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飲み頃を探る試飲談話

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金曜日の試飲について書き留めておこう。道すがら立ち寄ったデーノッフ醸造所では試飲できなかった。今年もリースリングは売り切れていた。余程、個人客ではなくて業者を通じた販売を心がけているのだろう。一種のネゴシアン制のようなものだ。もしかするとナーヘの古い醸造所の伝統なのかもしれない。そうなると春に目利きをつけなければいけないので、数年間は付き合わないとわからないだろう。当主と話していると、デルヒェンなどはこのクリスマスに十分楽しめるということで、三本も購入したのは間違いではなかったようだ。どちらかというと早咲のグローセスゲヴェックスの代表的な醸造所のようだ。確かに、春の樽試飲でも芽が出ていたので、パイロットとして目を付けたのだった。

それに比較するとフェルツェンベルクなどは瓶熟成などが前提となってようで。試飲会の時に話題となったことである。今年の正月に楽しめたということは2013年産はあまり熟成しないタイプであったということでもあるかもしれない。ここのグローセスゲヴェックスは基本的には五年ぐらいまでだろう。その意味からは、2014年産のヘルマンスヘーレは熟成が期待できる。2015年産も期待できそうで来年の試飲会までにはもう少し造詣を深めておかねければいけない。

試飲もないということで、シェーンレーバー醸造所の空箱を若旦那に見せてそそくさと車を出す。幹線道路に戻って予定よりも早くモンツィンゲンに着く。試飲して買う予定だった分のリースリングをそこで補うことになるので予算が増えた。最初からフリューリングスプレッツヘンは買える予定で、空箱をお母さんに渡して、蔵に降りていく。息子がいるべきところに先代がいて挨拶する。

またまた、アデナウワー醸造所の親父が酌をしていたが、キュンストラー醸造所にヴィルシング醸造所などと一緒に出掛けていると思っていたので驚いた。出張販売の多い醸造所のようだ。その親父とは、その後奥で垂直試飲つまり、古い年度のグローセスゲヴェックスを一緒に楽しんだ。2012年はまだ若すぎたが、甘みなどが分離してきているのでこれまた先が期待できる。まだ全く出来上がっていなかった。それでもあの甘みは最初にはなかったものなので、熟成の時を待っているものだ。

2010年産は、思っていたよりもかなり良かった。石灰も全く感じなく、色もそれほど黄色くない。酸の新鮮さが際立つ、今まで開けた2010年ものの最上位に入る。2009年は流石に酸が落ちていて、飲み干すべきだと感じた。2008年産は独自の酸が広がっていて皆の評判は良かったようだが、鼻に来る糞土の匂いは頂けない。それからすると2005年産のそれは微かであって、今まで開けた2005年産の中では最も綺麗に熟成していた一つだ。それでも十年は、流石に長過ぎるようで、大体この醸造所の瓶熟成の限界だった。

さて、2014年産は2012年と2013年の中間ぐらいか。それほど清潔な葡萄ではないが、PC相当のフリューリングスプレッツヘンで少しポトリティスを感じるぐらいだ。その点では2013年よりも質は高い。十分に楽しめるリースリングである。一方ヘレンベルクの方は若干苦味があって、上部のミネラールも麓の新しいハルガンツも苦味が交じる感じで、これも2014年の特徴であろう。要するにストレスがあるのだ。戻ってきた息子に聞くと、水に関しては古い木なら問題なく、新しいものには手を施ししたので、むしろ日焼けということらしい。オークション向けのアウフデアライも同じ傾向だ。

するとどうしても僅かの蜂蜜感があるフリューリングスプレッツヒャンのグローセスゲヴェックスもそれほど悪くはない。そしてヘレンベルクの2012年産リザーヴが久しぶりに面白かった。健康な葡萄からの残糖の残った古酒が楽しみになる。

一通り決めてからチーズを頬張っていると、どこかで見かけたチリチリの髪の親仁がいる。しかしどこで会ったか思い出せない。先方の方があまり意識していなかったので挨拶もせずに買い物を済ませて、ワインを抱えて車の方へと戻ると、ワイン街道ノイシュタットのナムバーの車が後側に停まっていた。そこでピンときたあの夫婦は山仲間の元大家さんで、ヴァッサーマンヨルダンの試飲会かで紹介されたのだった。そこで急いでワイン蔵に戻って話しかけてみた。奥さんこそ、となり町の出身でその土地をシェーンレーバー醸造所に貸しているのだった。またまたとてもインサーダーのお話になって、先代がそれを聞いていた。



参照:
石橋を叩いての樽試飲 2015-06-08 | 試飲百景
非常用の日常ワイン 2015-04-23 | ワイン
by pfaelzerwein | 2015-09-15 21:30 | 試飲百景 | Trackback
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