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ザントマン娘への贈物

赤ん坊の上に吊る廻るようなものは日本語でなんと言うのだろう?ドイツ語ではモビールと称すると知った。若いザイルパートナーの第一子のために皆で贈り物をすることになって、ウィッシュカードを書いてもらった。その最初にあったのがこれだ。初めはバギー類かと思ってもう少し人数を集めなければいけないと思ったが、結局四人の予算で十分だった。

いつもの様にネットで色々と調べてみた。少し面白い題材のものが無いかと考えてサーフィンした。するとあまり聞いたことの無い砂男というのがモティーフとしてでてきた。安倍公房の砂の女ではない、男である。ETAホフマンが子供脅しのフィグアーとしてこれを用いているようだ。

つまりドイツの民間伝承として、ギリシャ神話やローマの伝説からの流れを汲んで存在しているようで、その砂男はそもそも洗濯のための白い砂を売り歩く業者の姿だったようである。いかにも中世ドイツを髣髴させる。もしかするとアンデルセンもそのフィグアーを用いているので熱心な読者なら馴染みがあるのかもしれない。

伝承によると、夜が更けると砂を担いだ男がやってきて、眠りの砂をまくと目が開けられなくなって眠るというのだ。朝起きるとその砂が目に入っていて痛いということである。その話から、よい夢をよい子に悪い夢を悪い子にというおなじみの勧善懲悪の話となるのは近代になってからであろう。

そして今回女の子が生まれたのだが、その上に釣られる人形のザンドマンが親爺の我々の仲間に似ているのである。それが選択の決め手となった。大ヒットしたそのメロディーに付けられている歌詞は、親爺の姿があるのだ。そもそもザントマンならず砂岩地方の奇岩を得意にするザントシュタインマンの親爺にこれほど似つかわしいものは無いであろう。



参照:
ケロイドの皮膚感を覚える 2007-08-06 | 暦
著作権権益を護る密告 2012-08-07 | 文化一般
by pfaelzerwein | 2013-06-14 21:48 | | Trackback
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