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キャムプ用リースリング

フォン・ブール醸造所で試飲をした。時間もあってか静まり返った醸造所には、それでもちょくちょくと人が訪れる。やはり観光地ダイデスハイムの本通に面しているからだろう。旅行者も入りやすいのである。

今回の目的は、ドロミテでのキャムプ生活でのリースリング三昧のためでの試飲購入である。ミュラー・カトワール醸造所にも寄ろうかかと思ったが、ここで用件が済ませた。特にライヴァルの男が一昨年ここのリースリングを気に入っていたので、もう一度彼の反応を試したくなったのである。というのは、ここのリースリングの評価はそれほど定まっておらず、寧ろ実際よりも評価が低いからである。更にビュルクリン・ヴォルフ醸造所の同価格帯のものであると、現時点ではもう一つ纏っていないので、キャムピング場などでは決してよい評価を受けないことは分っていたからである。同時にフランスに持ち込んだモスバッハー醸造所のヘアゴットザッカーならば、食後に少人数で吟味して楽しむには若干物足りないと感じたからである。

さて、最初にリッターリースリングの辛口を試す。当たりは決して安物臭くないが、吟味すると糖と酸の弱さを直ぐに感じてしまった。価格は知らないが楽しむだけの要素は無い。そこでグーツリースリングである。これは価格も粗9ユーロなのでその期待通りに、能書きの「力強さとミネラルの均衡」を十分に感じさせてくれた。但し、アルコールが11.5%しかないことは直ぐに気がつく。要するにサマーワインなのである。少なくとも買えるとは思った。そして決して2012年は悪くはないのである。

次にヘアゴットザッカーを試す。これは明らかに内容が詰まっていて、アルコール12、5%に嘘は無い。それどころかここの地所の良さを反映して、とても清々しいヘアゴットザッカーとなっていて、なるほど完全にモスバッハー醸造所のそれを上回っている。しかし価格も10ユーロであり、その差は1.6ユーロなのだ。つまり六本購入すれば10ユーロほど高くなる。それにしても柑橘系だけでなく黄色の果物のフルーティーさもあり、培養酵母としてもよい造りになっている。糖も絞ってあり現時点では可也よいリースリングである。

序にキーゼルベルクを試すが、これはいつもの通り若干重くなっていて、現時点で飲み頃のワインとは思わなかった。ムーゼンハングはそれほど酸が強く出ていなくて、2012年の特徴なのだろうが、若干うすべったい。モイズヘーレは殆どPC感覚であり十分にテロワーを反映しているので、秋口にもう一度吟味してみたいワインである。

ビオ農業へと全面転換しており、ドイツでも最高級の地所と区画を有する醸造所のワインだけに、そのグーツリースリングの秀逸さは当然ともいえる。但し、置いといて飲むワインでは決して無いので、夏の間に気軽に楽しんでしまうのがよかろう。

結論として、グーツリンスリング三本とヘアゴットザッカー三本を混ぜ合わせた。そして更に一本は自宅で空けた。大人は飲んでも六人なので、少なくとも二日ぐらいは、この二種類で食中と食後を楽しめそうだ。後は、他のものが持ち寄ったビールやワインに、現地調達のイタリアワインで十分だろう。



参照:
大動揺する名門醸造所 2013-07-27 | ワイン
怪物のような大嵐 2013-06-22 | アウトドーア・環境
by pfaelzerwein | 2013-08-03 00:00 | 試飲百景 | Trackback
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