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嗚呼、グレーフェンベルク

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陽が差し出した土曜日はラインガウでの試飲会であった。今年は一人で遅めに出かけた。カードが無効になったので現金の持ち合わせがなく、フェリーの渡しでライン河を超えるところを帰りの一回だけに絞った。遅めに出かけたお蔭で、車も醸造所の中に停めることが出来た。悪いことばかりではない。

朝から一走りしてブランチを摂った後で昼食は出来ていなかったのであり、若干の寝不足でも昼寝も出来ずに出かけたので極力吐き出すことを考えてそれを実行に移した。

2012年のラインガウは、酸が足りない一方糖比重は高かったようで、アルコールもしくは熟成となっている。その分、酸が分解されている上級のPCやGCクラスとなると、粘度が高い反面、果実実の割には清涼感は少ない。2011年もグレーフェンベルクはミネラルを楽しむリースリングとなっていたが、2012年はそれが隠れるほどの濃くとなっている。

ガイセンヘイムの五回生の者からヴァイルの内部情報を色々と教えて貰った。長くそこで働いているので、2006年産から押さえていた。グランクリュの評価も難しさについても話題となった。今年からはグレーフェンベルクのPCがVDPの意向で出せなくなったので、GCしかないのだが、それが強過ぎて未だに樽試飲のように出来上がっていないのである。この辺りは、昨年から八割方が木樽醸造となった経験不足のようなものを感じさせた。つまり、二割はステンレス醸造でキュヴェーのように様々な樽が混ぜられるのである。

それ以前は、現在の二種類のPCのように30%しか木樽が使われていなくて、まさにこれから経験を積まなければいけないことが沢山あるのだ。その意味からは、未だに天然酵母醸造に成功していないことも偉大なグランクリュを排出するために乗り越えなければいけない高いハードルである。三人居る醸造親方も役割分担となっていて、天然酵母を確りやろうと思えば三交代にするぐらいでなければこの分野では中々追い着かないであろう。

これだけの情報でなぜグレーフェンベルクは大きく瓶熟成をすることなく、何時の間にかフィルンに近くなってしまうそれが説明できたろうか。先日開けた2010年もフィルンではなかったが、酸が糖と分離してしまっていたので、ステンレス醸造の問題点が感じられた。それ以上に減酸の方法などあの価格ならば更に手を掛けて欲しかったものである。

最終的にはドイツで最も高い価格の問題となるのだが、なるほどグレーフェンベルクのグローセスゲヴェックスは37ユーロとまずまずの価格に抑えられている。ビュルクリン・ヴォルフ醸造所の殆どのそれよりは安いのは至極当然である。つまり、どうすれば金の取れるワインを造れるかということにもなるが、重要なのは地所である。

天然酵母に進めないのは味筋が重くなるからだと言うが、フォルストのペッヒシュタインやキルヘンシュトュックよりもキードリッヒのオルツヴァインが重いと言うのはどうしたことだろう。つまり軽い土壌はグレーフェンベルクしかないのである。

最近は試飲会で知人にお目にかからないことは無い。今度も春に二か所で出会ったラインガウの夫婦からお声が掛かった。どこで出会ったかを思い浮かばなかったが、レープホルツ醸造所でその前に出会ったシェーンレーバー醸造所の話が出たと聞いて思い出した。それでも今年の春だと言われて驚いた。かなり昔の話だと思った。なぜならばそうして会ってから二桁ほどの試飲を繰り返しているからである。



参照:
2009年産の過熟成速報 2013-08-29 | ワイン
余裕が全く無くても冷静な元旦 2013-01-01 | 料理
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by pfaelzerwein | 2013-09-25 15:39 | 試飲百景 | Trackback

2009年産の過熟成速報

ラディオで日本のロケット打ち上げが中止になった速報が流れていた。これの固形燃料型によって日本は商業化に拍車をかけるという紹介であったが、それだけに関心は強かったようである。SWR文化波の切り口は、FAZ紙のそれとはまた違う意味でその背後にいる聴視者の専門性を感じさせるそれがある。だから、最初から分っていた福一の地下水汚染に関しては他のメディアほど騒いでいないのかもしれない。ソチオリムピックボイコット問題はどうなったのか?西側諸国による代替地は決まったのか?シリアはサリンを使用したのか?

2010年に感動したロベルト・ヴァイル醸造所のテュルムベルク2009を開けた。既に瓶詰め後二年以上経過しているので過熟成が予想された。開ける機会を逃してしまっていたので仕方が無い。しかし知りたかったのはその香りの有無であって、変化であった。当初のような素晴らしい香りが存在しているならば、所謂酸化法での醸造の成果を示す結果となるからだ。

ヴィルヘルム・ヴァイル一行がヴァッヘンハイムを訪れ、本格的なグランクリュとブルゴーニュシステムを検証したのは既に二年以上前のことであり、正しく香り溢れる辛口リースリングの長期瓶熟成醸造こそが、ヴァイル一行がブリュクリン・ヴォルフ醸造所で習うことであった。

結果からすると、土壌特有の所謂ペトロール香が既に出ていて、2009年の特徴である早熟を表わしていた。それでも試飲会で感じた香りはその果実風味として確りとかもし出されていて、なるほど少し峠は過ぎたようであったが中々立派なリースリングとなっていた。もう一年ほど寝かせると完全に完熟のリースリングとなったであろう。

要するに果実風味の薄い蒸留酒のようなリースリングを高品質に提供してきたこのトップクラスの醸造所も新たなシステムの中で俗受けするワインも提供できるようになったのである。勿論、グレーフェンベルクのグランクリュが更に香味溢れる高級リースリングとなることは間違いなく、これで完全にその新設備とともにグローセスゲヴェックスでも上位クラスに君臨するだろう。

その反面、今回のそれが示すように、その果実風味は甘さ感となっていて、本格的なグランクリュからは遠い。少なくとも四五年の時点でそうした甘さを感じさせないのがブリュックリン・ヴォルフ醸造所のグローセスゲヴェックセであるのに反して、二年ぐらいで頂点を迎えてしまうのが最大の問題なのである。勿論それはラーゲンヴァインであり、価格は20ユーロ前半となっていて、その比較対象は下位の醸造所のグローセスゲヴェックスである。今後この地所のリースリングを購入するかどうかは分らないが、試して決して損はしなかったワインである。



参照:
余裕が全く無くても冷静な元旦 2013-01-01 | 料理
素晴らしい投資相応の価格 2012-09-11 | 試飲百景
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by pfaelzerwein | 2013-08-28 21:49 | ワイン | Trackback

ただ甘ければよいとは言わないが

なかなか体を動かす暇も意欲も無くて困っている。何よりも天気が悪く、朝がなかなか起き辛い。十月半ばから殆ど十一月のようでこれも具合が悪い。

お蔭でパンを買いに行くついでに甘いケーキを補給することも無く、スーパーでチョコレートを買いそびれていると、体が甘いものを欲するようになった。流石に砂糖と抹茶で葛湯とも思わなかったので、最近急に休肝日が増えたこともあり甘口ワインを探した。在庫は89年物からあるのだが、そんな枯れた難しいものよりもただ甘ければよいのである。

ラインガウのロベルト・ヴァイル醸造所のグレーフェンベルクのシュペートレーゼを見つけた。2006年産であるがなぜ買ったかは思い出せない。本年2009年産の素晴らしいアウスレーゼに出会ったものだから、どうせ大した熟成を期待できない2006年物に手を付けた。価格はどうも32ユーロほど支払ったようだ。恐らくあまりいがいがしない素直な甘みと酸に珍しく甘口が飲めて購入したのだろう。実際に飲んでみると十分に甘いがしつこくなく、ある程度満足できた。結論としては、これを後生大事に寝かしておくぐらいなら、新しいものに買い換えて寝かしておくべきだろうと。

さて、こうして書き綴っていると、青い空から雹がすこし落ちてきた。この辺りではネットで囲んであるもの以外は収穫は済んでいるのでどうでも良いのだが、他の地方では被害が出たかもしれない。

韓国では白菜が一つ五ユーロ以上に値上がりしたとネットにあった。大きさは書いていないが白菜なんて99セントで買えるのだが、質が悪かったので購入しなかった。いまどき生鮮食料品といいながら自由貿易体制でそれだけの需要と供給のアンバランスが表れるのかと驚いた。

ハードライナーの習氏の主席への出世についてFAZの社説は書く。既に、管内閣は、小沢をはじめとした民主党の距離を置いた対米政策から方向転換を余儀なくされたが - 鳩山前首相自体が中国の脅しで動いたことは記憶に新しいとある 、他のアジア諸国も同様で、アジアでの合衆国の存在感が再び戻ってくる結果になったと。大国であるだけに国益追求のそうした姿勢が必ずしも成功することにはならないとする見解で、多くの中国内の意見をそれは代弁している。
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by pfaelzerwein | 2010-10-21 06:11 | 歴史・時事 | Trackback

甘い燻製鴨の脂身に舌鼓

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昨日は腹を空かして帰って来た。出先で全く時間がなかったので飲まず食わずで急いで帰ってきたのである。博物館を出たのが既に二時を過ぎていたので、三時の約束は難しかったが、なんとか三十分遅れで戻ってきた。

抜いた昼食代わりに、急いでパンに挟むものとパンを買って被りついた。横にあったイタリア製の鴨の燻製が気になったのでこれを百グラムほど切ってもらい、夕食にした。

ワインは前日の残りのラインガウのシュタインベルガーが殆どなかったので、蔵を探す。適当なものがなかったが鴨を考えて、1995年産グレーフェンベルクの半甘口シュペートレーゼを開けることにした。ロバート・ヴァイルのそれはアルコールが12.5%もあるので、現在で云えばグランクリュに相当すると思いとっておいたのだ。

コルクは新鮮そのもので、裏側に石が付いていた。液体の色は黄金色までは行かず、香りの噴出しが感じられたので期待が高まる。既に13年以上経っているのだから若干熟成感はあるが、半辛口であるに係わらず香りに違わず残糖感も無く食事に楽しめた。

また鴨の方は、自家製の茸ソースを掛けて食したが、その脂身の甘さがとてもよくとてもデリカテッセンであった。

そのような訳でワインも進む。その結果ベットに付く頃には些か頭に重さが残るような感じて、熟成甘口ワインというのはやはりその飲み口の丸さとは反して、一寸気をつけないといかないものなのかもしれないと微睡んだ。当時結構の価格で購入したリースリングに違いないが、やはり「価格に似合わない質」と酔いから目覚めて再認識するのである。その一方現在醸造されているグランクリュに、これより質の高い熟成の良さを期待させてくれる。
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by pfaelzerwein | 2009-10-29 03:14 | 料理 | Trackback

艶消しが燻し銀とはならず

ラインガウでグランクリュを何種類か試した。最も興味深かったのは、州立醸造所のそれであった。リューデスハイムの地所シュロースベルクなどはその香りが印象に残った。伝統的な還元醸造法から積極的に呼吸させる方法へと転換していると知ってなる程と思った。要するにビュルックリン・ヴォルフ醸造所などがやっている香りのワインの方へとグランクリュワインが向うことが知れた。

今秋は残念ながらまだ発売されていなかったフォン・ジムメルン醸造所のバイケンを試すことが出来なかったが予約しておいて改めて試飲しに行く事にした。すでに地所マンベルクは売り切れていて、やはり今年からグランクリュになったハッテンハイムの地所ヴィセルブルンネンを試飲した。まだまだ閉じているがマンベルクに比べると石灰質が強いせいか丸みがあって女性的であった。清潔度もあり決して悪くはなかったが、先ずはバイケンを待ちたい。

ロバート・ヴァイルのグランクリュは、他の期待したものに比べてやはりグレーフェンベルクにその価値があった。先日開けた2006年産に比べるとごつさがなく葡萄の健康さと甘さを感じた。この甘さが二三年から五年ぐらい掛けて落ちてくれるとなかなか良いのではないかと思った。

グラーフェンベルクのその飛び抜けた価格の高さだけの強さもあって、上のマンベルクと双璧であるが、やはり独特のスレート臭さが気になった。その点、上のシュロースベルクは香水でそれを美味く隠してあったが、逆に瓶詰め直後でこのようなグランクリュはそれほど信用出来ない。

2008年のグロセスゲヴェックスを評して、ラインガウはもう一つとの指摘があった。これに関して、ラインガウワーを擁護すると次ぎのようになるだろうか。残念ながらプファルツなどでは、2008年産は早摘みなどを含めて収穫量もそこそこ行ったと思われるが、健康に熟成して酸も林檎酸などに分解された良質の葡萄は十分には無く、シュペートレーゼ以下クラスでみるべきワインはあまりなかったのが2008年産の特徴である。その反面、酸の量感は十分にあって間引きされて綺麗に収穫された葡萄から味わい深いグランクリュが醸造された。

一方ラインガウのキャビネットは例年以上に味が濃く、あのシュタインベルガーの高野豆腐のように引っかかる味のQbAでさえ一寸した飲み物となっている。逆に、グランクリュなども十分な糖比重が得られて尚且つ十分に酸が効いている印象が強い。要するに保つワインには違いない。その分、グランクリュは例年以上に閉じている印象が2008年産のラインガウのグローセスゲヴェックスである。

そのなかで、とても香り高く開いている州立醸造所のそれは、ワイン街道のフォンブール醸造所のそれのように小粒である。もちろん伝統的な還元法を改めて現代的な施設で清潔に醸造されているので、急に落ちるような事はないのはフォンブールにも通じるであろうか。

それに比較すると全く香りの出ないグレーフェンベルクのそれは黴の臭い消しに活性炭でも入れたのかと思わせるほどである。しかし、ヴィセルブルンネンにも大ない小なり同じような傾向があって、正直なところ熟成によってなにが拡がってくるのかは判り難い艶消しのような印象が確かに存在する。グレーフェンベルクのプリュミエクリュを家で落ち着いて開けるとやはり素晴らしい。ラインガウではトップクラスのリースリングには違いなく、同じ価格でそれ以上のワインを提供できる醸造所はラインガウには皆無なのである。それでも、20ユーロを越える価値があるかどうか? ― 歯磨きのあとに飲むとなんとお屠蘇か、ミラベラシュナップスの味であった。
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by pfaelzerwein | 2009-09-18 00:40 | 試飲百景 | Trackback

秋のはじめの想いの数々

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肌寒くなって、いよいよ長袖が恋しくなってきた。完全に秋真っ只中である。

八月の最終日曜日、5.6KMのコースを歩いた。始めて逆時計周りに辿った。朝はとても涼しく重い靴で思わず走り出してしまった。一キロほど走ったので、普段とは異なる無駄な脂肪が動き、蹴りで脹脛や太ももに堪えた。先ずはそれが限度であったが、何時か機会があればもう一キロ走ってみたい。脈拍150越えの苦しさ以上に、まともな靴を履かなければ身体を痛めそうである。まだまだ、余裕が無く神経が苦しい側にいるので、もう少し肉体を客観的に観察して動かせると面白いだろう。一キロほどを走っても歩くのとさほど時間は変わらないので、車まで帰ってくると結局一時間近く掛かってしまった。

グランクリュワインが解放になる前の週、2006年産のロバート・ヴァイルのグレーフェンベルクを開けた。瓶詰め後二年しかたっていないので、通常は後三年ほど待つリースリングであるが、あまり多くを期待出来る年度ではないので実力を試すために開けてみたのだ。

試飲した時にも感じたアルコールというか熟成度の強さからあまり鮮やかさもない。先日試したシュロース・ヨハニスベルクの格落ち商品との一騎打ちとなった。結果は、流石にエルステス・ゲヴェックスとしているだけあって、酸が十分には効かなくともそれだけの繊細さを出していて、あまり期待出来ないながらもまだ色々な成分が吹き出してくる潜在力は持っていた。

味の傾向は、どうしてもスレート臭さが出てくるのだが、下位のシャルタワインなどと比べると薄っすらと綺麗に出ていて、土壌の品の高さを感じさせる。梨のような筋の良さは、栗のようなヨハニスベルクの土壌よりも分厚くならないのが利点だろう。その二つの土壌の特徴をまったくそのスレート基盤と雑食砂岩基盤の組成を無視して喩えれば、ダイデスハイムの地所ホーヘンモルゲンとルッパーツベルクの地所ガイスビュールの差ほど異なる。好悪ではなくてその好みは別れるだろう。

もちろんシュロース・ヨハニスベルク醸造所のアルコール15%の商品はおそらく過熟成してしまった失敗作ではあろうが、醸造所として一流のローバート・ヴァイルではあの商品では販売できないだろう。しかし、2006年産の難しさは、なるほどグレーフェンベルクの斜面の上方でなんとか酸の効いた葡萄が出来たとオーナーが胸を撫で下ろしたぐらい、典型的な温暖化気候の中でのリースリングであった。

さてその価格30ユーロは高過ぎる。しかし、飲めないようなリースリングに20ユーロ払う事を考えれば、決して捨てるようなものでは無いのである。十分にそれだけの繊細さが分かり、尚且つ2006年産の難しさも分かるのだ。もちろん授業料としてそれが高いと思う人が普通であろうから、その価格で幾らでも他に旨いワインは飲めるので、人には薦められないグランクリュであった。



参照:
旨くない途轍もない将来性 2009-09-03 | 暦
Fシティーの垢抜け方 2009-08-11 | ワイン
腐れ葡萄にその苦心を窺う 2009-07-30 | ワイン
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by pfaelzerwein | 2009-09-05 00:25 | | Trackback

Fシティーの垢抜け方

近所を車で走っているときのラジオは、SWR2か、HR2の両文化放送のプログラムを流している。大抵は前者なのだが、後者のジャズ放送などの時に良く切り替えている。

今朝、パンを取って、銀行に行く車の中で、グレーフェンベルクの話題が出てきていて、五分ぐらいその歴史やラインガウヴァインにおけるその意味合いが取材されて報告されていた。後者の分化波であった。

もちろん、ロバート・ヴァイル醸造所のプレスアルバイトの一貫で取材されたには間違いないが、我々顧客にとってはいつも読んでいるような内容がこうしてフランクフルト周辺の高級リースリングなどを楽しむ社会層を目指して説明されていれば、放送を聞いて潜在的な顧客層を掘り起こすに違いない。ヴィルヘルム・ヴァイル現当主のこの分野における手腕は見逃せない。

ターゲットを絞って効果的に語りかけるという事は、如何に敏感にその市場に反応出来ているかという事で、アウトプットだけのインプットがあるのだ。その証拠に、2008年度産から繰り出す商品カテゴリーやカテゴリー別けにVDPの枠組みを上手に利用しながら今日的な商品開発へのセンスが見て取れる。

詳しくは試飲会に参加してからの報告となるが、偶々オーメドックで訪れた醸造所と言い、このロバート・ヴァイルと言い、資本参加しているサントリーの悪い影響が殆ど感じられないどころか、寧ろ肯定的に感じられるのが立派である。

そのワインの質を五つ房とか、その高過ぎる価格が妥当だとかは、評価本ではないから一切言わないが、そうしたメディア対策や商品の質やイメージつくりはこの数年でとても垢抜けて来ていて、ドイツの醸造所では五つ星である事には間違いない。総合的に私に言わせると、ドイツワイン特にラインガウワーヴァインの今日のスタンダードとして誰に奨めても「恥ずかしくないリースリング」としておこう。



参照:
醸造所訪問 ロバートヴァイル (ヨーロッパ、ドイツワインについてのいろんなベスト3)
ロバート・ヴァイルのワインはやっぱり・・・・!の巻 (Weiβwein Blog)
シュワッと爽やかなヴァイル (新・緑家のリースリング日記)
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by pfaelzerwein | 2009-08-11 02:45 | ワイン | Trackback

あまりにも短い一生涯

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ここ一週間に飲んだワインについて忘れぬ内にメモを取っておく。

何よりもの成果は、2007年産のワインは夏を過ぎて再び味が出て来ていることだろう。夏過ぎには完全に谷へと入っていた単純なハウスヴァインであるミュラーカトワールのMCリースリングを開ける。

驚いた事に気が抜けたようなそれが再びワインらしく桃の香りを湛えているではないか。初めから超辛口であったので旨味はないが、ワインらしいく熟成して来ていた。これは残りをまた調達にいかなければいけないかと思い気やあくる日には完全につまらない酒に変わっていた。

同じ価格のキャビネットであるが、ゲオルクモスバッハーのハウスリースリングはそれに比べてさらに旨味が増している。快いミネラル味がオレンジの皮の風味を湛えてきていて、2006年に続き今年も最高級の日常消費リースリングを提供している。腐りの年の2006年のQbAとは異なり、これはあと一年ぐらいは問題なく楽しめそうな立派なワインである。

場所をライン平野の向こう側に向けると、ベルクシュトラーセのべンツハイムの2006年シュタインコップのシュペートレーゼを開けた。アルコールも13.5%と高いのでまだ開けるには早めであったが、その土壌を考えると新鮮味が残っているほうが少しでも飲み易いだろうと考えて飲み干した。

こちらはレモンの皮の苦味のような味がベースにあって、その土地柄と同じで小さく固まっている感じでワイン街道の大らかさとは対象的である。なによりもこちらでは土壌のベースになる雑食砂岩でなくその上に乗ったユラ層土壌の葡萄ではどうも風味が広がらない。シュペートブルグンダーと違ってリースリングは、どのような土壌にも栽培するにしてはあまりにも繊細すぎる。それなりの食事に合わせたつもりではあるが。

本日、今年はどうかと思っていた醸造所からのクリスマスプレゼントが届いた。過去に多少は売り上げに貢献しているとしても、最近は本当に僅かな購入であって ― 凝りもせず真面目に忌憚ない批判をさせて頂いて ― 新聞や雑誌の定期購読推薦のように方々で奨めさせているとは言え、今年はもっとも価値のある2007年産エルステスゲヴェックスを頂戴した。しかし良く考えれば、他の贔屓の醸造所ではしこたま試飲しているので、それを換算すればこれぐらいの販売協力費ではないかも知れない。

兎に角、試飲した2007年産のなかでは、キャビネット辛口と並んでその透明感だけでも間違いのない品質であった。その土壌グレーフェンベルクは、長く毎年購入しているのだが本格的なグランクリュとなってからはまだ三年ほどだろうか。前回に開けた2005年はまだシュペートレーゼであったが、このエルステスゲヴェックスはまだ熟成してから家で開けた事はない。試飲の印象からそれへの期待はかなりなのでなかなか開けられないでいる。2006年のシュペートレーゼを半年以内には試すので、そのエルステスゲヴェックスの飲み頃も徐々に見極めていかなければいけないだろう。

不味いワインを飲むには、人生あまりにも短すぎる。



参照:
買ってしまうグランクリュ [ ワイン ] / 2008-10-02
2006年産の良い地所 [ 試飲百景 ] / 2007-09-27
試飲百景-前書き [ 試飲百景 ] / 2005-01-22
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by pfaelzerwein | 2008-12-12 02:51 | ワイン | Trackback

買ってしまうグランクリュ

最近開けたワインについて一言。

試飲会で選んで買って来たロバート・ヴァイルのチャッルタヴァインは、試飲会で飲んだ時のように酸の鋭さが感じられなかった。寧ろ、他の半甘口に感じたような飲み薬の甘味料のような味を感じてしまった。どうも飲む温度にもよるようだ。

一本11,10ユーロはバブル価格である。もっとも主力商品を沢山買わせたいと思わせない価格設定はどうしたものだろう。2007年産で現在まで飲んだ中では未だに9ユーロのフォン・バッサーマン醸造所のキーセルベルグキャビネットが最も質が高くCPが高い。

しかし2005年産のグランクリュになる前のグレーフェンベルクのシュペートレーゼは、なかなか飲み頃で良かった。しかし、価格票は改めて見ないことにした。先日飲んだ2005年産バイケンのシュペートレーゼの三割り増しぐらいの価格の筈だ。しかし、将来性どころか、ペパーミントの味も失せて明くる日はあまり良くなかった。

どうしても最高級の価格設定をされると評価は厳しくなる。高くても良いから満足出来ると購入する人も少なくはないだろう。しかし、趣向品においては品質に投資する人よりも個性に拘る人が多いだろうから、決して人気のある醸造所ではないだろう。

グレーフェンベルクのグランクリュは、それでも買ってしまうのだ。試飲会では辛口キャビネットも良かった。



参照:
ワインインポーター「ピーロート」の価値観 <前編> (Weiβwein Blog)
月光がラインを渡る時 [ 暦 ] / 2007-09-23
道に迷って思わぬ出会い [ 試飲百景 ] / 2007-10-08
2006年産の良い地所 [ 試飲百景 ] / 2007-09-27
市場でなく、自然に合わせろ [ ワイン ] / 2005-09-09
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by pfaelzerwein | 2008-10-02 08:36 | ワイン | Trackback

2006年産の良い地所

仲秋と言うのに少し汗ばむほどに暖かい。例年は、九月の前半の週末に訪れるのだが、不在をしていて、今年は後半にキードリッヒのロバート・ヴァイル醸造所に伺った。

駐車上の混みようを見ても例年よりも盛況な感じであるが、最終週の訪問は初めてなので断定的なことは言えない。予め電話で確認していたように、収穫は既に始まっているが、最も良い地所のグレーフェンベルクなどはこれからである。

その斜面の下に立つと例年の如く湿度が高いのを感じる。これはラインガウ地方のマイクロ気候の一つなのである。そして夜間は川から吹き挙げる風で冷えるというのだ。それも何度も言うように年間を通じて歩いて見なければ分からない。今回は、更に向学心からラインガウの土壌の特徴も予め下見をした。

グレーフェンベルクは千枚岩が白っぽいことから珪素や水晶を多く含んでいると想像される。さらにその周囲の土壌も似ていて、小さな谷を隔てて反対側のラウエンタールの斜面には石灰質の含まれない名うての地所バイケンがあり、そこでも白雲母の珪酸成分も無視出来ない。

それがラインガウ独特の鉱物的な味をそのまま想像させる。大まかにイメージすると比較的シャンパーニュ地方などに近い。そうした繊細さに土壌の味が香料となれば良いワインなのである。

王家を含む貴族的名門の所有や州立に移譲された地所には、マンベルクを含むマルコブルンのような石灰質を特徴としたり、スレートを持ったシュタインベルクなどの多様性がある。その点、小規模の平民の醸造所はどうしても、そうした変化には恵まれない分、単純なリッターワインからアイスヴァインまでを収穫することをモットーとしていて、競り市などで高額に競り落とされるのを名誉としている。

そうした歴史的な条件から、試飲するワインにそのような多様性を求めるわけにはいかないが、それだけにヴィンテージの品定めと質に拘らなければいけない。

結論から言うと2006年度は、モーゼルやミッテルハールドなどの腐りとは異なり、小粒で密集しない葡萄から比較的健康な収穫が出来たことが証明されていた。収穫量も落ちて居るとは言え、それほどドラスティックな結果とはならなかったようである。

それどころか、マイスターの説明によれば、シュペートレーゼや半辛口と言えども軽みのあるワインに仕上がったのはヴィンテージの特徴となる。酸の質は、少なくとも現時点では大変良い。その軽いテーストは、偉大なラインガウワインには程遠いかもしれないが、ここのワインにそれを求めるのはその土壌からして誤りだろう。

しかし、その快適な酸とアルコールがある程度の寿命を意味するならば、ここ数年のヘタレ方は今回はないのではないか。購入したグランクリュも、細身であり、今でも充分楽しめそうなのである。その価格からしても、五年以内に飲み頃になってくれれば十分のような気もする。ミッテルハールトのような、十年寝かしてもお花畑の香りが広がる地所ではないことから、適当であれば良いのだ。

その反面、そのデリケートな味は、もぐりの呼称「ファインへルプ」と言われる甘くはなく酸も柔らかなワインにも表れていて、早飲みの楽しさを満喫させて呉れるだろう。ついでながらこの名称は、ハルプトロッケンと変わらないが、場所によって使われるクラッシックやシャルタの甘めのものと考えれば良いだろうか。

そのシャルタ・ヴァインと呼ばれる食事用のカテゴリーにもその酸が同じように生きていて、例年に比べると一年後の消費も期待出来る。

それ故に、半辛口からグランクリュにかけてのカテゴリーにおいても、明らかに瓶熟成の可能性が加わっている。この辺りの醸造所内のコンセプトは、ここでの批評に伴うように、あまり明らかにしたくは無い様子である。

甘口は相変わらず残糖感が強いが、他の醸造所から葡萄を買い入れた辛口リッターワインにおいて殆ど残糖感を残さないようにする努力は、ここにも見られる。二種類のゼクトは、上のような特長が集約されて、今回初めて良いと感じるものである。

シュペートブルグンダーは、後まわしにして飲むのを忘れたが、特に触れる必要も無いだろう。

ゲーテが1814年9月6日に記した「ラインガウの秋の日々」日記から引用してこの試飲記を終えたい。

ワインの良さは、地所によるのである。そしてその遅い収穫にもよる。これで、富んだ者も貧しいものも、永遠に争そっている。誰もが沢山のこの良いワインを欲しがる。
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by pfaelzerwein | 2007-09-27 02:31 | 試飲百景 | Trackback