台北での第七交響曲練習風景

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未明、寝床でタブレットを弄っていると、昨日のキリル・ペトレンコ指揮のプローベでの七番の交響曲のヴィデオが出てきた。驚いてとび起き上がってPCで4.13MBのMP4を落とした ― こうなるとコレクター趣味の病気である。昨日見た台北の國家兩廳院でのプローベの録音は、どうも劇場の記録宣伝用で、報道ではなかったようで、その位置からヴィデオが撮られている。想像以上に空のホールの鳴りが素晴らしいが、それ以上にベートーヴェンの管弦楽の引き締まった響きに驚いた。クライバー指揮の同じ名前の管弦楽団とは思えない、旅先とは思えない素晴らしい響きを奏でている。再来年辺りにベルリンのフィルハーモニカ―の演奏でも、ザルツブルクなどの各地のフェスティヴァルで鳴り響くことだろう。

劇場のサイトを見ると、昨日までアップロードしていた担当者はNHKホールに先乗りしていて、ピアニストのイゴール・レヴィットがその任を請け負っている。更に自分自身のサイトもアップしているのでとても小まめだ。

演奏会中継はないようで残念だが、徐々に様々な映像が出てくるかもしれない。上の映像もペトレンコ指揮の練習風景としては、先頃の映画での「マイスタージンガー」とトリノでの「指輪」のほか短い断片しかないので、僅か54秒の風景も貴重である。先ずは、ラフマニノフ、マーラーでのプログラムの初日の反響が待ち遠しい。

ナーヘでのワイン試飲会の帰路、ラディオからベートーヴェンフェスト初日の中継が流れていた。なによりもの話題は、指揮者ゲルギーエフが登場ということで反対運動が盛り上がったということだ。そしてそのデモンストレーションは予め予告されていて、主催者側も「思想の自由」ということで運動を肯定的に解釈したということである。それでもボン市長や州の大臣などに並んで開会の挨拶に立ったニケ・ヴァークナー女史は、ゲルギーエフの言葉を引用して「演奏会は、演奏者と聴衆がお互いに理解し合って成り立つ、だからベートーヴェンの第四交響曲に続いてロシア音楽の名人としてチャーミングなシェーラザードを楽しみにしよう」と拍手を貰っていた。

一曲目の「ローエングリーン」の一幕への前奏曲が流れるが、そもそもペテルスブルクの管弦楽団の力量やそのレパートリーを考えれば、勿論ミュンヘンの交響楽団でもそれほど変わらないが、なぜこのようなものを初日に持ってきたのか分かりかねた。なによりも低予算でテーマを示したいというお手軽な手配だったのだろうが、これがパスキエ女史の手腕ならばもっと興味深く問題の無い演奏者を集められたのではないかと思う。

プーティンをロシア人として支持するのは構わないのだが、そしてその政治的な立場を表明することも構わないが、結局その音楽家や芸術家は思潮的にもそれによって値踏みされるどころか、音楽や芸術が分かる者ならば其奴がそもそもその程度の表現しか持ち得ていないことを知っているのだ。それ故にこの指揮者に開幕をさせた主旨が不可思議なのである。



参照:
文化の中心と辺境の衝突 2017-09-09 | 文化一般
外から見計らう市場 2017-09-07 | 雑感
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by pfaelzerwein | 2017-09-09 18:28 | | Trackback
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