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戦線恐々しないために

天候の加減か、時間がなくて運動できなかったゆえか、久しぶりに疲れた。夏冬に関わらず昼間にうとうとして横になりたくなりたくなることは多いが、久しぶりに暫く横になった。考えてみれば、虫歯から開放されるまでの数年間はこの怠惰感のようなものから中々開放されることがなかったのも事実である。

そして抜歯して以降は、青のわけの分らぬ怠惰感から開放された感がある。なによりも呼吸が異なり、鼾もあまりかかなくなったに違いない。鼻の調子は完璧ではないが、殆どあの不快な蓄膿症状のような不快感から開放されている - 稀に調子が悪くなるときはあるが受容可能な範囲である。

日々の苦労は絶えることはないが、体調が好いと感じるほど尊いことはない。そもそも健康であるかどうかなんていうことは寿命と同じで誰にも分らないことなのでそのようなことを気にする方が間違っているのである。

アベノミクスを受けて連邦共和国の保険会社は、戦々恐々としていると経済欄にあった。日本のその低金利から契約時の金利を下回り保険を十分に返せないことで日本の保険会社が陥ったような状況をドイツのそれも陥る可能性があり、幾つかの合弁や倒産などが考えられるというのである。

日本大手はもはや日本国内での利益を諦めて近隣諸国での商売へと乗り出すことで活路を開こうとしているらしいが、ファンドなどを通しての運用はもはや期待できないということのようなので機関投資家として足抜けするということらしい。そうなると一般的に信じられているような投資の可能性はもはや先進工業国では通じなく、嘗てのような古典的な資産運用などは成功しないということのようである。当然のことかもしれないが、我々門外漢からすればこれほど具体的な事例も少なかろう。

金曜日は、今年初めて火曜日に続いて、石切り場に行った。火曜日は凹角のレイバックルートで苦労したが、金曜日は最も美しいカンテの上へと抜ける場所で苦労した。火曜日は割れ目であるから、なんとか中間支点を差し込んで誤魔化したが、次に登るときはその手順を確り頭に描いて登らないとやはり難しい。このレヴェルになると一挙手一動ではなくて、なん手(なん足)も先を確り掴んでいないと到底登れない。もしかするとそれが5.10超えの近道かと思うのは、全く同じような状況がカンテ抜けルートにもあるからだ。前の週に上部は下見をしておいたのだがそこへ抜けるところを苦労した。敢えて、トップロープで小さな手掛かりを無視して、下からと同じようにカンテを攻め続けて、左手でまさぐり、右手を思いっきり広げて掴んで登ってみたが、その登りかたの限界も分った。

今年最初となる下部の部分は新しい靴で大分綺麗に登れるようになったが - ドロミテへの同行者は五級までを宣言しているだけになぜかおなしなところで登れないのである(注) - 、その難易度六級からすると当然なのかもしれない。それに比べると、上部の一箇所は正しい手掛かりを使えばなんとかなるのだが、それに引き続き急なカンテを攀じ登り、更に上の手掛かりから、最上段を超えてもう一つ上の最上部の岩まで握ってしまわないと、支点にザイルを掛けるのが難しい。そこまで入れると、数手は先なのである。そして最初から全く戻ることの出来ない数手であるから、一気に正しく登り切らないといけない。前者は高度感はないがその数手が複雑な動きであることを考えれば、後者の方が容易となるのだが、落ちるときの距離感が異なる - 我々セクションの5.11の実力者が最初の小さな手掛かりで手を滑らした。

身体の複雑な動きに加えて、数手先を間違い無くこなすには、反復練習となるのだろうが、そのためにはもう一度トップロープ登らないといけないか。しかしそこを登る以上に自らの難易度5.10の壁を乗り越える方法を見抜くことが重要なのである。嘗てやっていたような思い切りと腕力で何とかしてしまうというのとは全く異なる次元で、その時のボルダーリングでの壁ともまた少し違うのである。自分の挙動をもう少し頭で描けるように意識してみたらどうだろうか。いづれにせよ、私のような性分からするとスポーツクライミングは可也辛気くさいスポーツなのである。



(注)彼の問題点はやはり技術的な未熟度であり、狭い凹角の中で肩幅程度に左右に少し突っ張るような足使いが全く出来ない。これは、意識していないから、彼にとっては全く未知の身体に使い方になるのかもしれない。大きな岩壁でも巨大工場のその教育係である人格を含めて比較的安定して登る彼の実力であるが、多くの同僚と同じくどうも上の世界は腕力が支配すると勘違いしているようだ。ある意味、嘗ての山靴やシュタイクアイゼンで登る経験を持ちえていないだけに、プレジャークライミングの域を彼が抜け出ようとしないのはとても残念なのである。要するにスポーツクライミングでもなく、本格的なアルピニズムでもないからである。その差異や本当の面白さに彼が覚醒するときがあるのかどうか?



参照:
知的スポーツへの触り 2013-06-26 | アウトドーア・環境
短い夏のジャンダルム 2013-07-01 | 暦
by pfaelzerwein | 2013-07-07 01:47 | 雑感 | Trackback
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