タグ:シュペートブルグンダー ( 11 ) タグの人気記事

学歴のある奴か失業者

水曜日も登りに行った。そこで偶々出会ったのは日曜日にも一緒だった些かアウトロー風の男だった。銜えタバコでザイル無しにチョコチョコと登っていた男だった。

そのそれ風な物言いで話し出すと、「あんたら、岩登りの達人で力仕事を職業としている奴を知っているか?」とぶちまける。そうだろ「岩登りの上手い奴は、役人か学歴のある奴か、失業者だけだ」と、同じような自虐ネタの言い草に日曜日も笑わされた。そして日曜日は本当にやばい所は人に先に登らしていたのを知っている。「なんて賢い奴だ」と笑った。ああ言うのを達人と呼ぶのだろう。

失業者や役人は十分に時間もあって力も有り余っている、しかし専門的な職業の者は技を売らない限り矢張り勉強する時間がないと職業としては厳しい。週三回も岩登りをこなすとなると体力も時間もないと矢張り無理であろう。

もう一クラス上のレヴェルに達するには週三回をどの程度こなせるかに掛かっていると感じているが、週三回の全力投入は困難であると感じている。

今日はとことん暑かった、雷雨を待つ日である。外気温が摂氏33度を超えていた。六月も終わりなので気になって、クリストマン醸造所に前注文する序に試飲してきた。

感想は2011年の酸不足がこの醸造所のリースリングにも同じように表れているのだが、そのお陰でミネラル成分が良く吟味出来て良かった。オェールベルクの塩気と書く位に、レープホルツ醸造所の影響がここにも表れている。

その意味からは若い酸があってもグーツリースリングは昨年のものよりも物足りなく、オルツヴァインでも今一息であった。早速新製品のカペーレンベルクを試した。以前はシュペートブルグンダーが栽培されていた場所で、リースリングのプリュミエクリュとしてはデビューである。

まず黄色味が良い。若干の微炭酸は明らかだが、酸の重さを感じさせずに、透明感のあるミネラルウォーターのような味筋は素晴らしい。この特徴は、明らかにレープホルツのそれに近づいていて、繊細さと果実風味がとても上品である。価格は、いつものことであって、17ユーロと誇り高い。酸が弱い分若干の苦味成分があるが、思わせない高アルコール13.5%からすれば当然である。それにしてもこれだけ柳腰のリースリングがこの醸造所から提供されるとは思っていなかった。



参照:
NPO法人PK会長の穴潜り 2012-06-25 | アウトドーア・環境
何処までもついて行くわよ 2012-05-20 | 試飲百景
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by pfaelzerwein | 2012-06-29 04:40 | 生活 | Trackback

肌理細かな高CPピノノワール

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赤ワインを試飲にベルクシュトラーセまで行った。こちらからするとライン平野の向こう側の山懐であり、ハイデルベルクからすると南の町である。コンクリートの採石場工場で有名なライメンである。毎年開かれる試飲会なのであるが参加するのは初めてで、つまらなそうなのを除いて一通り試飲した。

白ワインで購入する価値のものはなかったが、ピノグリなどは上手に造っていた。バリックではなしにフーダーのようなものを使っているのでそれなりの細かな作業が可能になっているようだ。丁度この醸造所から対岸にあるレープホルツ醸造所のバリックものなどと比較すると買えるかもしれない。しかし個人的にはブルグンダー種の白ワインに10ユーロ以上出す用意はない。これならばフランスの白ワインに幾らでも安いものがあるからだ。

リースリングは流石に土壌感が出ていたがコンクリート味は不味い。質は悪くないので飲んでも気持ち悪くはならないだろうが、この種のリースリングしか飲んでいないと本当の白ワインの良さは分らないだろうと思われる。

さて本命の赤ワインであるが、電話であらかじめ聞いていたように、凶作の2010年産が主体であった。レムべルガーも日常消費用から高級まで三種類あり、中間のものが酸が強く、最高のものが緑の香辛料のような独特の香りを放っていて面白かった。悪酔いするかもしれない。

シュペートブルグンダーは、日常消費用のものが酸が強く2010年産をそのまま反映しているが、2008年産の毒の強さはなくて自然な酸が喉越し良くしている。更にその上位のものはタンニンを強く出しており、その反面セメントのミネラル質がとても綺麗である。しかし更にもう一つ上級のRクラスを試すと、更に澄んでいる反面色が薄い。これが2010年の結果であろう。売れ残りの2009年産の最上のRRを試すと今度は色もよく流石に良年の出来が分るが更に数年寝かせて64ユーロの価値があるかどうかは疑問であった。結論からするとRクラスぐらいがとてもよいが、何と言っても最も単純なシュペートブルグンダーのCPに勝てる赤ワインは知らない。

フランスのピノノワールならばこの味質ならば倍の価格は間違いなくするだろう。この価格でフランスで赤ワインを求めてもこれだけ高貴なものは見つからない。とても零細な赤ワインの名醸造家であり、セメント仕立ての土壌感はドイツで稀に見る本格的なピノノワールを排出していることは間違いない。

プファルツのそれのような砂ではなくて、石灰の泥のような濡れる足裏にとこびりつくようなあれである。この単純なワインをフィレステーキに合わせた。食事にあわせると逆に酸が強く感じられたが、開いてくるに従ってバランスが良くなって来る。同じバーデンのデュルバッハ辺りのシュペートブルグンダーにも似ているが、肌理の細かさで秀逸である。



参照:
距離の伸びそうな冬模様 2011-10-25 | 料理
セメントが柔らかくなるように 2011-01-29 | 試飲百景
麗しのブルゴーニュ、待っててよ! 2010-03-26 | ワイン
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鹿肉を食らって朝の二時まで遊ぶ 2010-01-30 | 料理
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by pfaelzerwein | 2012-05-07 23:27 | 試飲百景 | Trackback

二月中旬も見えてくる週末

明日は金曜日でもう週末である。月曜日一日遊んだためか、今週は短過ぎた。二月も既に中旬の予定で動いているので恐ろしく短くなりそうだ。凍てついた日はあっても長続きしないので、これも気に食わない。

早朝走ろうと思ったのだが、雨が降っていたので、断念した。午後から夕方にかけて一時日が出たので、思い切ってに早朝する予定だったことを夕方にこなした。

クライミングはしていたが、水曜日はお休みになって、体が鈍っていたので、いつものコースを降りてくるのもそれ程楽ではなかった。それでも軽く汗をかいたので心理的には晴れやかとなった。

これで明日金曜日を快調にこなせる下準備が出来たようなものだ。一本残っていた2006年産のシュペートブルグンダーをあけて、先日から作ってあったチリコンカルネをゆっくりと愉しむとしよう。
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by pfaelzerwein | 2011-02-04 03:32 | 生活 | Trackback

セメントが柔らかくなるように

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明日日曜日はハイキングに出かけるので、昨晩の買い物で、本日は余裕が出来た。思い立って懸案の2009年産のピノノワールをハイデルベルクに取りに行った。白を三種類と、赤を三種類試飲した。それ以外で現在購入出来るのは白三種類で、新旧赤六種類だけなので、精神衛生上良い気持ちである。春には全てを試飲出来る機会もある。

さて、昨年秋に蔵出しレストランで飲んだリースリングが格段2008年よりも勝れていたので、それとピノグリ、ピノブランを試した。本当にこの質の高さでこの価格は信じられないばかりである。マルクに換算しても決して悪くない。ドイツの醸造所で土壌の悪さにめげずに立派な仕事振りを見せる三つの二つにレープホルツ醸造所と並んで入る醸造所がこのゼーガー醸造所に違いない。つまり、おみあげとしてそこの土地の特産物として購入するワインではなくて、まさにワイン街道から態々購入しに行くワインなのである。この価格で地元で何が買えようか?

リースリングはその価格からしても買えるのだが、ピノノワールの美味しさも格別で、ピノグリの薄く掛かった樽味がまたまた素晴らしい。昨晩飲んで感動したシャルドネを髣髴させる手練手管と、更に美しい酸を見せ付けられると、好きでもない葡萄であるが買わずにはいられなかった。レープホルツでさえピノグリは今ひとつであるからだ。

さてお目当ての赤は、シュヴァルツリースリングとレムべルガーのキュヴェーは甘みがちょっと多く丸過ぎたが、如何に2009年産が2008年産よりも勝れているかを如実に語っていた。そしてそれを奥さんにも認めさせた。レムべルガーも悪くはないが、この程度ならヴュルテンブルクにもないことはなく、醸造所にとっては銭函的存在なのだろう。さて、お目当てのピノノワール、甘みの多いそれ以外のあとに飲むと厳しさがあるが、2008年のどうしようもない硬さのそれとは全く違って、気持ちよく幾らでも飲める気がつくとアルコール13%がボディーブローのように来るワインとなっている。d0127795_38922.jpg

なるほど2008年産と比べると明らかに酸が効いているのでアプリコットやカシス系の味につながる糖も残してあるが、そこにミント系の味とハーブが強く押し出されるので、安物シュペートブルグンダーと一線を隔している。早速、裏山に上って地所や土壌を確認に行った。

流石に、ドイツで最も有名な1895年から稼動するセメント工場があるだけに、その地所は固まっている所はコンクリートの如く硬く、濡れている所は細かからドロがとても滑りやすい極端な土壌である。石灰の含有量は知らないが、貝殻石灰交じりの黄土である。フランスのそれを思い浮かべても不思議ではなく、ブルグンダーのそれはやはり良い。

昨晩に引き続き考えれば、如何にリースリングが種の主張の強い難しい品種であり、手軽に本当に勝れたワインがなかなか当たらないことも不思議ではない。ゲテモノのリースリングを十本飲むぐらいならば、シャルドネを一本飲んだ方が簡単にワイン通になれる。同じように、少々の価格でピノノワールのまともなものは当たらない。しかし、ここにスーパー価格でブルゴーニュの十倍ほどするピノノワールの品質が楽しめるのである。d0127795_385748.jpg
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by pfaelzerwein | 2011-01-30 03:10 | 試飲百景 | Trackback

吃驚仰天リオハで復活祭

復活祭は赤ワインを飲んだ。三本も立て続けに空けたのは初めてである。実は珍しく体が冷えた感じが強かったからである。今まで経験した事のなかったような血管が収縮する感じの血の道症である。一本目のオェールベルクは、2005年産で少々頭にきたので、翌日も残っていたのだが更に運動後にステーキをやりながらリオハを開けようと思った。

実は1997年産でお土産に貰ってからも十年ほど経っていたので、既に飲み頃を逃したと放って置いたのだ。丁度ダイエットを始めてBSE騒動から牛肉を押さえていた時期だったので、この如何にも牛に合いそうなこのスペインの赤ワインを開け損なっていたのだ。既に2004年には飲み頃から外されていた。

それでもリオハとしてはその辺りのスーパー売りとはちょっと違うと感じていたので大切に寝かしておいた。さて、開けてみて驚きであった。先ずは、リオハがこれほど繊細な赤ワインとは思わなかった。仕事帰りに空港で薦められて買ってきて呉れたようだが、本人も ― 彼はここでも登場したフォン・バッサーマン・ヨルダン醸造所のキーゼルベルクの良さを我々に再確認させてくれた張本人である ― タンニンが良く効いている血の滴るワインと了解していた。

それがどうだろう。寝かせすぎたのかタンニンはすっかり落ちているのだが、それに代わる綺麗な酸があって、薬草の繊細な香りが最高級シェリーの味の上に拡がるのである。澱も十分にあったが、それ以上にシェリー樽で熟成させたウイスキー的な透明感は凄かった。

ヴァロリアと呼ばれる屋号にもなっている地所は一ヘクタールしかないので、全部で25ヘクタール十三万本要するに平均39ヘクトリッターの収穫量となるなかでも、アルコール12.5%として十分に価値があった。

もちろん葡萄の品種はテムプラニッロを中心にキュヴェーとなっているのだが、謂わば土臭いボルドーのそれに比べてミネラル感の細やかさが、またブルゴーニュのピノノワールの難しさに比べて味の細やかさが利点になっている。立派なつくり方さえしていれば、両方のトップワインにも匹敵する以上のポピュラリティーがあるのでは無いかと思われる。是非旅行の節には探してみたいワインである。

前日のシュペートブルグンダーを肉にぶっかけて、この素晴らしいワインを飲んで、早速贈答してくれた本人に電話を掛けた。ワイン選びなどは、それも知らない土地の知らないワインを空港で試飲もなしに選ぶのは至難の技であるが、なんとなく感が働くのであろう。伊達にドイツの醸造所で試飲をしていない腕には感服した。それも情報通となると1997年などは普通ならば選び難いのだが、そうした情報に飢えていないから余計に良いものが手に入ったと言うこともあるかもしれない。

明くる日は、サンテミリオンの1998年産を飲んだが、開けて直ぐにはやはり広がって来ないので、それなりの準備をする必要がある。明くる日になって拡がったのを楽しんだが、リオハも明くる日になっても少しも崩れていなかった。ボディー感は細身でコンパクトなスペイン女性を想像させるが、なんと素晴らしい赤ワインであったことか。



参照:
試飲百景-深い香りの中で 2005-03-02 | 試飲百景
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by pfaelzerwein | 2010-04-09 02:41 | ワイン | Trackback

鹿肉を食らって朝の二時まで遊ぶ

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木曜日の夜はお呼ばれであった。猪肉か、鹿肉かと尋ねられると、後者と即答える。前者の肉も嫌いではないが後者となるとレストランでも必ず見つかる訳では無い、特に家庭ではあまりありつけない。もちろん家庭でとなるから、ワイン選びが余計楽しくなる。やはり前者の肉よりは特徴が明確である。

その特徴とは獣臭さ以上の苦味やヤニのような香ばしさであって、それだけ挙げれば如何にピノノワールの選択に力が入るかが分かるであろう。

あとから知ったのだが、スーパーでも最後の一つが底に残っていたぐらいで殆ど季節終了だったようである。そのお蔭でフィレ肉が楽しめた。肉の部所が良かったので、ソースで中まで色がつかずに白い色が美しかった。

さてワインは、ベルクシュトラーセのヴァインハイムの近くでお呼ばれであったので、いつも探し続けている嘗て楽しんだあの地方のシュペートブルグンダーの一つとして友人から推薦を受けていたゼーガー醸造所へと出かける。

前日の夜中は吹雪で荒れて、訪問も危ないかと思ったが比較的穏やかな日となった。ハイデルベルクの南にあるヴィースロッホは、自宅から見るとオーデンヴァルトの山が低くなる場所にある幾らかは馴染みのある土地であるが、醸造所に近づくにつれてハイデルベルクのセメント工場などがあって不安になるのである。そこで、試飲をして、お土産に二本、食事に一本を三種類調達した。

食事に選んだのは最も単純な2008年産で早飲みなのだが、それにしてはタンニンも強く結構手強いワインであった。黄土の変哲無い土壌からの葡萄でステンレスで作っている割りに結構良いのである。単品で飲んでいては辛いが鹿の肉の特徴に合わせると最高に繊細さも際立って強さもあり素晴らしかった。あの価格であれほどのワインならば国際競争力満点である。

食事前にMP3プレーヤーのPC接続などを手伝って、自らもはじめてそのような物を手に取って学んだ。印象は小さくて使い辛いというだけだろうか。所詮必要無い。扱い難いウインドウーズヴィスタを夜中過ぎまでいじって帰ってきたら朝の二時であった。



参照:
鹿フィレ肉のクリーミーな香り 2004-11-25 | 料理
ドナウエッシンゲン 2004-11-25 | 料理
豪快に飲みたい赤ワイン 2008-06-28 | ワイン
猪の思い出あれこれ 2006-02-08 | 雑感
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by pfaelzerwein | 2010-01-30 04:26 | 料理 | Trackback

アスパラガス牛ステーキ

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アスパラガスの残りをロースステーキに合わせた。皮を剥いて細切りして、肉汁で炒めて、茹で汁で少し煮て、ミルクを加えただけであるが、かりかりとしてなかなか良かった。次ぎはもう少し上手く出来るだろう。

ワインは、A・クリストマン醸造所の上から三番目、下から二番目のSCと呼ばれるピノノワールである。2007年産の独特のドイツのシュペートブルグンダーには珍しい獣臭さというか独特のバリック風味があるようで、白ワインのニュートラルな味覚に比べて個性が強い。

リースリングとシュペートブルグンダーではヴィンテージによる個性の出方が可也違うのは当然として、2007年産は大変面白いピノノワールの年度であって、2003年のゴージャースな年、2005年のバランスに対して熟成の仕方はどうなるのだろう。現時点では、寝かしてみたいシュペートブルグンダーである。
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by pfaelzerwein | 2009-05-04 02:50 | 料理 | Trackback

石が溜まるような低い外気温

クリスマス以降気になっていた赤ワインを取りに行った。A・クリストマン醸造所のシュペートブルグンダーSC2007である。秋口に買ったその下のクラスのシュペートブルグンダーが、若いわりに、フォン・バッサーマンのピノノワールとも共通する獣臭さに近い香味があり、例年のものよりも面白いと感じたので、上のクラスも見逃せないと思った。

さて、その時以来の訪問で、今は仕事が少なくひっそりとしている。いつものように先代にご挨拶して、新しい試飲室の方へと向う。

先ずは、最近話題としている2007年産のキャビネットクラスの酸の落ち方と弱り方を調べるために、お気に入りのオルツヴァイン・ギメルディンゲンを試す。流石に、ビオデュナーミックのおかげというよりも収穫量を落としてあるからか、天然酵母を使っているからか色合いも強かった分だけ味があり、何時もは批判点となる面がこの考察においては有利に働いている。まあ、一本九ユーロを計上しているワインであるから当然と言えば当然なのである。

それでも酸が丸くなっていて、昨年の黄色い果実が弾け弾けた感じはなくて通常のリースリングとなって来ている。酸が丸くなってきていることは周知されていて、やはり2007年産の系年変化の特徴であることがここでも確かめられる。2007年産の収穫は、葡萄の熟成の十分で無い時から過熟成までの幅が大きく、今後市場に出るリースリングにおいてもクラスが高いものは今後も末長く素晴らしいが、下位のものは特別に良くはないだろう。2007年にしてはじめて新しいVDP格付けの実力差が如実に出たに違いない。

これは、2008年産において更に手間暇掛けた清澄感の差として表れる予想で、上位のクラスを十分に供給できる大手の醸造所が世界市場にて生き残っていくのだろう。アダム・オペル程度ではどうしようもない自動車産業とどこか似ている。

そして2008年産の場合、外気温が低い事からゆっくりと樽にて熟成されている意味ある別な視点を聞き及んだ。つまり低温の中で瓶詰めすると直にヴァインシュタインが沈殿してしまうと言うのである。それを避けるために薬品を塗布しないバイオ意識の高い醸造所では、新しい瓶詰め直後のワインとしては決して見た目の良く無いそれを避けるために、瓶詰めを見合わせているというのはまさに現場の思考形態である。醸造所内でも地上からみれば一寸でも長く樽で熟成させるので旨くなると言う視点との相違なのである。

さてお目当てのSCピノノワールは、やはり一種の獣臭さのようなものがあり、2003年度ものに続いて興味あるピノノワールであるように思う。現時点ではバリックの木の臭さがあるというが、それも蔵の中からの声である。そのバリック樽は七割方は複数年度で、三割方が新しいものが使われているようだ。更に寝かすオェールベルクなどは完全なバリックであるからそれが消えるまでに数年寝かしていることになる。

その寝かしている2005年も瓶詰めされていて試す。なるほどその地所らしく濃くが強く、なんと言ってもそのタンニンの強さが特徴である。恐らく2007年産の方が興味深いが、2005年産のこれを何本買うかは熟考が必要である。もう少し寝かしてみたいピノノワールである。ただ味の面白さはやはり2007年産だろう。

2008年産が例年に比べ色も強く香味が強いのはリースリングやピノブランなどでも確認されているので、シュペートブルグンダーも楽しみである。ドイツの赤は、2003年に飛躍の年を迎え、2005年で再びその継続を示したが、2007年も一寸面白さが加わり、もう一息で新たな飛躍も期待出来る。



追記:重要な質問事項であった嘗てのシュペートブルグンダーSCにあったムスバッハーの地所エーゼルスハウトの表示は、実態はカペーレンベルクを混ぜていたようで実際にはそのコンセプトは変わっていないと言う。つまり、何時ものようにマニアの緑家さんの感想などを読んでいると、2002年の同じ商品の写真の見た目の色も濃くてやはりどこか違うと言う印象である。やはり飛躍の年の前の出来事か?現在は大分繊細さに長けているのである。



参照:
ゲマインシャフトの人種 2008-09-25 | 生活
カテキン豊富に大満足 2008-12-25 | 試飲百景
疎まれるようでありたい 2009-02-20 | 試飲百景
フリッツ・ハークのグーツワインと雑学!の巻 (テンカワのワイン日記)
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by pfaelzerwein | 2009-02-22 06:03 | 試飲百景 | Trackback

豪快に飲みたい赤ワイン

デキャンタについての私見をコメント欄で尋ねられた。早速、「シュペートブルグンダー」と「デキャンタ」でこのBLOG内を検索したが明白な回答はなかった。

あまりに壊れ易いようなピノ・ノワールなどは控えた方が良いのかも知れないが、ボルドーやドイツのシュペートブルグンダーはコルクを抜いてからの開くまでが、なかなか時間が掛かるので、綺麗なグラスに移しかえることが多い。

ドイツワインは澱取りのために瓶の底が窪んでいないから安物ワインなどと言うデマも日本などではまことしやかに流れているが、澱の問題を大事に扱うのはフランスの特徴らしいと、シャドネーの試飲の時に思った。

その反対にリースリングの酒石は、無知から不良品として扱われるらしいが、最近は近代的な折引きのためか酒石は珍しくなってきている。

しかし、リースリングに澱は無いというもののエアーリングにはデキャンタを使うと一本のワインの最初から楽しめる事には間違いない。同じ理由から、上等のシュペートブルグンダーは是非デキャンターしたい。エアーリング自体も蔵から出してきた後では温度調整にもなっている。室内温度がやはり良い。

元々ドイツのそれはフランスのピノノワールに比べて堅いので、移しかえる事で大分柔らかくなり、香りも楽しめる。逆にデキャンターして楽しめないようなワインには碌なものは無いのではないだろうか。

またデキャンターして問題となるような脆いシュペートブルグンダーにはお目に掛かった事もない。ドイツのシュペートブルグンダーは鹿肉などに豪快に飲みたいものである。

食事に負けない味の強い美味いピノノワールとして、ドイツのそれの価値があるのだろう。
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by pfaelzerwein | 2008-06-28 02:48 | ワイン | Trackback

場所を定める比較対照

d0127795_54211.jpg歩いたワインの地所の印象を残しながら赤ワインを試飲する。ピノノワールもしくはシュペートブルグンダーは赤ワインとは言いながら土壌の味が最もワインに出易い。

既に書いたようにオーデンヴァルトの盛り上がりは、貝殻層に砂や泥のローム層が乗っていて、ワイン土壌としては一般的にはつまらない。ダルムシュタット周辺では火山性の隆起もあるようだが基本的には、石灰質が上に出るぐらいの単調な土壌である。

そのような理由からシュペートブルグンダーは、リースリングとも代わり映えしないが、それはそれなりに特徴がある。推測するに砂地層がこの葡萄の生育に寄与しているものが多いのだろう。

細かくは確認出来なかったがセントゲリヒトの斜面の中には乾いて白っぽい珪素の比較的多い土壌が乗っている場所もあり、こうした土壌がベルクシュトラーセに散在する限り同様な特徴を持つ赤ワインが期待出来るのである。

今回開けた2005年産のシュペートブルグンダーは、少量の飲料でも腸が痺れる程のタンニンが強く利いているが、アルコール臭さにベリーの香りが旨く隠れていて、甘さを全く感じさせないのが良い。

実はこれを書きながら同じ地所のリースリング・キャビネットを開けた。それについては改めて記すとしても、やはり土壌の味が顕著にそして微細に出るのはリースリングワインであり、その味を参考にして再びピノノワールを吟味するとその特徴が浮かび上がってくる。

要約すると、ミネラル質の味のきらめきが薄い分、果実風味などがそれに変わって表に出てくるとどうしても甘みを感じるのだが、これらのワインにはそうした柔な味はなくて、あくまでも土壌の味が深く潜んでいるのである。

その味は、モーゼルのスレートでもラインガウの花崗岩質でも、ナーへの火山性でもプファルツの雑食砂岩でもないどんよりとした灰色っぽい味なのである。それでも最も一番近いのは、ラインガウだろうか。

翌日になって、古くなったバナナの香りが出てくる一方、新鮮な香りが消えると、些かとっつきが悪く仏頂面のワインとなる。これに更に旨味をつけるとザクセン地方のシュペートブルグンダーにも似ている。

だから、このシュペートブルグンダーは、味の強い鹿料理やイノシシ料理にはもってこいであり、肉の苦味をすっきり消してくれるのである。バーデン地方のカイザーシュテュールの火山性の土壌の赤ワインも捨てがたいが、食事をもっとも楽しませてくれて、赤ワイン独特の胸が一杯になるような重さを感じさせず且つタンニン豊富で深みのあるベルクシュトラーセのシュペートレーゼは最もブルゴーニュに近い食事に嬉しいドイツの赤ワインではないかと考えている。



参照:
裏町のパブリックな対応 [ 試飲百景 ] / 2008-02-18
西日のあたる森の開花 [ 暦 ] / 2008-02-19
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by pfaelzerwein | 2008-02-22 05:05 | ワイン | Trackback