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生の味に合う花崗岩ワイン

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五月に試飲購入した花崗岩のリースリングを開けた。二本目である。グーツヴァインと称する最も容易で尚且つベーシックなワインである。醸造所ではミネラルが出ているとまでは言わないのだが、我々からすればこのライブレ醸造所のそれに充分に花崗岩の特徴を顕著に感じる。

言葉で表すには充分ではないが、ドイツ国内においても一定のリースリング栽培地域で嘗てからあったもので、ここにきてその特徴であるミネラルの抽出が嘗てなく意識されてきたものである。だから地元の人々やその地域の愛飲家にはリースリングの味として、若しくは広くシュヴァルツヴァルト界隈でデュルバッハのワインとして馴染みのあるものなのだ。

比較対象で表現すれば、インゴットの味というか地金ならず地土というような味があって、それが揺ぎ無い味質で、石灰質土壌のリースリングにおけるカルシウム味に通じる恐らく硬水に感じるあの粉っぽいような丸みのようなそれとは対照的な押しの強いものだ。

これに比べるとラインガウの地所のものなどは果実風味があって、やはりどこかスレート土壌のそれにも通じる馴染みやすさがある。また角の立った雑食砂岩のややもすると痩せた感じのリースリングに対して、これは分厚い印象を与えるかもしれないが、酸がその分分厚く押しが強いので、決して鈍重ではない。

また、バーデンはドイツの南に位置して、ライン平野の東側のシュヴァルツヴァルトの斜面からボーデ湖への間に広がっているので、その気象条件から酸が効いていないワイン産地と思われることが多いが、リースリングが本領を発揮する花崗岩の斜面は厳しい斜面で収穫される。要するにリースリンゴ産地デュルバッハの斜面は充分に冷やされて、その酸が楽しめるのである。

そこでどんな食事に合わせたかというと、ちょっと涼しいのでジャガイモを蒸かして、それにレバーのソーセージを付け合わした。添えた芥子や新鮮な野菜が美味いが、何といってもリースリングによくあった。そもそも果実う風味などが薄く、精々藁風味ぐらいなので、この食事の生の味が合うのだ。

さて、今晩のワイン祭りはどうなるか?午後の気温の上がり方は予想よりも穏やかで、幸運ならばもう一晩窓を閉め切って生活が出来る。記録によれば13時から温度は下がり続けていて、最高気温は18時過ぎに出るようだが、どうなるだろう。夕食は豚ではなく子牛とトリュフのミニザウマーゲンを食するつもりで、前日に開けたこの花崗岩リースリングに合わせるつもりだ。

前日は全く何も出ていなかったのが、翌日になってフローラルなパフューム香にミント味とこれはなるほど培養酵母の性質もあるのかも知らないが、お見事だった。ベーシックとは言いながら10ユーロ以上の価格であるから、レープホルツ醸造所のオェコノミラートやロベルト・ヴァイル醸造所その他の同価格帯とすると当然なのかもしれない。



参照:
ドイツを代表する花崗岩のワイン 2017-05-19 | 試飲百景
ワイン祭り初日を終えて 2017-06-11 | 生活
by pfaelzerwein | 2017-06-14 22:39 | ワイン | Trackback
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