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思いがけない請求書

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既に決着がついていると思った請求書が届いた。九月に解禁になるリースリングの詰め合わせがザールから届いたのだ。発注していたのにも拘らず一向に届かないのは発注が遅れたために売切れてしまったと思っていたのだった。

ファン・フォルクセム醸造所の便りには2013年は腐りが多くてまともな辛口はごく僅かしか収穫されなかったと書いてあったから、それはそれれで仕方ないと思ったのだ。正直今年のワイン購入はそろそろ締めにしようかと考えていたところだ。

今回は上のような事情もありよいものを少量、グローセズゲヴェックスは二種類しか収穫されずに、ポトリティス交じりの辛口以外は甘口下手になってしまっていることであり、それ以上は求めようがなかったので上級リースリングのお試しセットにしたのである。価格は六本で114ユーロである。

内訳は、自身の葡萄で醸造するもっとも単純なアルテレーベン二本、グランクリュのゴールトベルクとシャルツホーフベルガーを二本づつである。後者二本の出来はアルテレーベンを試せば分かるだろう。寝かしてものになるのかどうか?何はともあれこれを試すことで2013年のモーゼル流域の出来もある程度認知可能となる。

ここ暫くで、カルタヴァイン、ゴールトベッヒェル、フリューリングスプレッツヘェンを立て続けに開けた。真ん中のそれが上位のクラスに当たるだけで、略同じ価格帯の現在のドイツの代表的な価格帯のリースリンク三種類である - もはやこの価格即ち現在16ユーロ以上の白ワインはドイツのリースリングと比較できる品質と価格は世界で皆無となった、それ以下はおそらくフランスとイタリアの天下だろう。

前回開けたときに残糖感にがっくりしたゴールトベッヒャルは二日目も三日目もまったく問題なくて、前の瓶は何らかの問題があったとしか考えられないと落ち着いた。天然酵母で立派に造ってあってもポトリティスが混じっていたのかなと落胆したぐらいだが、全くそれは危惧であったようだ。カルタヴァインに関してはなるほど酸が立っていて若過ぎるかもしれないが、これはこれでより都会的素晴らしいと感じた。最も田舎くさいフリューリングスプレッツェンも柑橘系ながら複雑な味が混じり、最初のポトリティス由来の蜂蜜味もそれほど食事に否定的には感じなかった。むしろこれぐらい汚れがある方が気楽に楽しめて、食事に合わせやすいのかもしれない。

いづれにしても2013年産は、酸に関しては2010年に近づいているが、その年と異なって石灰処理をしないで醸造できた醸造所が数多くあるので経年劣化が少なく、品質としては明らかに上位となっている。2014年に関しては、酸は2013年には及ばないが、2012年よりは効いているということである。しかし試食した感じでは、風味は2013年には遠く及ばないようで、量は収穫されたが、質はあまり期待していない。

先週誕生日祝いに2012年産ガイスボェールを購入した節に、既にキルヘンシュトックも収穫されてしまったということで若干驚いた。2014年産は買い手市場になってくれればよいと思う。



参照:
多少の揺れは想定内 2014-06-28 | 生活
本場って、一体どこ? 2013-12-22 | 暦
by pfaelzerwein | 2014-10-09 23:51 | ワイン | Trackback
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