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現時点最高の2015年リースリング

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先日購入した「ハルガンツ」を開けた。これはグランクリュ「ハレンベルク」のセカンドワインとなる。2015年のこれは昨年の秋の試飲会でも評価は高かったが、結局「フリュータウ」を購入した。理由は、そのファーストである「フリューリングスプレッツヒェン」が買えなかったからである。結局そのフリュータウも殆んど飲み干したが、若干物足りなさを感じて来ていた。

そこで今回これを試飲してお客さんが皆気が付いた。2015年の「ハレンベルク」は偉大だったと。三本は購入しているので先ずは安心だ。業者に買い取られてしまった「フリューリングスプレッツヒェン」よりも「ハレンベルク」の方が価格相当に価値があるということだろう。

そして今回購入したセカンド六本は素晴らしい。若干こなれて来るのが早いぐらいだが、力の均衡は最近にはないナーヘリースリングで、20年ぐらいはヘコタレないかもしれない。名前が示す通り、「ハレンベルク」だけでなくレープホルツ醸造所の「ガンツホルン」を想起させても恥ずかしくないリースリングである。

先ず何よりも酸が綺麗に熟れていて、酸が突出するどころか旨味がある。最高の酸であり、暑い夏の力強さに拮抗しているので、驚くべき軽やかさと丸みがあり、静けさまであるリースリングである。パイナップルの香りもしゃしゃり出ることなく、均衡があって、ワインらしいワインである ― 残念乍らコルク臭で香りは判断が出来ない。それでも現時点では2015年産リースリングの最高峰であることは間違いない。

その前に2016年「ミネラール」を開けた。これは当日お披露目だった2016年産の中で「ハルガンス」に続いて最も味が確りしていたもので、価格差ほどの品質差はなかった。要するに2015年の「ハルガンツ」と2016年の差が甚だ大きいということになる。若干お茶を濁す形になったが、2016年のグローセスゲヴェックスの為にも自宅でゆっくり賞味したかったのである。

結論からすると、どれもこれも塩気の効いた「アウフデアライ」以外はそれほど魅力はなかったのだが、「フリューリングスプレッツヘン」のミネラルの清々しさが熟成を期待させたというぐらいである。つまりこのミネラールもリンゴの香りや土壌感は強く出ていても、酸が弱いので苦みとして感じる位で、本当のリースリングの美味さがあまり感じられない。

それでも先日購入した南仏のロゼから飲み変えるとなんともおいしく香り立つ自然の恵みだと感じさせる。若干の押しつけがましさを厭わなければ一本14ユーロのこれでも充分に楽しめるのである。如何にドイツのリースリングがフランスのワインに比較して高価で高品質になったかは言うまでもない。少なくとも白に関しては比較の対照ではなくなってしまった。恐らくEU内でのマーケティングを含めてフランスの方が動いてくると思う。



参照:
2015年産の売れ残りを購入 2017-05-07 | 試飲百景
検問逃れの試飲会帰り 2016-09-11 | 試飲百景
by pfaelzerwein | 2017-05-12 01:16 | ワイン | Trackback
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