カテゴリ:ワールドカップ( 9 )

「普通の国」になった実感

ワールドカップでドイツが優勝した。24年前のローター・マテウスの時の表彰式を昨日のことのように思い出す。あの時はヘルムート・コール首相のチームだった。東西統一の余波が残っていて、一体何事かと思うほどのお祭り騒ぎだった。

それに比べると比較にならないほど静かな優勝で、メルケル首相も大会の裏で、ウクライナ問題に関して兄弟のプーティン首相との会談が控えているに違いない ― 前日プーティンが中米からブラジルに廻ることが伝えられた。この間に欧州の盟主となった大ドイツ連邦共和国はEUの独自の安全保障の確立に重要な存在となったのだ。

あの夜は車が警笛を鳴らして走り回ったのだが、今回は花火がそこらで上がるぐらいで、近所では20発ほど上がっただけである。車は一台も走り回っていない。如何にドイツの市民は落ち着いてきたかであり、TVの実況アナウンスが伝えるような盛り上がりは若干違うような気もする ― その後近所で集まっていた一派がワイン街道でジークフリートの角笛のようなラッパを鳴らした。赤鬼カイザースラウテルンのサパーターか。

要するに盆と正月がやってきたような騒ぎにはならないということでもある。もっと実質的な国際的な実力がついてきている証拠であろう。あの当時はまだ外国人労働者問題が国内の労働市場を荒らし、更に東ドイツの崩壊の後始末が大変だったことを考えると、漸く普通の国になったのである。

それにしてもあの日のことが昨日のように思えてしまうのはどうしたことだろうか?また覚醒することで、失われた日々を過ごしていたような気になってしまうのである。表彰式が終わって車が走り出したが、それほどの数ではない。そういえばクローゼの奥さんが映っていた。WIKIには家庭ではポーランド語を使うと書かれている。



参照:
今年三度目のTV点灯 2014-07-10 | ワールドカップ06・10・14
首相の言葉の意味するところ 2011-07-18 | ワールドカップ06・10・14
洗濯してみないと分らないが 2014-07-04 | 生活
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by pfaelzerwein | 2014-07-14 07:16 | ワールドカップ | Trackback

今年三度目のTV点灯

今年三度目のTV観戦である。ドイツ・ブラジル戦はやはり話の種に見落とせない。結局最後まで観る必要もなくなったが、戦前の予想通り勝ってもあまり愛されないドイツ像となったようである。強くてもあまり魅せないレーヴのチームという評価がこれでよく分った。呵責なまでの集中した攻撃と勝利への合理的な戦略は見事であった。まさしくドイツ連邦共和国がまたここでも一人勝ちする身についた合理主義である。

しかしここまでの試合を統計上総計すると残った4チームの中では、一番走って、80パーセントのパス成功率で、オランダに続いて得点力がある。もっとも相手にボールを持たせるのがオランダで、最も維持しているアルゼンチンにワンポイント下がって58パーセントの保持率である。更に、反則が僅か54で黄色カードが四枚しかない。今回も巧妙に個人対戦を制していたのを見てもそれは納得できるのだ。

更にバイエルン・ミュンヘンのノイヤーは86パーセントもゴールを制止していて、ブラジルのユリアス・シーザーの60パーセントとは全く違っていた。ボールを掴むことは出来なくても正しい方向へと弾いてしまうが、そのあとのコーナーキックも制止していることになる。

兎に角、大またでがどたどたと走りこんでいるように見えてもスピードが違い、対峙の個人対決においても手足の長いドイツ選手が明らかに有利である。さらに空中戦が得意で、精巧なパスをするとすれば、これに勝てるのはオランダの大男のゴールキーパーしかいないことになる。



参照:
過熟成気味の今日この頃 2014-07-06 | ワイン
とても景気の良い環境 2012-01-01 | アウトドーア・環境
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by pfaelzerwein | 2014-07-09 19:44 | ワールドカップ | Trackback

首相の言葉の意味するところ

メルケル首相の言葉を借りるまでもなく、大会開催国として大成功だった。86%もチケットを売り上げ、一千七百万人の人がTVに噛り付いたのである。予選段階ではレヴェルに達しない試合もあってか女子サッカー大会への懐疑から議論もあって、首相に代表されるような女性層だけではなくブンデスリーガーファンの中でも不たちに割れていたという。しかし最終的には国民的な大祭となったというのである。

もちろん本来ならば優勝するべきのドイツチームが優勝チームのなでしこに負けたことで、演出の予定は狂ってしまった訳であるが、逆にそのことで本来の意味合いが浮かび上がってきたとする見解がある。

なるほど、それは嘗ての中田マネーで散々にけなしていたドイツにおいても、ドイツを代表する大企業がふんだんな助成金を通しして、決して他のスポーツ分野ではありえない大舞台のお膳立てしていた背景がある。

そうしたことも含めて、メルケル首相が試合後に語ったように、フェアーな応援とそれを超えてのドイツ市民のサッカーへの熱狂が、今後の若い少女たちへの大きな支援になるというのは全く正しい。

米国チームの詰襟ユニファームは、いつもそうなのかどうか知らないがフェミニンなサッカー服としてなかなか立派なもので、胸元を開けてチェックを受けないといけない不便さはあるのかもしれないが、こうしたところにも文化が見つかる。

それにしても菅首相の祝福の言葉は素晴らしかった。あれほどの声明を書ける官僚やブレーンが居ながら、事故後から脱原発までの発言の不明瞭さは不可解極まりない。菅首相がフランクフルトに来る意思があったというが、なぜ皇太子夫妻に依頼出来なかったのだろう。このあたりに宮内庁だけでなく官邸と官僚組織との意思の疎通の悪さが窺い知れる。



参照:
Auf allzu großer Bühne, Christian Kamp,
Japanische Traumreise zum WM-Titel,
Die Erste unter Gleichen, Thomas Klemm, FAZ vom 19.7.2011
おめでとう、なでしこ! 2011-07-18 | ワールドカップ06・10
帰宅してシャワーを浴びる前に 2011-07-16 | アウトドーア・環境
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by pfaelzerwein | 2011-07-19 00:57 | ワールドカップ | Trackback

おめでとう、なでしこ!

まさに逆境の中での優勝であったのだろう。米国チームの方が強かったに違いないが、一部の日本の報道にあったように気持ちで完全に日本が勝っていたようだ。

誕生日のメルケル首相だけでなく、コール首相やギュンター・ニッツァーに混ざって、緑の党のロート女史が陣取っていたのは何かを象徴していたのだろうか?

世界の援助への謝礼の横幕も良かったが、何よりも逆境を乗り越える希望を日本人に与えたに違いない。福島の悲惨の中でも日本人は生きていかなければならないのだから。

PK合戦の米国選手の弱さを見せた表情と、最後の日本選手の表情がとても印象的であった。気を強くして、決して諦めてはいけないのである。メルケル首相が評するように「強い神経が勝つ」のである。
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by pfaelzerwein | 2011-07-18 07:08 | ワールドカップ | Trackback

帰宅してシャワーを浴びる前に

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フランス滞在中に日本の女子サッカーがドイツに勝ったというので祝福を受けた。帰って来るとご近所さんがその話をしだした。

ドイツと日本の女子では大分力の差があったようで、さらにスェーデンとでは話にならなかったらしい。とにかく、頑張りが素晴らしいようで、殆ど神風だそうだ。当然のことながらドイツが負けた日本への応援の気持ちが高まるのだ。

さらに魅力的な選手が多いようで、フランクフルトの合衆国との決勝試合を「手伝いに行って、試合後に彼女らと一緒にシャワーを浴びろ」とまで言われた。

それほどに性的魅力のある娘たちが多いならば是非TVに噛り付かなければいけない。フランス女性に囲まれていたので、比較などもしてみたいなと思う。

しかし合衆国チームの評判も高いようだ。福島の今の日本の悲惨な状況を考えれば、まさに通常の勝ち負けではないように感じる。

その意味では世界中が注目している一戦であり、その社会の感応をスポーツ競技によって観察できるに違いない。
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by pfaelzerwein | 2011-07-18 01:48 | ワールドカップ | Trackback

守り切れなかった軋み

戦前からドイツチームに軋みが入っていた。

個人の技術的にスペインに比べてドイツのそれが落ちる事が分かっていたので、守りの戦略を取ったのだろうが、スペースを与える反面スペースを見出せなかったのが敗因だろう。それにしても完全にスペインにボールを支配されたのには驚いた。オランダならもう少しやるだろうか。

なるほどレーヴ監督の言うようにドイツチームは七週間の即席チームで、スペインは何年もやっている出来上がったチームというのは、あのパスワークの素晴らしさだけでも良く分かる。ゴールの前であれだけパスを渡せれば、日本チームでもシュートできるだろう。

ドイツのジダンを目指すトルコ人エジールもまだまだ経験不足だろうか。ウルグアイもなかなかのエグイチームなので手ごわいかも知れない。主将のラームが三位決定戦など戦う気がないと言うのは理解出来る。

まさに軋みは、ビーアホッフといっしょにうろうろとしていた欠場のバラックにあって、チームの内外で主導権争いがあったと言うが、シュヴァインシュタイガーが最もこのチームの中で最高の選手だったと言うネッツァー氏の評価も分かる。

実力だけでなくて、ドイツチームの弱点も相手よりもよく研究していたのがスペインなのだろうか。
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by pfaelzerwein | 2010-07-08 06:22 | ワールドカップ | Trackback

中途半端な印象の大韓民国

オリヴァー・カーンは、韓国1ウルグアイ0を予想していたが、またもや予想が外れた。ウルグアイが最初から攻めるので何時まで続くかと語っていたが、韓国の護りの弱さを突かれたのだろう。

韓国人としては、システムは優れているのかも知れないが、「アジア人の遠慮深さ」と指摘される様に、嘗ての我武者羅な覇気のようなものを感じない。なるほど攻撃的なチームなので、戦略的に逆を突かれたのだろう。

敗北後のTV宣伝に現代工業の車が紹介されていたが、今一つパワーもなさそうで逆効果である。穿った観方をすれば、国自体がその成長を終えてしまって、大企業こそ世界市場で立場を築いたが、今後どれ程の可能性があるかはなんとも言えないのと、こうしたナショナルチームの感じと良く似ている。端的に言えばプラトー現象から伸び悩みで先が見えるどころか、先があまりないと言う感じだろうか。

韓国はEUにおけるポーランドのような立場をとることも出来ないのが苦しいところだろう。実際、流通している韓国製の商品も購買対象として比較審査をするのだが、それほど魅力的な商品もなく、未だに購入したことがない。その商業上のプラスアルファーで市場占有率を伸ばしているに過ぎないので、その商業的な対象とならない限り今後とも琴線に触れる商品はないだろう。

なるほど、韓国チームは勝ち抜いてきただけ強いのだろうが、もう一つ監督の試合への戦略などが明確に見えてこなかった。そこに敗因もあったのだろうか。そう言えば、ゴールキーパーの前へ後ろへの様子を見て、出るなら取る、さもなければ退くとどちらにもつかないのがキーパーとして何時も致命傷になると解説していた。
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by pfaelzerwein | 2010-06-27 02:02 | ワールドカップ | Trackback

クレージーでそれほど悪くない

「特別な民族」と日本贔屓のオリバー・カーンの戦前の予想は完全に裏切られた。当然のことながらデンマーク勝利を予想したのだが、フランス、イタリアに続いて急遽帰りの飛行チケットを用意しなければならなくなったデンマークチームの状況に失望している。

川島を評して、「それほど悪くないゴールキーパー」で、右へ左へと執念深い姿勢に自らを重ねてか「クレージーなタイプだ」と語る。

セットプレーを十分に活かした日本チームに対して、加齢で遅いデンマークが負けたのは、八年前から成長し続けている日韓両国チームを観ていてそれほど驚かないと言う。

一つ目でのフリーキックでの(壁に居た遠藤?)のフェイントで、彼に言わせると最初の重心移動の方向で、― たとえ故障上りでなくとも ― 流石のデンマークの名人キーパであっても取れないと、その先行失点の心理的影響の大きさを指摘して、その後のキーパーの不安定感を説明する。二つ目のそれの真ん中に作っている壁では駄目だと解説する。また三つ目の失点に関しては、トーマス・ゼレンセン自体は経験も十分で良いキーパーだが、元々ロングシュートには難があったのだがと。

この独第二放送の長谷部へのインタヴューでは、ドイツ語の質問の「AUSSCHLAGEN」が判っていなかったのは仕方ないだろうが、なんだかんだとドイツ語を使って答えるのは立派なものである。

なによりも、尻上がりに自信を付けて来ている日本チームとクレヴァーな戦略が決まる岡田監督の顔付きが俄然立派に見えてくるから不思議なものである。四年前とは大分異なる。なるほど病に倒れた前任者の教育も活きているのだろう。



参照:
戦犯探しに熱心な国民性 2010-06-19 | ワールドカップ06・10
スカンポンなカメルーン西瓜 2010-06-15 | ワールドカップ06・10
本能に従って進むもの 2010-06-25 | 料理
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by pfaelzerwein | 2010-06-25 06:18 | ワールドカップ | Trackback

戦犯探しに熱心な国民性

セルビアに連邦国チームは敗れた。オーストラリア相手に弱いもの虐めであまりにも滑り出しが良すぎたつけであろう。ZDFの解説のオリバー・カーンが言う様に、二人のポーランド人を非難するのは間違いであろう。

なるほど、サッカーは格闘技だと彼が話す通り、クローゼの攻めは正統的なものであろうが、二枚目の黄色で赤色の退場となると、やはりチームが動揺したようだ。その分を一人で背負ったポドルスキーが少しだけ力んでしまうのも仕方が無い。いつも思うのだが二人がポーランドチームにいればドイツチームがここまで勝てたかどうかも分からない。

シュヴァインシュタイガーの情けない敗者の弁を見ていると、如何にもドイツ人はその体格や強い時の圧しに比べて国民性は一度劣勢になると弱弱しい。なによりも、インタヴューに答えるレーヴ監督も顔色悪く、一度鍍金が剥がれると、その台所事情がそれほど余裕がないかが分かる。心理的なものが大きいチームプレーのスポーツに違いない。

毎度のことながら、負けると、国民が揃ってスペイン人のレフリーを挙って批判するところがまたまたドイツ国民の情なさである。兎に角、敗戦の戦犯探しに熱心な国民性であることは周知の事実である。



参照:
スカンポンなカメルーン西瓜 2010-06-15 | ワールドカップ06・10
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by pfaelzerwein | 2010-06-19 00:00 | ワールドカップ | Trackback