初めて暖房をいれる北半球
寒かったが短く走った。運動不足解消のためである。向こうの峰には前日まで雪が積もっていたものだから吹き付ける風が冷たい。まるで三月はじめごろの感覚である。ショーツ姿で手袋なしで走ったが、長くはいられない。最も短いコースを流しただけであった。
スペインのタリフからモロッコまでのジブラルタ海峡15KMを2時間53分で泳いだとして、ドイツ資産コンサルタントAGの創始者ラインフリート・ポールの孫ナタリーが新聞の三面記事に紹介されている。女性記録のようだ。写真を見ると小柄でぽっちゃりした21歳の娘さんだが、浮かび良さそうで流体系の身体が、水温16度の荒波をやすやすと乗り越えそうだ。三年前から始めた遠泳だというが、大したものである。我々のように時速15kmで走れる走れないとか言っているのとは大分違う。 日本のネットには沖縄先住民問題があった。国会で質問があったとある。沖縄の歴史を知れば知るほど、普通の日本人が琉球王国として知識で得ていたものとは違う沖縄の本当の姿が見えて来る。その琉球処分によって日本になるまでの経過も分からずには軽率に先住民族云々を語るべきではない。流石に昭和天皇はそれを知っていたかからこそ最初から最後まで一貫してよそ者扱いをしていたのだろう。それ故に沖縄の米軍基地問題が解決されるまでは、日本人のアイデンティティも十分に確立されないのかもしれない ― 沖縄人のアイデンティティーと翁長知事が発言する通りである。 昨晩は流石に寒かったので暖房をつけた。光熱費をケチって体調を崩すよりも良いと思ったからだ。それでもこの時期の暖房はこれまた体温の調整を難しくするので気を付けなければいけない。初夏になろうかという時期に、この冬のシーズンで初めて居間の暖房をつけることになる。冬場は寝室に篭っていてつけなかったからだ。 dbxというノイズロダクションシステムを思い出した。ベートーヴェンハレでの放送録音のエアーチェックを探して、見るとこのシステムでカセットテープで録音していた。当時はドルビーCをスタンダードとして使っていたので、これは違和感があってほとんど使わなかったものだ。実際に再生してみるとドルビーとは全く異質のもので、サーノイズは若干あるものの殆どデジタルのそれと同じように楽器が浮かび上がる。SN比を95db、ダイナミック110dbとなっているのは嘘ではない。当時のチラシを見ると「訪れるデジタル時代にふさわしく」となっている。 あの当時感じた違和感は一体何だったのかと思うと面白い。一つにはデジタル時代になってこちらの耳も慣れてしまっていて、テープヒスの中で音楽を聞く習慣がなくなっている。同時にデジタル録音の楽器や弦やリードなどが浮かび上がるような響きに慣れていて、音楽の聞き方ももしかするとより細部を注意する聞き方になっているのかもしれない。逆に当時は全体の雰囲気などを重視した試聴態度があったので、楽器が浮かび上がるようなそれには違和感があったのだろう。なるほど当時気がついていた楽音と環境音の間で若干の歪のようなものがあるが、当時と比べるとそれが目立たないのはHiFi装置自体の反応速度が速くなっているからだろうか? そこに録音してあるのはヴェルナー・ヘンツェ指揮編曲の「ヴェーデンデュンク歌曲」で、こうした録音で聞くと当時は響きが混ざらない感じでおかしく感じたところが、響きの精妙さとして楽しめるのである。1980年代と2010年代では同じ音響が違って聞こえるということでもある。この相違が、誇張していえば、この期間での音楽芸術の発展なのかもしれない。どこまでが技術的な発展での社会的な影響なのか、どこまでが美学的な発展なのかは一概に断定できないのだが、それはとても興味深い議論でもあろう。 肝心のホールの響きは、拍手の音が結構散ってマイクに捉えられているのから特別な癖のないホールトーンのように思われ、比較的よく響いても残響もそれほど長くはなく体育館のようには鳴っていない。活き活きとした明快さを感じるので楽しみである。但し大管弦楽団では鳴り切ってしまうような風情もあって、平土間でヘッドスペースは十分あってももう少し立方積があった方がよいのかもしれない。同様な小さ目の大ホールはルートヴィッヒスブルクのコンサートホールでも経験している。マーラーの第十交響曲をサイモン・ラトル指揮バーミンガムの交響楽団で聞いた。 参照: 珍しい五月間近の冠雪 2016-04-27 | 暦 ボンで「ロンターノ」1967 2016-04-24 | 雑感
by pfaelzerwein
| 2016-04-27 21:13
| 雑感
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