に注意しないと左右のクローズ姿勢を明確に出来ないで、腕の力を使うことも多く、更に腕を伸ばし切るでも折り畳むでもなく、中途半端な体勢も執拗に指摘しなければいけない。隣で初リード風景と当方のザイルのかけ方の注意を見ていた親方の嫁さんつまり我が支部の嘗ての岩登り部長の娘が、「そこまで厳しく注意することがない」と言い、更に蛸親爺も「最初はそのまま適当にやらせ」と言ったのが、正しくこの点が従来の岩登りとスポーツクライミングの差異でもあろう。

つまり、スポーツクライミングならばその先のことを考えると最初から丁寧にロープをカラビナに掛けていく必要があって、その練習こそがその先の技術的な進展に結びつくのである。蛸親爺も専門はクレッターシュタイクであることを考えれば、どちらでも良いことと思っているのである。正直なことを言えば数年前までは全く同じ考え方で自分自身もいたのであり、当時はスポーツクライミングを十分にマスターしていなかったことの証明でもある。

眼鏡親方も「ドッペルブーリン結びを見てくれ」とか、少しづつ意識を変えて行かないといけないと思っているようだが、さてどうなることか?水曜日に合流したがっているので、来るようになればきっと変わるだろう。少なくとも私の特殊な練習風景なども細かく観察しているのは分かったので、山岳協会の機関紙の特集の話をしておいた。何を練習しているのかを自分自身が理解しないといけない。初心者が五級のオヴァーハングを登ったので、彼もせめて五級を完璧に登らなければクライミングの指導的な立場にはとってもなれないことぐらいは分かっているだろう。

私自体はオヴァーハングのみならず最後のストレッチまで含めて要所要所クライミングダウンをして、極端な体重移動を繰り返して結構握力のみならず全身に汗を掻いて、足腰腹筋を鍛える練習が出来た。



参照:
初心者講習の中身を点検 2012-11-25 | 暦
日曜日のクライミングホール 2012-11-05 | 生活
by pfaelzerwein | 2012-11-26 04:37 | 生活 | Trackback
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