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アインドィツェスレクイエム

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ヘルベルト・ブロムシュテットのブラームス「アインドィツェスレクイエム」シリーズ初回の番組を観た。30分番組の八回なので、ルツェルンの自室での本人の解説が半分以上だ。娘さん家族の家のようだが、アップライトのピアノしか置いていなくて、世界の大指揮者になった今としては何か特別に質素に感じる。中産階級としても少なくともフリューゲルは置いてあってもと思うのだが ― その書斎も老人の籠り部屋の広さほどでしかない ―、そこは娘さんの居候の身で仕方がないのだろうか。勿論財産は財団を作れるほどに大分貯めているのだろうが、一流人の仕事部屋にしてはとどうしても思う ― その宗教は清貧を説いているのであろうか。一流指揮者と言われる人でアップライトを使っている人は例えピアノが下手だとしてもそれほどいないと思うのだが、どうだろう ― どうもよく見ると後ろは壁になっていてフリューゲルを置いてあるようで、とんだ勘違いでも笑ってしまう。

そんなことはどうでもよい。やはりこの人の話には味がある。その解説にしても、音楽構造的なものを明らかにしながらいつもの調子でボンボンと歌う。一般の音楽愛好家に分かりやすい話をしているのだが、技術的な話を別にすると指揮台の上でも同じことを語っているに違いないと思った。やはりよく楽譜を読んでいるだけでなく、ここではルターのバイブルのテキストの韻にも、また原曲となる讃美歌も口ずさみながらのサーヴィス満点の解説だ。

この放送の本局はダルムシュタットの山の上にあるようだが、放送時刻が決まっていてもそれ以前にオンデマンドで呼び出せるようになっていて、生以上の映像をMP4で落とせるようになっていてこれがまたとても親切だ。演奏の方はデンマークの放送管弦楽団でゲヴァントハウスとは比較できないようで音響的には物足りなさを感じたが、番組自体は続きがとても楽しみになった ― ゲヴァントハウス管弦楽団の月曜日のNHKホールからの中継も楽しみだ。(続く))

先日発注したCDの中でライヴ録音と知っていて注文したフランクフルトの「パレストリーナ」が思っていた以上に聞き堪えがある。触りで聞いたようにそこの歌劇場の管弦楽団はそれほど良くないが、やはりコーミッシュェオパーとは違う。客演のキリル・ペトレンコの凝縮した響きで粗はあってもなかなか迫力がある。ミュンヘンでの初日の悪い時もそれほど変わらないので生録音のコレクションが一つ増えた感じで楽しめる。3枚組10ユーロしなければ、その豪華ブックレット製作費と考えれば、まあまあだろう。制作のプローベの簡単な動画などを付け加えておけば記録的価値が上がったと思う。



参照:
Selig sind, die da Leid tragen (HappyChannel)
いぶし銀のブルックナー音響 2017-10-31 | 音
自分流行語「香辛料」の翁 2017-11-10 | 雑感
by pfaelzerwein | 2017-11-12 18:45 | 文化一般 | Trackback
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