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屋根裏空間の解体と期待

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漸く、近所の家の櫓の解体が始まった。修理に失敗して、解体が始まって中休みが三ヶ月ほどあったろうか。人事であるからその間に何が起ころうが構わないのであるが、雨除けに被せていたシートが突風で音を立てるのだ。その音にも慣れてしまったが、精神衛生上こうして屋根が解体されたのはよかった。

どのような屋根が出来上がるかは分らないが、その経過を楽しみにしたい。自分の住んでいる屋根裏部屋も似たようなものであるが、最初に見学したときはまだ断熱材が張っていないどころか、床に節穴が開いていたのを覚えている。さぞかし現代的な構造の屋根裏空間が構築されるのだろう。

精神構造上といえば、2009年産のワインが気になって、第二段を開けた。前回と同じくラインガウのフォンジメルン醸造所のグランクリュ、マンベルクである。その地所の現地視察をしてその歴史的な名前の期待に反して、鉄道脇の高架の土手のようになっていたのには失望した。勿論土壌も重くて、石灰かなにかのネチョネチョ感も強かった。そもそもあの一体は石灰質で鋼鉄のような立派なリースリングには向かない。だから熟成するとどうしても丸く平板になってしまうのである。

予想通り完全に出来上がっていたが、この醸造所の別な長所はまさによれよれの熟れた感じのリースリングであって、これはこれで美味いと飛びつく人は少なくないに違いない。それだからこその名うての地所なのであるが、我々リースリング通からすると物足りない。適当な中華のような食事や円やかな食事には合うだろうが、素材を活かした旬の味などを楽しむにはどうも情けない。とはいっても、決して最後まで残糖感を感じさせることも無く、最小限の酸ながら決して重くもならず苦くもなんとも無く快適だったのは2009年の熟成が優れていたことを示す。

その一方、このワインをこれから寝かして更に楽しめるかといえば、全く期待は出来ない。そもそも始めから美味いリースリングなんて、大きく成熟する可能性も無く、美味いときに飲んでしまえば良いので、どうしても割高なのである。本当に価値があるリースリングとは、最初はバランスが悪くとも大化けして、末永く瓶の中で成長するリースリングである。少なくとも五年経過後から更に十年ほどは全く崩れないリースリングは偉大なのである。



参照:
2007年の初仕事 2007-01-03 | 生活
ビザンチン十字架のお守り 2010-06-22 | 文化一般
2009年産の過熟成速報 2013-08-29 | ワイン
by pfaelzerwein | 2013-09-02 23:27 | ワイン | Trackback
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