タグ:ピノノワール ( 12 ) タグの人気記事

いつも瓶熟成を待ちながら

ピノノワールの2007年産を開けた。上位の価格帯のようにロマネコンティー周辺の本物のブルゴーニュではなく、ボーヌの外れの地域のオー・コート・デュボーヌなのでボーヌのそれとも大分違うが、少なくとも2007年産の特徴の一端だけは把握できた。

サンジョージにあるドメーヌ・アントニ・ロデのシャトー・メルクリで瓶詰めされていて、その意味からはある程度はスタンダードなブルゴーニュである。価格も8ユーロほどと必ずしも安くは無いが高くも無いので、駄目はもともとでUマルシェで購入したものである。

その栽培地域の特徴から色も薄く、アルコールも11.5%と薄旨系のピノノワールであるが、あえて言えば酸が効いている分同じ程度の同じ傾向のシュペートブルグンダーよりは特徴があるのだろう。しかしその酸の出方はまるで北方の赤ワインのようで、ドイツのそれと間違えるほどである。

要するにブルゴーニュの天候はそれほどドイツワイン街道などと変わらないということかもしれないが、反面2007年産の高級シュペートブルグンダーに特徴的な獣臭さが無いのが理解できない。考えられるのは、その程度のピノノワールではあまりテロワールや年度の特徴が表れないような醸造技法を用いていて、寧ろドイツの醸造所の方がその与えられた葡萄の中で精一杯の特徴を出そうとしているのかもしれない。

6ユーロ以下のピノノワールでは明らかにブルゴーニュに軍配を上げるが、8ユーロ周辺の価格帯となると、高級シュペートブルグンダーを排出しているゼーガーなどのスタンダード商品の方が遥かに品質や風味とも上である。その理由は簡単で、生産量がブルゴーニュの大量生産とは比較できないほど少ないからである。勿論そうなると、両地域の近くに住んでいない限りその差異を確認するのは門外漢には不可能となるである。

2009年産が双方ともある一定程度以上であるのは確認できているが、シュペートブルグンダーとして上質なモスバッハーのそれとその半額ほどのブルゴーニュを比較した場合、後者のタンニンの出し方など技の優れ方を確認した。

2011年産は現在のところ上位の商品は出ていないが、来年ぐらいになると徐々にエセゾなどの商品が棚に並ぶので、30ユーロほどと些か高価であるが試してみたいと思っている。本格的にブルゴーニュに買い付けに行く心算で何年も経過しているが、先ずは市場に出ている商品を色々飲んでみて焦点を絞るにフランスのスパーマーケット市場の商品は決して悪くは無いと気がついた次第である。

先日、ダイデスハイムのランゲンモルゲンの2011年度産を再び開けた。瓶詰め後数ヶ月以上経って漸く飲めるようになってきた。明らかに2009年産よりは繊細で、2008年の酸の押しの強さも無いが、2007年産には及ばない。なによりも酸がもう一つなので、あまり長持ちは期待できないだけでなく、ある程度熟成が始まらないと旨みが出ない。あまり熟成させると苦味に傾くことが2006年産にはあったが、それに比較すると健康でありミネラルが綺麗に出ているので、瓶詰め後二年までに頂点を迎えそうである。決して悪くは無かった



参照:
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by pfaelzerwein | 2012-10-31 22:35 | ワイン | Trackback

牛フィレの赤い香ばしさ

木曜日にフィレステーキを食した。偶々肉屋に最後の一切れが残っていたので購入したのだ。平素は価格も高めで量を食べられないことからフィレを買うことは少ないのだが、その晩は少なく良質のものを食したかったのである。

ワインはピノノワールを考えていた。選んだのは2007年産クリストマン醸造所のシュペートブルグンダーSCである。これはカペーレンベルクなどのギメルデリンゲンのマンデルガルテン上部の土地のものでデリケートな味筋のものである。

2007年産を選んだのは、並ぶ2003年産や2005年産よりも前に開けてしまいたい年度であり、上位のオェールベルクの前に試したかったものである。要するに薄造りのピノノワールなのでそろそろと思ったのである。

2007年産は良年のうちには入るが、どちらかと言えば獣臭や毛皮臭が特徴で森の獣肉以外には合わせにくい。しかし、このSCはやさしいのでフィレに開けたのである。

結果は予想以上にハーブ香などに変わっていて完全に飲み頃となっていた。それを示すかのようにグラスの縁の色はかなり落ちてしまっていて、正しく空け時だったのである。

牛肉の方は、両面をさっとバターで焦がして、昨年に南フランスから持ち帰ったロズマリンの枝に乗せてオーヴンでホイル焼きにしたのである。これまた大変香ばしく、繊細なピノノワールにベストマッチであった。

最近は飲み代が無いので飲む量を減らしているが、食事とそのワインの質では可也のレヴェルアップが感じられる。それだけ厳選したワインを適時に購入して寝かしていると言うことになる。正しく最大の贅沢は、金銭の額ではなく、ゆとり感であるのだ。因みにフィレは、100グラムほどで6ユーロほどであった。



参照:
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by pfaelzerwein | 2012-02-20 01:30 | 料理 | Trackback

麗しのブルゴーニュ、待っててよ!

d0127795_482467.jpgスーパーの奉仕品であるピノノワールをゆっくり試した。2007年産のブルゴーニュのアペラシオン・コントロールであるからそれなりに期待した。

一般的にACブルゴーニュのピノノワールの価格帯は5ユーロから13ユーロぐらいまでのようで、ブルゴーニュ通であるVDP会長のクリストマン氏がVDP加盟醸造所に6ユーロ以下のグーツヴァインを販売させないとする戦略はこの価格帯から来ていると想像される。同じフランスのボルドーがリッター2ユーロの攻防をしている事からすると三倍の価格である。

さて飲んだ印象は、そのこのヴィンテージ特有の色の薄さを裏切らず、殆どボージュレーヌーボーと変わりなかった。タンニンが全く感じられないのは敢えてそうしたワインとして仕上げているとしてもまるでガメー種のような押しの強さが感じられて驚いた。その意味ではテロアールがあまり美しくないかたちで反映されているのは間違いない。

香りや味自体は軽いフットワークでその辺りの上滑り的な印象は、まさにフランス音楽そのものなのだが、アルコール12.5%がそうした押しの強さに結びついているようで解せなかった。明くる日は甘みが出て仕舞い食事にも不味かったが、初日は食事を流しこむワインとして、豚フィレをジャガイモで捲いてある食事にはなかなか良い相性を見せた。

結論からすると、このワインに九ユーロ近く払うワイン通は皆無だと思われる。なるほど、その価格でドイツのシュペートレーゼの良いものを見つけるのは困難であるが、先日購入したゼーガーのそれなどは7ユーロで遥かに上質の本格的なピノノワールであった事を考えると、この手のブルゴーニュワインの価格は正当ではないことが知れる。

ボルドーの三流のシャトーワインの方が価格が高いのは当然で、それよりは大分安い分フランスでもこうしたACブルゴーニュの市場はあるのは間違いない。しかし、ドイツにおいて八ユーロも出せばそこそこの赤ワインがあり、高級リースリングには事欠かないことから、こうしたブルゴーニュの市場は殆どないであろう。寧ろ安いボルドーは価格でやはり市場競争力がある。

これも産地による差はあるのは間違いない。ボーニュ周辺のピノノワールは様々飲んでいるので良く知っているつもりだが、なるほどこのクラスとは比較出来ないとしても基本的にはあまり大したピノノワールは無いと承知している。ACブルゴーニュにおいてももう少しましな土地のものならば楽しめるのかも知れないが、10ユーロ近くも出すならば、ドイツのシュペートブルグンダーでもその市場は厚くなってくるので競争力はあまりないかも知れない。少なくとも価格が下がらない限りこのクラスのブルゴーニュにはあまり食指が動かない。なるほど、手摘みのグーツリースリングの質は、好き嫌いは別にしてアルコールとして比較出来ないほど上質である。d0127795_49811.jpg



参照:
6.99 ユーロの赤い覇権の攻防 2010-03-21 | ワイン
griotteさんとヘレンベルガー・ホーフ試飲会へ (新・緑家のリースリング日記)
ポール・ペルノ ピュリニー モンラッシェ 2007 (ワイン大好き~ラブワインな日々~)
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by pfaelzerwein | 2010-03-26 04:10 | ワイン | Trackback

ハイデルベルクの親方の地所

お土産に持ち帰った鹿のフィレ肉を温めて食した。ワインは、敢えて先日合わせたベルクシュトラーセのものに手を出さず比較のためにギメルディンゲンのクリストマンVDP会長のシュペートブルグンダーSC2005年を開けた。

2005年産は決して飲み頃ではないのだが、2003年に続く良い年でこのクラスのピノノワールでもかなり潜在能力を持っている。印象は一言で言うと、堅さの割りに甘みが気になった。要するにタンニンが柔らかくなっている分ミネラル質の堅さにジャム風の果実風味が乗っている印象は免れない。また獣臭みのようなそれに本当の獣集の鹿肉は余りにもくど過ぎる。そのような印象をもつようになったのもベルクシュトラーセのゼーガー醸造所のワインにその印象が少なかったからである。

セメント工場の横を走りぬけ、正面にワイン地所を見ながら街道筋に開いているの店を訪ねた。赤ワインで大変有名な醸造所である。ヘシッシェ・ベルクシュトラーセのそれは良く知っているのだが、それよりも南のバーディッシェ・ベルクシュトラーセの北端に位置する二キロの間に転々とする地所で高品質のピノノワールを醸造している。

前日の電話に続いて奥さんに一寸したインタヴューをして、リースリングから試飲を始める。この家族経営の小規模醸造所は試飲と称して次から次へとコルクを抜くようなお店では無い ― カードを受けつけないばかりか領収書すら出さない。続いてやって来た街道に逗留中の若夫婦に、「週のうちに開けて、週末に飲みこすことなど出来ないから、合わない」というのである。もしかすると家庭では取っておきのブルゴーニュを飲んでいるのか?それは上のクリストマン会長であった。

驚くべきことに雑食砂岩の地所も上部にちょっと出ているというが、下に行くに従って黄土になる典型的なオーデンヴァルトの土壌である。そして貝殻石灰土壌。先ずはこの三種類で最低の種類の土壌は確保していると言えるだろう。

六ユーロから二十五ユーロに至る五種類のリースリングの中で最も単純なそれは典型的なベルクシュトラーセのそれであるが、州立醸造所の癖のあるテロワーの出し方とは異なる丁寧な作りが一種のエレガントさに繋がっていて、六ユーロならばと思わさせる。しかし、ナーヘのシェーンレーバー醸造所のそれの個性には及ばない。土壌の差異である。

二つ目にヴァイスブルグンダーを試すが、30%-70%の比率で新しいバリック樽を使っているらしい。次ぎのグラウブルグンダーと合わせてなかなか厳しい糖を落とした作りは平野の向こう側のレープホルツ醸造所を髣髴させる。

いよいよその厳しさが炸裂するのは本命のシュペートブルグンダーであるが、単品で飲むとすると2008年産はタンニンも強く口が直に麻痺をしてくる。しかし、そのハーブ香なども夕飯に予定されている鹿との相性がどうしても気になるものであった。そうこうしているうちに若い夫婦連れがやってきたので、此方はせっせと口をシビラセルのだが、奥さんの対応がちょっと違うのに気がついた。

はじめは分からなかったのだが、なるほどと思った。要するに、「ホテルで聞いて」とか言いながら、「クニプサーが」どうだとか如何にも評価本の熱心な信奉者のようである、こうしたお店を訪れる高級なワインスノッブであることが匂ったのだろう ― 私もこの二人に最初からそのように感じたのだがそれはなぜか?。その証拠にちらしにリストアップされている評価本アイヒェルマンの説明を読み出してこれはあるとかないとか言い出したのである。

そのちらしは、私が指定したお土産のプレゼントの箱に私には分からないように隠してあり、もちろん私はそれをこっそっと抜いて自分のために持ち帰った。一体、どこでこの私が前日から血圧を上げながら「評価本などを見て情報などとはなんたる事」と嘆き、怒鳴っていたのを見ていたかのだろう。

それは冗談としても、こちらもある程度経験を積んで発言や行動に無駄がなく結論へと近づく事が出来る訳で、最初から手洗いを借りて、蔵を一見して質問する事がやはり違う。あちらは此方以上に接客のプロであり、乗ってきた車のナンバープレートから前日の話の持って行きかたから何から何まで一瞬で察知するものがあるのだろう。此方は正真正銘のとうしろうなのだが、まさに評価本の隠密のような小喧しい客と思われたのには違いが無い ― VDP内偵、もしくは自称私設秘書の面目躍如である。

なるほど若夫婦への客扱いを見ているとまるで油が指したようにすんなりと上手に勧めているのである。その意味では最後まで鴨扱いされなかったのと同時に警戒感も滲ませていた。

偶々開栓されていた上級のSクラスを試飲出来て、その石灰成分も感じることが出来た。そしてバリックの使い方も自由自在のようで感心した。キュヴェーの女性向き「アンナ」のレンベルガーにもそれは感じられて、クニプサーより上手だと感じさせた。

シュペートブルグンダーのジャム臭さはアールのマイヤーネッケル醸造所などよりもなく、全くああしたものとは違うエレガントさと男っぽさは大したものである。レップレヒト醸造所のそれも先日感心したが、恐らくゼーガー醸造所のシュペートブルグンダーは、アスマンハウゼンの分厚さはないとしても、現時点ではドイツ最上質のものである事は間違いない。まさに、赤ワインにおけるレープホルツだと感じた。ハイデルベルクの地所ヘーレンベルクが必ずしも上級の地所で無いにも拘らずこうした高品質のワインを醸造する腕は大したものである。そして、赤ワインに感じる膨張するような酔い心地がないのが何よりも素晴らしい。スマートなピノノワールである。



参照:
本来はピノ系に強い生産者だそうです。 (saarweineのワインに関してあれこれ)
マヴィのランチでお口直し (新・緑家のリースリング日記)
鹿肉を食らって朝の二時まで遊ぶ 2010-01-30 | 料理
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by pfaelzerwein | 2010-02-01 01:27 | 試飲百景 | Trackback

イヴェントとなった猪肉

猪肉を食した。モーゼルの支流であるルーヴァーの猪である。しこたま葡萄を摘んでいるのか白肉菜食っぽい肉質であった。それでも赤ワインを合わせた。

小さな三つのステーキ肉はなかなか良い場所だったようで臭みも殆どなく、七面鳥のような按配でとても美味かった。

ワインの方は、蔵出しの2004年産のピノノワールであったが、タンニンも柔らかく効いていて食事にはとてもよく、品質も高かった。

やはり旅のメインイヴェントの一つはその土地の食事であると納得するのであった。
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by pfaelzerwein | 2009-09-23 03:51 | 料理 | Trackback

アスパラガス牛ステーキ

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アスパラガスの残りをロースステーキに合わせた。皮を剥いて細切りして、肉汁で炒めて、茹で汁で少し煮て、ミルクを加えただけであるが、かりかりとしてなかなか良かった。次ぎはもう少し上手く出来るだろう。

ワインは、A・クリストマン醸造所の上から三番目、下から二番目のSCと呼ばれるピノノワールである。2007年産の独特のドイツのシュペートブルグンダーには珍しい獣臭さというか独特のバリック風味があるようで、白ワインのニュートラルな味覚に比べて個性が強い。

リースリングとシュペートブルグンダーではヴィンテージによる個性の出方が可也違うのは当然として、2007年産は大変面白いピノノワールの年度であって、2003年のゴージャースな年、2005年のバランスに対して熟成の仕方はどうなるのだろう。現時点では、寝かしてみたいシュペートブルグンダーである。
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by pfaelzerwein | 2009-05-04 02:50 | 料理 | Trackback

石が溜まるような低い外気温

クリスマス以降気になっていた赤ワインを取りに行った。A・クリストマン醸造所のシュペートブルグンダーSC2007である。秋口に買ったその下のクラスのシュペートブルグンダーが、若いわりに、フォン・バッサーマンのピノノワールとも共通する獣臭さに近い香味があり、例年のものよりも面白いと感じたので、上のクラスも見逃せないと思った。

さて、その時以来の訪問で、今は仕事が少なくひっそりとしている。いつものように先代にご挨拶して、新しい試飲室の方へと向う。

先ずは、最近話題としている2007年産のキャビネットクラスの酸の落ち方と弱り方を調べるために、お気に入りのオルツヴァイン・ギメルディンゲンを試す。流石に、ビオデュナーミックのおかげというよりも収穫量を落としてあるからか、天然酵母を使っているからか色合いも強かった分だけ味があり、何時もは批判点となる面がこの考察においては有利に働いている。まあ、一本九ユーロを計上しているワインであるから当然と言えば当然なのである。

それでも酸が丸くなっていて、昨年の黄色い果実が弾け弾けた感じはなくて通常のリースリングとなって来ている。酸が丸くなってきていることは周知されていて、やはり2007年産の系年変化の特徴であることがここでも確かめられる。2007年産の収穫は、葡萄の熟成の十分で無い時から過熟成までの幅が大きく、今後市場に出るリースリングにおいてもクラスが高いものは今後も末長く素晴らしいが、下位のものは特別に良くはないだろう。2007年にしてはじめて新しいVDP格付けの実力差が如実に出たに違いない。

これは、2008年産において更に手間暇掛けた清澄感の差として表れる予想で、上位のクラスを十分に供給できる大手の醸造所が世界市場にて生き残っていくのだろう。アダム・オペル程度ではどうしようもない自動車産業とどこか似ている。

そして2008年産の場合、外気温が低い事からゆっくりと樽にて熟成されている意味ある別な視点を聞き及んだ。つまり低温の中で瓶詰めすると直にヴァインシュタインが沈殿してしまうと言うのである。それを避けるために薬品を塗布しないバイオ意識の高い醸造所では、新しい瓶詰め直後のワインとしては決して見た目の良く無いそれを避けるために、瓶詰めを見合わせているというのはまさに現場の思考形態である。醸造所内でも地上からみれば一寸でも長く樽で熟成させるので旨くなると言う視点との相違なのである。

さてお目当てのSCピノノワールは、やはり一種の獣臭さのようなものがあり、2003年度ものに続いて興味あるピノノワールであるように思う。現時点ではバリックの木の臭さがあるというが、それも蔵の中からの声である。そのバリック樽は七割方は複数年度で、三割方が新しいものが使われているようだ。更に寝かすオェールベルクなどは完全なバリックであるからそれが消えるまでに数年寝かしていることになる。

その寝かしている2005年も瓶詰めされていて試す。なるほどその地所らしく濃くが強く、なんと言ってもそのタンニンの強さが特徴である。恐らく2007年産の方が興味深いが、2005年産のこれを何本買うかは熟考が必要である。もう少し寝かしてみたいピノノワールである。ただ味の面白さはやはり2007年産だろう。

2008年産が例年に比べ色も強く香味が強いのはリースリングやピノブランなどでも確認されているので、シュペートブルグンダーも楽しみである。ドイツの赤は、2003年に飛躍の年を迎え、2005年で再びその継続を示したが、2007年も一寸面白さが加わり、もう一息で新たな飛躍も期待出来る。



追記:重要な質問事項であった嘗てのシュペートブルグンダーSCにあったムスバッハーの地所エーゼルスハウトの表示は、実態はカペーレンベルクを混ぜていたようで実際にはそのコンセプトは変わっていないと言う。つまり、何時ものようにマニアの緑家さんの感想などを読んでいると、2002年の同じ商品の写真の見た目の色も濃くてやはりどこか違うと言う印象である。やはり飛躍の年の前の出来事か?現在は大分繊細さに長けているのである。



参照:
ゲマインシャフトの人種 2008-09-25 | 生活
カテキン豊富に大満足 2008-12-25 | 試飲百景
疎まれるようでありたい 2009-02-20 | 試飲百景
フリッツ・ハークのグーツワインと雑学!の巻 (テンカワのワイン日記)
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by pfaelzerwein | 2009-02-22 06:03 | 試飲百景 | Trackback

出版記念の贈り物

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腎臓の駒切れ料理である。自宅での調理例も一度紹介したが、やはり料理屋でのものを紹介しておこう。価格は決して安くはなくて、8ユーロ以上するが適当に食べ応えがある。カマンベールチーズ丸ママの天ぷらかサラダも候補であったが、久しぶりにこれを食す。もう少し味が沁みこんでいたならば良かったが、小水臭さが十分に吹っ飛んでいたので薄味とは言え食べ易かった。

本日は、友人の出版したガイドブックに一言書かせたので、ピノノワールをプレゼントすべく、散々試飲した。彼には何時も赤ワインなどを山で試飲させて貰うので、これを選んだのである。本当は、クリストマン醸造所のそれを考えていたが、まだ買えなかったことから、ビュルックリン・ヴォルフ醸造所の2006年ものとなった。普通は、Sと呼ばれる特級地所イーディックのものが品質の悪さから全てこれに入っているようだ。つまり、本当ならば26ユーロほど出さなければ口に入らないものが、適当な価格で手に入った。万人が愉しめる赤ワインである。



参照:
ダイナミックな協調作業 [ 試飲百景 ] / 2007-09-15
熟成する力関係の面白味 [ ワイン ] / 2008-05-30
茶室跡に立って物思う [ ワイン ] / 2008-07-06
待てば甘露の日和あり [ ワイン ] / 2008-08-19
ワイン三昧 第二話 '05II [ ワイン ] / 2005-11-04
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by pfaelzerwein | 2008-09-06 06:24 | 料理 | Trackback

待てば甘露の日和あり

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先週は赤ワインを開けたいような涼しい日々であった。久しぶりの牛ステーキに、試飲出来ずに購入したピノノワールを試した。

2005年産のA・クリストマン醸造所のSCと呼ばれる上位から三番目のシュペートブルグンダーのワインである。前回は、厳しい夏であった2003年産を絶賛したが、それに比べると酸が強くてバランスはあまりよくない。一般的に2005年産の赤ワインは評判であるが、このレヴェルのワインでは2003年に劣るかも知れない。格上の2003年産のオェールベルクを思い出すと、これだけの酸味があるならば、よりアルコール度が高い格上のシュペートブルグンダーなら期待出来る。2005年産のオェールベルクに期待しよう。

その次には、同じ醸造所のオルツリースリングと呼ばれる2007年産ギメルディンゲンを豚ステーキに合わせて開けた。これはケーニヒスバッハのイーディックの茶室跡での試飲会で食事に最も楽しめたものである。

なんといっても爽やかな酸味と新鮮な柑橘類の風味が食を進ませた。その風味は十分に高級ワインであるが、その価格の9.20ユーロは決して食事の相伴としては安くない。問題は、このリースリングから繊細な味覚を感じられないことで、そうなると容易に飲める日常消費用のワインとしては高価過ぎるのである。9ユーロを出せば、バッサーマンヨルダンの一級の地所のキーセルベルクなど、どんなに繊細な食事にも合わせる事が出来る素晴らしいワインがある事を考えると、競争力はない。

さて、春にも試して、その節は難かし過ぎる印象を得た2006年産ランゲンモルゲンを再び開けた。これは、その酸のバランスから比較的早飲みが勧められて、実際に前回の印象は旨味があまりにも少なく、香木の味やあまりにも肌理の細かすぎる酸が気難しい印象を与えていた。

それが今回は、香りは殆ど変わらないながら、そこはかとない蜂蜜香がその味にも出てきて、甘露として旨味を付け足してきているのに気がついた。

食事に合わせるとなると、その甘みが邪魔するかもしれないが、ぺパーミントやロズマリンなどの香料がほのかに効いたデリカテッセンがよいかも知れない。

そうなると、今まで気難しさを与えていた複雑なミネラル質と香木の香りがより以上楽しめるのである。それは丁度、お汁粉に塩をいれると甘さが増すようなものなのである。

今までの時点で、2006年産リースリングの内で最高の品質の一つであると感じた。そして、三か月の内にこれだけ評価が変わるリースリングであるからこそ、試飲の時にその品質確信を持てれば、最低六本は購入する必要がある事がこれで判るだろう。



参照:
ランゲンモルゲンとはこれ如何に (新・緑家のリースリング日記)
ドイツ旅行記2008年5月 (DTDな日々)
たとえ試飲が出来なくとも [ 試飲百景 ] / 2008-07-22
気付薬は廉い方が良い? [ ワイン ] / 2007-08-13
ワイン三昧 第一話 '05II [ ワイン ] / 2005-11-08
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by pfaelzerwein | 2008-08-19 03:59 | ワイン | Trackback

豪快に飲みたい赤ワイン

デキャンタについての私見をコメント欄で尋ねられた。早速、「シュペートブルグンダー」と「デキャンタ」でこのBLOG内を検索したが明白な回答はなかった。

あまりに壊れ易いようなピノ・ノワールなどは控えた方が良いのかも知れないが、ボルドーやドイツのシュペートブルグンダーはコルクを抜いてからの開くまでが、なかなか時間が掛かるので、綺麗なグラスに移しかえることが多い。

ドイツワインは澱取りのために瓶の底が窪んでいないから安物ワインなどと言うデマも日本などではまことしやかに流れているが、澱の問題を大事に扱うのはフランスの特徴らしいと、シャドネーの試飲の時に思った。

その反対にリースリングの酒石は、無知から不良品として扱われるらしいが、最近は近代的な折引きのためか酒石は珍しくなってきている。

しかし、リースリングに澱は無いというもののエアーリングにはデキャンタを使うと一本のワインの最初から楽しめる事には間違いない。同じ理由から、上等のシュペートブルグンダーは是非デキャンターしたい。エアーリング自体も蔵から出してきた後では温度調整にもなっている。室内温度がやはり良い。

元々ドイツのそれはフランスのピノノワールに比べて堅いので、移しかえる事で大分柔らかくなり、香りも楽しめる。逆にデキャンターして楽しめないようなワインには碌なものは無いのではないだろうか。

またデキャンターして問題となるような脆いシュペートブルグンダーにはお目に掛かった事もない。ドイツのシュペートブルグンダーは鹿肉などに豪快に飲みたいものである。

食事に負けない味の強い美味いピノノワールとして、ドイツのそれの価値があるのだろう。
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by pfaelzerwein | 2008-06-28 02:48 | ワイン | Trackback