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楽劇「指輪」四部作の座席

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またまたミュンヘンオペラの券を確保した。今回も苦労した、全てヴァークナー愛好家諸氏の罪である。抽選に落ちたので、またまた早起きをしてネットに入った。今回は春の経験を生かして、無駄な時間を使わないつもりで暗闇の中でPCに向かったが、結局はあまり有効な早起きではなかった。理由ははっきりしている。ミュンヘンの劇場の売券システムのアルゴリズムの問題だ。つまりある数のアクセスが集中すると自動的にウェイティングルームが開かれる。その時に示される整理番号で券を購入する時間帯が決まる筈なのだ。

最初に示されたのが40番台だったか、あまり記憶に無い。なぜならばその番号はどんどんと少なくなって1番になって、強制的に退場させられたからだ。いったい何度1番になって退場を強いられたか?早いうちならばリエントリーしても100番とかが示されるので、その時刻によって大凡のアクセス集中度が推察される。そして、午前10時発売の二十分ほど前に再び叩き出された。リエントリーすると250番位になっていた。今までの経験からして券が買えるのは待ち番号100過ぎ位、午前10時30分までで、200では大抵売り切れている。一体暗いうちから早起きしてなにをしていることか。

そこで、発券カウンターの電話番号や顧客番号などを書き留めて電話の準備しつつ、同時に裏の手を試した。最初にウェイティングルームに入れるようになる前に、上のアルゴリズムの特徴というか条件づけに気が付いたからだ。そして、それを逆手にとっての裏の手である ― 要するにこのシステムは完全自動で作動していることが分かったのだ。リンクを張る時刻は最初にマニュアルで定めて、春の経験からウェイティングルームも同じようにマニュアル時刻で開くのだと思っていた。しかし、これで大凡のアルゴリズムは把握できた。如何に酷い仕打ちを受けるからといってもアルゴリズムの問題なので売券担当に文句を言ってもはじまらない。アルゴリズムを分析するだけだ。10時前には800番ぐらいの番号が振り分けられていたので、世界中からの申し込みがあると思って、四種類の専用電話番号の一つに二三度電話すると完全話し中だった。

裏といっても決してハッカーモドキのことをしたのではないが、売券システムのそれを把握することで、大混雑を掻い潜った ― 大抵どこの劇場も同じようなシステムになっている。そして来年冬のミュンヘンで最後のペトレンコ指揮「指輪」ツィクルスの発券状況を見る。10時3分経過ぐらいだったから、まだまだ余裕があったが、早いもの勝ちなのでマウスの指し指が震える。

最前列も空いていて選択してみるが、皆の希望とぶつかり、いつものように座席お任せにしないと、先にそのクラス自体が売り切れてしまうので、鼓動を高めながら決定する。残り時間は7分である。まるでウルトラマンの世界だ。そこで漸くログインすることになる。カード番号を入れて、あとはその他顧客番号等も問題ない。但し四回券なので氏名と生年月日の入力を求められる。一つ一つの反応時間は、その混雑ぶりを反映して、長く掛かり過ぎひやひやする。無事時間内に購入できた。

調べてみると初めての2.Rangのようで、王のロージュの上っ面ぐらいの高さになる筈だ。四夜の多くても二夜ぐらいしか行けないので、安い楽譜席の何も見えないところでもよいと思っていたが皆同じことを考えるのか真っ先に売り切れていた。舞台が一部見えなくても座れるだけ幸いである ― 同じように四夜とも来ない人も少なくないだろうから、立ち見席からどこかに潜り込んでも良いかと思ったが、価格は50ユーロで同じである。椅子が最初からあるだけ落ち着ける。舞台に近い分、音もそれほど悪くはないだろう。予算は捨て分も含めて上限を130ユーロとしたが、その席も同じその並びの真ん中かサイドかだけの違いだった。先ずは大いに満足だ。

さて、朝早く起きた甲斐があったか?結局10時前になって背水の陣をひいたことで上手く欲しい券を獲得したが、瞬時に柔軟に対応可能だったのは、朝早起きして、途中肉屋に寄って、頭が起きていたからではなかろうか。途中眠かったが、起きて六時間以上経っていたことになる。今回のようなシステムに変更が無ければ、今後とも早起きの必要ないが、もう一つアルゴリズムの裏をかく方法もあることも分かった。電話なども含めて、ありとあらゆる可能性を考えておくしかないということである。キリル・ペトレンコ監督は2021年までオパ―フェストを指揮するということなので、当分券獲得の苦労は続くことになる ― 一部はバーデンバーデンに流れると予想される。



参照:
まずまずの成果だろうか 2017-03-26 | 生活
お得なバーデン・バーデン 2017-03-21 | 生活
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by pfaelzerwein | 2017-07-23 17:14 | 雑感 | Trackback

鑑定士による査定の程

パン屋の前でご近所さんに傷つけられた事故の案件が解決した。全くの被害者であり、それでも気を揉めた。6月初めに傷つけられて、直ぐに修理見積もりをさせた。メーカー支店の見積額は、税抜き1600ユーロだった。あまりに大きい額で驚いたが、特別な塗装の色が無いので顔料から作るようでバムバーを完全に取り換える必要があるようだ。そのような請求しか公式には出来ないということで、中間の現実的な額は出なかった。

そして先週、保険会社の派遣で中立の鑑定士が訪れた。車の傷等をチェックするためだ。今までは自損事故等では経験があるが、加害者側が鑑定するのは初めてだった。問題は、あまりにも大きな額に対して、保険会社が古い車の残留価値から値切って来るのではないかという不安だった。鑑定士は一度会ったことのあるような人だったが、まあまあ悪い感じはしなかった。

「色が問題でね」と、要らぬことは言わないようにして、言下に正直な気持ちが伝わったと思う。事故を起こした親仁にも「あまり大げさにするつもりはない」と話していたのだが、全てが保険会社経由で動くと正式な請求しかなかったのであり、値切りなどの不愉快なことが起こるのではないかと不安だった。なによりも錆の箇所が気になる、駐車場で傷められて当て逃げされた傷等々が気になる。

二月も経つと傷のところもあまり目立たなく気にならなくなって来ている。だから一寸した修理以上に補償額が気になった。満額は難しいにしても、あまりに値きりが激しいと争わなければいけなくなるからだ。郵便箱に入っていた厚めの封筒をドキドキして開けてみる。

補償金額は、税抜き956ユーロだった。これは色違いを我慢して直すときの修理費用に近いと思われる。最初に考えた妥協路線額だ。鑑定士の内容は、錆には言及してあるが、全体の値付けは少なくともこちらには回されていない。そして全面的に傷の存在を認知してある。要するに100%被害ということだろう。受け入れられる判定だ。これで不愉快に争う必要はない。

加害者の親仁も保険のお世話になるのは初めてとか言っていたが、これで少しは安全運転を心掛けるだろう。当日自宅ではないところからやってきた感じで、前日に知り合いのところで飲んで泊まっていた可能性もある。あの強引な駐車の仕方は酒気帯びだった可能性も否定できない。話していて酒気は感じなかったのだが。親仁の車は後部ドアにめり込んでいたので、三千ユーロ以上掛かったのではなかろうか?双方合わせてそれを超えるとすると、やはり保険金で支払うのだろうか。無事故が無くなって保険掛け金は高くなるが、車の車格からすればその方が安くなるのかもしれない。

当該額面はまだ振り込まれていないが、これで皮算用できる。なによりもブレーキディスク交換の足しになる。それ以前に先日のVベルト交換等の費用600ユーロを相殺できる。これは嬉しい。ブレーキディスク交換の前に、月末にタイヤを二本発注して、ディスク交換の準備をしなければいけないだろう。まだブレーキの警告が出ないのが気になるが、秋に走り回るようになるまでには交換しなければいけない。



参照:
車の事故に二日続けて遭遇する 2017-06-04 | 生活
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by pfaelzerwein | 2017-07-22 17:29 | 雑感 | Trackback

素材にも拘る男着

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メリノのシャツの写真を上げていなかった。理由は分からないが、一つには未知のUKのアパレルメーカーの限定商品のようなもので何か密かにという感じがあったのか?それが態々独アマゾンに出ていたというのもより?を増やすものだった。

しかしこうして三シーズン着て、初めて洗濯して、その生地のしなやかさややらかさに企画者の感性というようなものを感じるようになった。男性ものではあるのだが、何となく女性の感覚があるような気がする。マガジンなどを見ているとアパレル業界の素材に対する意思などは、一般的には男性の衣料にはそれほど活かされていない。

我々が素材云々を語る場合はスポーツ衣料とか、寝間着とか肌着類ではなかろうか?誰でも子供の時に毛糸の衣料を着せられてぐずった覚えがあるのではなかろうか?もちろんそれは、チャーリーブラウンのようなぬいぐるみや毛布などの肌触りと対にあるものだ。精々その程度の拘りが男の場合あるぐらいだ。だから最初の欧州旅行をした際にケムブリッジの店先のアメリカの黒人らしきがその指で生地を弄っていたのを今でも覚えている。要するに我々からすると化繊のペラペラのものしか着ていないアメリカ人がと印象に強く残った。

このメリノには洗濯マークすら付いていなかった。それほどエクザムプラー数が少なかったということだろう。生地が薄い、つまり糸が細いので、手洗いに水を張って、毛糸洗い洗剤を溶かして手で押し洗いした。その前に、襟元と袖裏に歯ブラシで洗剤を塗布して色落ちテストもしてみた。濡れると滲み感は出たが汚染は全くなかった。温度を30度ぐらいにして、襟などを外に出して畳み、二十回ほど押し洗いして、更に同じだけ押し濯ぎした。最後に押し脱水をしたが、ネットに入れて脱水しても大丈夫そうだったので、洗濯機に入れて、短く回転数を落として脱水した。

緊張して取り出したが、拠れたりフェルト状になっていない。バスタオルを広げて、綺麗に広げて、暗室で乾かした。手触りは未だに脂感がありダメージは殆んど受けていないようで、手触りに温かみがあった。本来の毛の良さがそのままだった。但し洗う前から脇の下は擦れてフェルト状になっていたのでそれは変わらない。裏返して、一晩乾かしてから、アイロン台に移して、バスタオルを挟んでアイロン掛けして、拠れているところに蒸気を吹き付けた。袖を通して見る。全く問題がなさそうだ。そしてまた一日吊るしておいて、クローゼットに吊るし直した。

ドッキングステーションのマウスの電池が切れた。購入したのは2013年6月だった。電池は三年間まで持つとなっている。調べると付属電池を最初に交換したのが2015年12月の二年半、そこでスーパーの安い電池を入れて一年半である。寿命は短くなっているが消費が気になるような間隔ではない。この間デッキングステーション化したので、マウスだけでなくキーボードも使う時間が二倍ほどになっている。手元にある使いさしの電池を入れた。暮れぐらいまで持つだろうか?心置きなく使え、スイッチを切り忘れることもあるが使い勝手にはこれで満足だ。ネットを見ると今も現行商品となっている。如何に完成した製品だということだろう。敢えて言えば、キーボードにマウスパッド機能があればと思うぐらいだ。ロジッテック製品へのイメージは良い。



参照:
初雪初積雪の冬真っ只中 2014-12-04 | 暦
無線マウス二年半の実力 2015-11-28 | 雑感
コーディロイの袖を通す 2017-07-16 | 文化一般
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by pfaelzerwein | 2017-07-17 18:40 | 雑感 | Trackback

アウトバーンでの救急車両

車中のラディオは先日のバス大事故について伝えていた。一つは、消火が遅れたことからバスが丸焼けになって18人も焼死したことで、消防車の到着が遅れたのは交通妨害があったからで、法的に厳しくしなければいけないというドルリント大臣の言明だ。ネットではポピュリスト的とも批判される反面バイエルン放送局のネットアンケートなどでは厳しい罰を望む人が多い。典型的なネット世論ではなかろうか。

そもそも丸焼けになっているのが不思議なのだが、その事故原因等は火曜日の時点では不明である。前を走る車の台車に乗り上げたにしてもあの燃え方は異常であり、台車にはベット等を積んでいただけとは考えられない。少なくともディーゼルでなくガソリンか、もしかすると家具関係の揮発性の強い溶剤等を大量に積んでいたのかもしれない。バスの方にその手のものを積み込んでいるのは考えられない。

事故原因も不明のようだが、事故の起きた7時頃ならばやはり居眠りの可能性も強く、装備されていた自動ブレーキ装置は解除されていたのではないだろうか?

それにしても救助妨害が指摘されているとしても、大抵は出来る限りの協力をしている筈だが、それが充分出来ない場合は確かにある。実際にアウトバーンで経験しているのはのろのろとスラロームをしながら救急車両が走っていくことが多く、スピードを出して通り抜けているのを見たことはあまりない。

一つには緊急車両がサイレンを鳴らしていても充分に早めにスラロームする車両に気が付かない場合や、大抵の場合の事故渋滞で車を横につけるだけの車間距離やスペースなどが無い場合も少なくない。もし本格的に救急車両の通行を速やかにしようとするならなば、路肩の情報システムや指示システムなどを徹底しなければいけないだろう。

今回小物を購入した中に防水スプレーがある。これはゴアテックスなどのハイテク繊維にスプレーしても機能を損ねない製品となっているものだ。この手のものをあまり使いたくなかったのは繊維の能力を損ないたくないからだが、何度も着ているうちにやはり繊維の方も疲れて来ている。

冬にヤッケを着用する場合は暴風と空気層を作るだけの意味しかないのだが、夏場は下手すると雨が降る。雨傘を持っていても衣服が濡れると不愉快極まりない。そこでこれを注文した。この手の商品の常として、量は少なくて高価なのだ。だからヤッケに使ってあとは何に使えるのかどうか?

朝の森の中の気温は摂氏17.5度に上がっていた。陽射しが戻ってきて、暑くなりそうだ。それでも夏至前の陽射しはもうない。どこか淀んでいて、一寸づつ残暑を感じる。気持ちよく走れるようにはなって来ているがまだまだ調子が戻らない。前夜には豚煮で様々なところを食して精が付いた筈だ。高所での息苦しさを想像しながら頑張るがスピードが今一つ伸びないのである。コンディションとしてはそれほど優れていない。



参照:
ダイオードに右往左往する 2014-05-08 | テクニック
天候不順な中を往復 2016-06-02 | 生活
経済的、時間的節約の時 2015-10-19 | 生活
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by pfaelzerwein | 2017-07-05 00:06 | 雑感 | Trackback

安定してきたアイドリング

静けさが戻って来た。解体の物音はするが、はじまる時とは違って精気もなくもの寂しく感じるのがまたおつだ。静けさが戻るとやる気がもりもりと湧いてくる。丁度早朝仕事のメールが入っていたので、なにか気持ちが良い。これで夏休みのシーズンへと一気に流れ込んで行く。

朝食のサラダのプティトマトが爽やかだ。ハムが薫る。今年初めて夏の開放感を感じた。自己暗示を掛けてワイン祭りは大したことが無いと思っていてもやはり大きく心に負担を掛けていたのだろう。やはりPAの音楽は恐ろしく鬱陶しい。ついでに来年の日程から旅行の可能性でも考えておこうかとも思う。

ガス欠エンスト二度目の後で車を動かすと警告ラムプも消えて益々エンジンの回転が安定してきた。アイドリング時の回転が1000回転で更に低いところで安定してきた。それ以前が1500回転程へと上下していて振動が大なり小なりあったが、それが無くなった。

昨年ガス欠の後でマイスターに見せた時は、それを調査するとその費用だけで何百ユーロか掛かるのでエンジンの警告ラムプが出ない限りは暫く乗ることを勧められた。原因については友人のエンジニアが「エアーでも噛んでいるんでしょう」ということで、その後も最後まで使い果たす感じで再給油したのだが改善されなかった。やはり今回のように本格的なエンストまでさせなければ効果が無かったようだ。同じようにもう一人のエンジニア―は「燃料ポムプが傷むかもしれないからあまり勧められない」ということだったが、結果が出たようだ。どこにエアーが噛んでいて、それがどのように抜けたのかは全く想像がつかない。それでもこの一年間以上はマルティシリンダーが上手く同調していなかったということだろうか。走行中の振動も静かになったようで嬉しい。

週末は、秋以降と来年のことなどを少し計画した。先日貶したハムブルクのエルブフィルハーモニーのティケットも予約しておいた。抽選なので当たるかどうかは分からないが、近辺では催されないプログラムなので、もし当たって、それでもいけなければ、人に譲れる。どうもそのような不真面目な予約ばかりが殺到しているようで、なぜ最初から支払いを義務づけた予約方法になっていないのか分からない。恐らくシステムに慣れないので配券を滞りなくやれるかどうか自信がないのだろう。

安い方と同時に一番高価な席もついでに予約してみようかと思ったがこちらは断念した。その価格だけに見合う演奏がなされるかどうか分からないからで、音楽の音響というのも最終的には音楽演奏の質に拠るからである。そしてハムブルクまではここから600㎞近くあって、ベルリンと同様に日帰りは難しい。知り合いのところに泊めさせて貰っても、要するに燃料代だけでも往復120ユーロ近く掛かる。そこにティケット代を入れると東京での「来日公演」で払うのとあまり変わらないほどの投資となる。旅行中の管弦楽団がそこまでの名演が出来るかどうかも未知数であり、悪ければ金返せとなる。

招待されるときは演奏者に一言自身の感想を伝えられるものだが、プレス券などになるとどうしてもその金子に引っ張られることになって、どうしても、為になる歯に衣を着せぬ評論などが書けなくなるのと同じで、懐を痛めた高額の席で心痛まずしっかりと批判可能かどうかは益々怪しくなる。これも天井桟敷の通人達の言い分なのだ。要するにコストパフォーマンスという話しになって、玄人ほどその値踏みが正確になるのはワインでも同じである。つまりそのイヴェントがある前から値踏みが始めっているということでもある。

時間が空いたので、昨四旬期に購入したCDからアルテミス四重奏団のベートーベン全集抜粋二枚組を流す。中々サウンド的にも面白そうだがまだじっくり聞く時間は無い。忘れていた「タンホイザー」の二幕に関してまだ充分に勉強できていないことを思い出してしまったからだ。核心部分だけにTV放送までにものにしてしまいたい。



参照:
再びガス欠に見舞われる 2017-06-20 | 雑感
座席割に見る娯楽性の高さ 2017-06-13 | アウトドーア・環境
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by pfaelzerwein | 2017-06-20 17:54 | 雑感 | Trackback

再びガス欠に見舞われる

またまたガス欠エンストである。まさかと思っていた二度目である。ポストを出して、折からの工事う回路を通って町を出ようとしたら、スカスカになって来た。そしてすぐに警告ラムプが点いた。今しがたスタンドを通過したところで、転回は難しいので隣町まで入った。それでも警告ラムプが点いてから二キロも走れないことは分かっている。何とか坂を下りて目指す隣町の安いスタンドまで辿り着きたいと、クーラーを切ってラディオも切るがエンジンが吹かない。坂道の途中で車を止めようとしたが、エンジンが切れていると油圧が働かないのでブレーキが重くて怖かった。

いつも先頃亡くなったかまやつひろしかが出ている恐らく出光のCMを思い出す。テキサスがどこかの砂漠の中の直線道路で、ヒッピーがカブトムシを押していたような映像だ。「車は燃料無しには走れないのです。」というようなCMだったと記憶している。

丁度停止したところが家の車の出口だった。先ずは家人に断ってからポリタンで目指すスタンドに汲みに行こうかと思ったが、奥行きも深くフォーンだけでは済まないと思ったので、そのまま汲みに行く。ポリタンには一杯の水が張ってあるので、並びの家のとなりの空き地に水を流していると、ガソリンと思ったその家の奥さんが出てきた。

「水だから大丈夫ですよ」といって安心さしたが、「一体どういうことになっているの」と尋ねられるから、「ガス欠で取りに行くのだ」と説明した。

まだ道程は町の中を一キロほどあるので、焦った。もし車を止めているところで交通妨害とされて警察でも呼ばれると間違いなく罰金ものだ。時間も掛かり、金も掛かる。一体少々の燃料費の差額位のことではない。

更にポリタンには入れ口の漏斗が付いていないのでうまく入れられるかも心配だった。摂氏33度を超える中をポリタンをもって駆けた。通行する車から見ているだけで暑苦しそうだったろう。それでも乾燥しているのか、それとも走り慣れているのか汗が噴き出すというほどではない。そして信号待ちをして汗を拭い乍らスタンドに辿りつく。再び4L越を入れて、汗を見て「今日は暑いね」と言うおばさんに車をもってもう一度来ると断る。

急いで近道を選びながら車に戻る。我が車の後ろに車が停まっていて誰かが乗っている。てっきり待っているのかと思って話しかけると、車中でナヴィを入れていたようで、更なる禍は避けられた。
急いでポリタンの口を合わせて流し込むが外に流れる量も少なくない。少しでも入ったと思ったのでセルを回すがエンジンが掛からない。充分な量が入っていないのを悟る。どうも入れ口の蓋を押しながらでないと入り難いのが分かった。先の尖ったものを探すが工具を出す以外には傘ぐらいしか見つからなかった。後ろに駐車禁止の検挙の親仁が近づいてきていた。

傘の先で押しながら流し込んだ。エンジンが掛かった。急いでスタンドに急行する。信号の後ろの踏切を渡る。もしそこで停止していたならばローカル新聞沙汰になっていたかもしれない。エンジンの低回転が安定するようになった。驚きである。

それにしてもこの馬鹿さ加減は我ながら比類がないと思った。偶々二度同じ光景を見ていた人がいたら腹を抱えて笑い転げたであろう。総計24lを購入して、少なくとも20l以上を給油しても燃料計は17lほどしか示さなかった。結局燃料計の予備分を使い始めると燃料計が動かなくなるようだ。つまり長距離を走った後の残量を注意しないと最後の予備分まで計測していることになるようで、0になる前にガス欠となる。そしてエンジンの警告ラムプが付くともはや走れなくなる。これで少しは学んだだろうか?



参照:
再びガス欠で車を押す 2017-06-17 | 生活
活用した吸い口の付いたホース 2017-06-18 | テクニック
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by pfaelzerwein | 2017-06-20 01:12 | 雑感 | Trackback

キリル・ペトレンコのキャンセル

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指揮者キリル・ペトレンコが久しぶりにコンサートをキャンセルした。アムステルダムのコンセルトヘボーでの三日間の公演だった。そもそもこの公演はピアニストのラドー・ルプーが主役になっていて、2015年のベルリンでの推薦決定前に決まっていた公演だろう。

キャンセル理由は「いつもの健康上の理由」であるが、実際のところは分からない。代役にルーマニアの指揮者を立てているところが若干気になるが、日程的にリハーサルへの前乗り直前の判断だと想像する。

指揮者は歌手などとは異なってそれほどキャンセルすることはないのだが、幻と呼ばれたムラヴィンスキーとか、チェリビダッケとかを彷彿とさせるのが面白い。お陰で、今回もいつものように「家庭交響曲」も余分に勉強させて貰い、この指揮者の譜読みがなければ一生涯ここまでは至らなかったであろう次元まで音楽のお勉強をさせて貰って感謝に堪えないのである。

実際にミュンヘンの音楽監督の日程を見ると、新制作「タンホイザー」の五回目が終わってから一週間経っており、次の指揮公演は7月2日の「影の無い女」のようで、その前に関連性のある「家庭交響曲」で客演するというのは理に適っている。但しもう一つが協奏曲伴奏とは言いながらモーツァルトの二つ目の短調協奏曲K.491で、一週間は別途準備が必要だっただろうか ― ここで言及すのもおこがましいが、このハ短調の協奏曲も読み込むと中々簡単な伴奏では済まない。

「タンホイザー」の演奏指揮を聞いていても可成り全身全霊を傾けている感じは窺われていて ― その間にマーラーの交響曲などの指揮があった ―、更に世界最高の管弦楽団と精一杯の演奏を繰り広げるのは客観的に厳しいようにも感じていたのは事実である。要するにこの指揮者は、他のスター指揮者がするような遣っ付け仕事をしないのが特徴で、そこが魅力であり、それだけに一度一度の公演に強い意志が感じられるのである。

因って、2014年12月のベルリンでのドタキャンをズル休みと呼んだのも、そのキャラクターからして、首の健康上の問題というよりも、その直後の「影の無い女」公演での指揮ぶりからしても、寧ろマーラー六番の準備が充分で無かったというのが個人的な観測である。

この世界最高の交響楽団には2013年にデビューしており、ショスタコーヴィッチ作ピアノ協奏曲と「シェーラザード」を指揮している。後者はyoutubeにベルリンのシュターツカペレとの美しい中継録音がある。今回の公演も勿論客演指揮であるからデビュー公演と比較してどれほどの成功を収めたかは分からなく、少なくとも売券状況からしてもそれほど注目されていなかった。

個人的にも昨年から気になっていたのだが躊躇していて、ワイン祭りの喧騒を逃れるために近々に決断したのだった。しかし「家庭交響曲」に関しては交響楽団のそのアンサムブル上の特性から可成り期待できるものだと分かり、胸をときめかしていたのである。その反面、この管弦楽団のその特性を満遍なく客演指揮で披露するとなるとある意味大変なことだとも思った。それがどうしても聞いておかないといけないと思わせた理由だった。

何代かのベルリンの監督がヴィーンの座付き管弦楽団の指揮を恒例としていたようには、次期監督においてはそうはならず、ヴィーンとの関係は限定的になると予想されるなかで、ベルリンのフィルハーモニカ―の競争相手であるアムステルダムの交響楽団との関係は、芸術・政治的にも注目されたのだった。先週末には、その一方でテューリンゲンでのビュローピアノコンクールの名誉理事になることが伝えられていた。

こうしてキャンセルとなると、夢想してとても残念にも思うが、嘗てのルツェルンでアバド指揮のプログラム変更時とは全く異なり ― あの時の怒り心頭は今からすると自分自身でも驚きだが ―、今回は旅行前に連絡があり、部屋も完全キャンセル可能なので、旅行に出かけていたならば300ユーロ越の消費となったが、これで入場料だけの無駄な出費となった。入場券は誰かが使ってくれない限りただの紙切れとなるが仕方がない ― これもオペラ公演などで高額券の注文を押し止める理由である。それにしても無駄になる美術館前売り券などをまだ購入していなくてよかった。

しかし少なくとも音楽監督としてのミュンヘンのオペラでの公務が最優先であり、その次に同様に何ヵ月もの準備を経て重要視していたのがベルリンとバーデンバーデンでのコンサーツであったのはこれでまた証明されたことになるだろう。恐らく今秋の東京公演に向けても然るべき万全の準備は怠らないだろう。

これで、もし自宅に滞在していてワイン祭りの喧騒に耐えたとしても悶々とした気持ちは湧かなくなる。騒がしければ騒がしいでそれはそれで片づけものが捗るかもしれない。兎に角、気温が予想ほど上がらずに気象が不安定になることを願っている。



参照:
あれこれ存立危機事態 2015-07-14 | 歴史・時事
竹取物語の近代的な読解 2014-12-31 | 文化一般
古の文化の深みと味わい 2014-12-24 | 文化一般
ワイン祭りを避けるついで 2017-06-09 | 生活
ワイン祭り初日を終えて 2017-06-11 | 生活
何もかも高くつく 2017-06-10 | 雑感
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by pfaelzerwein | 2017-06-13 04:22 | 雑感 | Trackback

何もかも高くつく

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夜中中タブレットでBBC4が鳴り続けていた。総選挙開票番組を聞いているうちに眠り込んでしまったからだ。それでもタブレットの充電池が八割以上残っているのは見事である。メードインチャイナも素晴らしい。投票締め切り直後の聞き取り調査結果で「カタストルフ」との話しだったが、予想以上にラバーが伸びていた。今後も経済に破綻をきたすようなことがあればその労働党内でもEU待望論が噴き出してくるのかもしれない。要は、ブリクジットで生活や治安が社会が安定するというようなことはないということだ。

スコットランドの政党が大きな敗北をしたのは、多くのスコットランド人が連邦に留まりたいということの意思を示したのだろう。スコットランドが独立してEUに独自加入してもそれほど大きな立場を示せることはないのは確かだろう。その一方でウェールズの左派政党が力をつけて来ているようだ。

緑の党が議席を持っていたのは忘れていたがブライトンで強い支持を受けているようで、余程地元での地道な活動が大きな実を結んでいるのだろう。同地は訪れたことはないが風光明媚な保養地であると認識している。

折からのバーゲンセールの季節なので何よりもポンドの為替相場が気になる。現在1.138とまだまだ底値からすると高い。それでも議会が始まって組閣して安定するまで、まだまだハングパラメント状態が続けば買い時となる。早くセールのお知らせが来ないだろうか?確かパリが終わってウィンブルトンのテニスが始まる前にセールが始まる。今年も最終週ぐらいからだろうか。

急な旅行の計画なので宿泊も途上の手ごろな場所で安く見つけた。国境手前のブンデスリーガ―「シャルク」で有名な街で、39ユーロで予約しておいた。朝食は無いがそこからはアムステルダム市内には二時間ほどなので朝ゆっくりして、昼飯を現地で取ることも可能だ。勿論前日宿泊時の夕飯は調べておいた。テラスで食事出来るようなギリシャ料理になりそうだ。先日ナーヘに出かけた時も友人と食事をするためにネットで下調べして行った。あの周辺は外食が限られるようだがバートミュンターで川沿いの庭で涼んだ。国際都市の真ん中で真面なものを食そうと思うと高価になるが一食だけなら仕方ないだろう。お昼からやっているところに行くか、夕方からやっているところに行くかはまだ分からないが候補の店は挙がった。美術館は夕方までしか開いていないようなので、先ずは美術館かとも思う。

入場料17ユーロの帝国美術館の内容を観てみると、幾つかのルーカス・ファンライデンの作品も特別展示されているようで、マリア・ジブリア・メリアンのスケッチなどもあるようで、四時間ぐらいは見ておかないとざっと一通り目を通せないかもしれない。逆算すると13時に入場、ホテルを10時に出発、車中で何かを摘み乍ら駐車場まで一走りといったところか。しかし半日車を駐車しておくと、二割五分割引券を入れても、マックス料金50ユーロを超えてしまう。路上駐車ならば24ユーロということなのでこれも考えてみよう。これがミュンヘンならば地下でも30ユーロとならない。兎に角、何もかもが高い。



参照:
ワイン祭りを避けるついで 2017-06-09 | 生活
英国離脱後の構造脱却 2016-06-20 | 歴史・時事
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by pfaelzerwein | 2017-06-09 22:57 | 雑感 | Trackback

プロフィール画像をアップ

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プロフィール欄に画像を入れた。子供が学校で製作した紙切りである。長く探していたが、古い雑誌類を整理していたら見つかった。道理で手紙類や写真アルバムを探していても見つからなかった筈だ。自身のプロフィールにしようと思って探していたのだ。

製作した本人が小学生であるから、かれこれ二十七年前のことである。ブロンドの髪になっているのはその色しかなかったのか何か知らないが、全体的に中々感じが出ているのだ。足の感じや髪の感じなど、小学生の視線は鋭い。

それどころかこうしてよく見てみると、パジャマのようなものを着ていて、内履きに分厚いものを履いている。すっかり忘れていたがあの当時に履いていたものを思い出した。当時は気が付かなかったが、可成りの観察力と子供の記憶は凄い。

あの頃はフライブルクに通う冬の間、毎日のように遊んでいたから当然と言えば当然なのかもしれないが、その当時の写真以上に子供の視線が活きていてとても素晴らしい。シュヴァルツヴァルトの谷間の小学校の図工の課題などと馬鹿に出来ないなと思う。



参照:
黒い森の新旧エコシステム 2012-02-15 | 料理
目前の時を越えた空間 2012-02-13 | アウトドーア・環境
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by pfaelzerwein | 2017-05-18 15:07 | 雑感 | Trackback

なにか目安にしたいもの

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ランニングコースの沢沿いは霜が降りていた。駐車場の車も霜取りの痕があった。沢の流れも叢が凍っていたようにも見えた。しかし車の外気温計は摂氏四度である。今年の記録的に暖かい二月の天候のようだ。それでも異なるのは明るさで、春の太陽だった。だから手袋が欲しいほどではなかった。まるで日本の太平洋側の二月に走っているように錯覚した。日本の冬はやはり温かい。相変わらずジョギングテムポの25分30秒で往復した。それでも髪が汗で濡れて寒さに耐えれるような体になった。

居間に暖房を入れた。今シーズン初めてである。冬篭りしていた間は消してあったからで、前日に寝室に暖房を入れて就寝してそれはそれで熟睡できなかったので、階下に暖房を入れてその温もりを一日中利用することでこの数日の寒気を乗り切ろうと作戦変更した。厳冬期ならば風呂場がヒートショックで怖いのでそこに暖房を利かすだけなのだが、春となると東日が入って更にお湯の温もりでそこは暖かい。しかし居間は陽が入っても広いのであくまで充分に温まらない。恐らく南からの陽射しが高くなって奥には入らないのだろう。それに合わせるようにして、暖房を利かすことで最も効果的になるだろうか。

陽射しが差し込まなくなったので夕刻、階段上のサンルームで休もうと思った。そこにもソファーが置いてあるので寝転べるのだが、陽射しが当たらない。窓枠の下においてあった寝椅子はバルコンに移動してある。そこでキャムプ用の椅子をそこにおいてマガジンを開けた。調べ物の目的は違ったのだが、興味深い情報を得た。いつものFAZで御馴染みの音楽評論家女史がバーデン・バーデンのそれに書いてあるものだ。

パリで演奏旅行中のミュンヘンの座付き管弦楽団の稽古を見学していてsehr gutと褒めていたのは知っていたが、そこでの指揮者ペトレンコの発言を書き起こしている。

"Ja, das war gestern sehr gut, sehr gut, ich bin glücklich, danke.
Aber wir könnten, Buchstabe H Takt 5, bitte die Klarinetten..."

「そう、昨日は(ボンでのチャイコフスキー五番の演奏は)とても素晴らしかった、とても素晴らしかった、幸せで、どうもありがとう。
それでも練習記号H五小節目から、クラリネット(重奏)は…」

Stringendoの記号が付いて、アゴーキクが効かされるところであろう。やくざ刈りの一番のおじさんとブロンドのおねえさんの二番が上手く合っていなかったのかもしれない。つまり三度からオクターヴへと重要なクラリネット重奏が響かないことになって、音の凝縮度が変わってしまうのだろう。なるほどこの辺りはボンの公演の記憶では若干バタバタしていた感じであったのを記憶している。

指揮者キリル・ペトレンコは、指揮台の楽譜をいつも熱心に捲っている。モーツァルトの交響曲でも小まめに捲る。故岩城宏之の文章ではないが多くの指揮者は目線を離したくないのと、権威の為にも暗譜するというようなことのようだが、どうもこの天才指揮者の場合は楽譜で演奏上の問題点を確認して記憶の目安にしているようだ。それならば我々でもチェックしておかないと忘れるのと同じで、鉛筆があるかないかだけで、それこそ岩城のように視覚的に記憶しておけば練習記号とも記憶に残しておける。



参照:
Glückliche Erscheinung, Eleonore Büning (MAGAZIN 2017/1 Festspielhaus Baden-Baden)
管弦楽演奏のエッセンス 2016-09-14 | 音
九月の四つの最後の響き 2016-09-23 | 音
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by pfaelzerwein | 2017-04-21 19:59 | 雑感 | Trackback