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日本国民への警鐘

フランクフルターアルゲマイネ新聞は、音も無く迫る日本国の変革に注意を促している。それはフランスのルペンや合衆国のトラムプのようには目立たないが、確実にやってきているというのだ。この新聞としては珍しい名前が出ていて、ハムブルク大教授ガブリエレ・フォークトへの取材と、ジェフ・キンストンら専門家共著の新刊「現代日本の報道の自由」(Press Freedom in Contemporary Japan)などを参考に記事を綴っているのは編集者アクセル・ヴァイデマンである。

フォークト教授が言うように、今進められている回帰的なつまり安倍首相の「日本を取り戻せ」のスローガンに代表される日本会議や伊勢神宮を代表とする神社本庁の考え方を日本国民の多くは支持していないとして、現在音も無く進む変革への警句としている ― これは一部で囁かれている右翼革命であるという認識に近い。

具体的には、憲法九条に代表される合衆国占領以降の骨抜き教育や社会を21世紀に適応した憲法に変えようとする動きである。それに対してプロパガンダ組織である日本の報道機関が全く手も足も出なくなってきているということへの強い疑念が示される ― この件に関してはガウク前大統領が日本訪問した節の発言では事の軽重が逆になっていたが、なぜ今こうした見解がこの政財界にも大きな影響を与える新聞で大きく紹介されているのかがとても興味深い。

恐らくそれは前記の新刊本に書かれているようなNHK司会者の更迭やそこに存在する黄色本とよばれる政府に対して配慮したハンドブックの内容がジャーナリズム業界で大きな話題となって、また朝日新聞のような未だにリベラルと思われている新聞のお手上げ状態を見かねての発言であろう。我々ジャパンウォチャーにとっては今更と思うことでもこうした研究本が出ることで世界の言論になるということだ。

また「日本会議の研究」著者菅野完への日本会議の正会員からの脅迫電話がYOUTUBEにアップロードされているとして、それを取り巻く状況を紹介している。また、アパホテルの客室に置いてあって、シナの「微博」で炎上したような内容の書籍でも日本では問題にならないこと、そうした正会員が2014年秋の時点で全国会議員722人中289人もいるというニューヨークタイムスの記事も紹介している。それでも大多数の日本国民の抵抗の声はいつものように静かであるとしている。

2014年秋に発生した坂本フランクフルト総領事のFAZ本社強襲事件以降この新聞の安倍政権への批判記事は巧妙なジャーナリスト的な記事に終始していたが、ここにきてガウク大統領訪問以降にベルリンの外交部の日本担当で何かの変化があるのだろうか?あり得るとすれば、トラムプと安倍の関係からEUの新たな軸足のあり方に変化があるのだろうか?題して「国民不在の島国」。



参照:
Kein Volk ist eine Insel, AXEL WEIDEMANN, FAZ vom 21.2.2017
自虐的国家主義安倍政権 2015-07-24 | マスメディア批評
異常なI’m not Abeな事態 2015-04-30 | マスメディア批評
by pfaelzerwein | 2017-02-21 23:05 | マスメディア批評 | Trackback
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