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天晴熟成10年産ガンツホルン

夜中に窓を開けて就寝した。暑くなりそうなので、室内を冷やすためだ。明け方は摂氏12度ほどになるので疑問だったが、案の定夜中に三度も小用に立った。寒くはないのだが、前日に飲んだ水が利尿効果を上げていたようだ。ほとほと、水を摂取するのは身体によくないと思う。やはりお茶などにしなければ駄目だ。

そこで、最後の夏らしい天候に、ハーブティーを冷やすことにした。そして走っている間に、寒天を作ることを目論んだ。切れた白砂糖を前日に購入したところなので丁度良い。それも、夕方には摂氏32度を超えるような日でも、涼しい朝などがあるから可能な生活である。

レープホルツ醸造所の2010年産ガンツホルンを飲み干した。酸の分解に苦慮した年で、未だに満足な熟成リースリングには出合っていない。よって期待せずに開けた。そもそもこの醸造所のグローセスゲヴェックスにおける熟成のポテンシャルが低く、経験が不足しているからだ。更に前回開けたときの悪印象が残っていた。

そして感動した。完全に綺麗に熟成している。それどころか崩れていない。全く前回の印象とは異なる。そこで記録を読み返す。丁度二年前のことだ。そして自分が書いたものを読んで更に驚愕する。この結果が全く想像出来ていなかった。

そして今、酸が綺麗に繋がって、その酸の突出が全くなくなっている代わりに、心地よい清々しさがその酸にある。そして、木の香りのようなものが匂い、なぜか色が以前よりも黄色が透明になってきている。要するに酸と石灰が綺麗に分解したという事だ。

そして果実風味が、すかんぽの味を漂わせて、この醸造所の味の濃くを見せる。糖が落ちてしまっても、酸も弱っているので丁度良いバランスになっている。それでもパプリカ味などにはならない果実風味の濃くがある。今まで飲んだ2010年産の最高の熟成リースリングだ。

初日はミニザウマーゲンの緑胡椒、チーズ・パブリカの二種に合わせたが、最終日はフランス風棒棒鳥に合わせた。三回飲んだがいつも食事との相性も丁度良かった。リースリングもこうした瓶熟成をして初めて食事酒として敷居が下がることを実感する。

最近は中途半端なリースリングはあまり飲まなくなった。理由は缶ビールとは価格が比較できないからであり、もう一つはリースリングには最高をどうしても求めるようになって来たからである。つまらないワインを飲んでいる時間も余裕も無いに尽きるが、なんでもない週に二本もグローセスゲヴェックスを開けるようになると、購入する数も今後は増やしていかないと直ぐに底を尽きる。

経済的なことを考えると、缶ビールで誤魔化しながら、禁酒日を増やして食後も仕事が出来るようにして、その間にリースリングの愉悦を味わうというライフスタイルに変えていくのも良いかもしれない。正直、アルコールの単純消費には飽きたというのが、偽らない感想である。



参照:
熟成の可能性を探る 2014-08-12 | ワイン
栗ザウマーゲンのXマス 2014-12-27 | 暦
夏の終わりの体の洗濯 2015-08-19 | 生活
by pfaelzerwein | 2016-08-24 18:10 | ワイン | Trackback
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