人気ブログランキング | 話題のタグを見る

初物には無い割安感

試飲して選んだロベルト・ヴァイル醸造所のオルツリースリング・キードッリッヒャーを開けた。試飲したときの印象と違わず酸の量感も残糖もアルコールも申し分無い。敢えて付け加えれば香りがあってもよいかと思うがこれが2013年産の最初の山の特徴である。

ミネラル感も低地のクロスターベルクのようなそれが感じられて決して悪くないのだ。価格は15ユーロであるから、他の一流醸造所の中間クラスのワイン価格である。ヴュルクリン・ヴォルフ醸造所のオルツリースリングと同価格帯で、ここに来て価格が並ぶどころか、完全に逆転したことになる。

当然の事ながら培養酵母を使って、木樽も使っていないワインと、天然酵母の自然発酵で木樽を一部使っているそれとは価格は違って当然なのだ。それでもラインガウの土壌感や木目細かな醸造が十分な魅力となっているのがこのキートリッヒである。

ヴァッヘンハイマーオルツリースリンクとの比較で言えば、そのベースとなる土壌は決して悪くは無く、高級感がお買い徳である。その酸の量感と質は、いづれ果実風味が開いてくるときに新鮮さを裏づけするに違いないのである。この酸はリンゴ酸の尖ったものではないから先があるのだ。二年後にも飲めるリースリングに違いない。

ヴァイルのグランクリュ、グレーフェンベルクは予約しておいた。割安である。しかし、ヴュルクリン・ヴォルフのグローセスゲヴェックスは今年は先行予約割引が無い。収穫量が少ないからである。その分、質はとても高い。一本50ユーロ以上のグローセスゲヴェックスを発注した。十年に一度ぐらいの価値があると予想したからである。今年からPCのランゲンモルゲンがGCと格上げとなったが、その石灰の混じった土壌からすれば、価格ほどの期待できないと思うので、その初物の注文はしなかった。



参照:
初の13年ラインガウ試飲 2014-05-31 | 試飲百景
リースリングの賞味期限 2014-05-29 | ワイン
by pfaelzerwein | 2014-06-12 18:23 | ワイン | Trackback
<< 北の聖歌隊長と南の楽長 ジャストフィットな色合い >>