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素晴らしい変わり者の味

金曜日はレープホルツ醸造所の試飲会であった。いつもの裏口のドアを開けようとすると娘さんが出てきた。「裏から失礼するよ」、通うようになってまだ六年ぐらいにしかならないが、流石に馴染み客になってきた。

冬に来た時には、2013年の収穫の問題を旦那に話すと、「全然問題なんかじゃないんだ」と、結構むきになっていたのだ。さて、試飲を始めよう。

リストも事前に送られて来ていないので、葡萄が足りずに大分葡萄を他所から調達したのではないかと言う怪訝があったので、ジルファーナーから慎重に試飲した。甘さが落ちた分苦味が強いかと思ったが、酸が効いていて比較的良かった。

さてグーツリースリングだ。思った以上にしっかりした味がしていて、ミネラルの表現は無くとも飲み甲斐のあるリースリングとなっている。不思議に思って尋ねると、全て自分の葡萄のようで、その分昨年はあったオルツヴァインの一部が無くなっているのだ。

結局リースリングは、グーツリースリング、オェコノミラート、フォム・ブントザントシュタイン、フォム・ムシャルカルク、ガンツホルン、イム・ゾンネンシャイン、カスタニアンブッシュの甘口二種となっている。腐りが酷かったのだろう、2006年を髣髴させる。

さて、注目のオェコノミラートを口に含むと、その活き活きとした酸が嬉しかった。試飲しても美味しくないこのリースリングが我が家のスタンダードワインとなって久しいが、出かける前に試飲しても美味しくないワインを買う因果であり、もし不作で質が落ちていたらと躊躇していたぐらいだ。それがどうだろう、初めから良いではないか。これだけ良かった年度は2007年以降無かっただろう。ヴィルヘルム・ヴァイルが語るように「最初から美味くて末永く楽しめる2013年産」となる。

同じように上位のフォム・ブントザンドシュタインの出来はなんということだろう。開いているではないか。問題は価格である。17.50ユーロはこの早い時期に空けてしまうワインとしては高価過ぎる。

ムッシャルカルクはあまり特別な印象は感じなかった。必ずしも悪いわけではないだろうが、酸がそれほど生きた感じがしないのは石灰土壌だから仕方がないのか。

要するに、ビルクヴァイラーの北側斜面は厳しかったことになるが、対向する南に向いたゾンネンシャインの空気は腐りを避けれたのだろう。

その他ではムスカテラーが素晴らしかったが、料理などを考えると手が出ない。ゲヴュルツトラミナーは若干残糖を感じさせて、ソーヴィニオンブランも例年より優れているとは思われない。グラウブルグンダーに酸が効いているので良いと思ったが、ヴァイスブルグンダーよりは価値があっても態々購入する動機とはならなかった。毎年のことである。

日本人らしき人たちを見かけたが、お待ちかねの17時から始まるレープホルツの講話が始まる前に立ち去ったので声を掛ける機会もなかった。今回は、2013ロゼーに始まり、2010ムスカテラーと2013が比較され、同じような酸の傾向で三年後にも楽しめると言うことだった。1990ゲヴュルツトラミナーが続き、2013と2004グラウブルグンダーの垂直試飲。そこで氏の愛する2008フォム・ブントシュタインが示されるが、正直私が飲み干したときよりも落ちていた。最後の2013のそれも二年後の方が期待できるのだ。

日本の駐在風の人々は恐らくリースリングでなく、ブルグンダーを選択したと想像する。この醸造所の特徴が分れば講話前に立ち去ることなど不可能だ。この変わり者の醸造所に付き合うにはそれなりの覚悟が必要なのだ。

結局、ガンツホルンと無くなるといけないフォム・ブントシュタインを予約して、いつものオェコノミラートを購入する。このリースリングの傷はアルコールが11度しかないことで、娘曰くサマーワインとなるのだ。娘さんに「親父さんがむきになってね」と話しておいたそのご本人に「2013年産、満足だ」というと「ワインが一寸分っている人は気に入る筈だ」と強い握手を交わしたのだった。やはりレープホルツの親爺は変わり者だ。それと強い握手する私も変わり者に違いない。



参照:
質の独、量の仏の13年 2013-11-22 | ワイン
忙しかった週末を回想 2013-05-14 | 試飲百景
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by pfaelzerwein | 2014-06-02 00:53 | 試飲百景 | Trackback

とんでもないミクロな話

レープホルツ醸造所の箱に入っている口上書きを改めて読む。以前にも取り上げたかもしれないが、今回は今年分の成分表にも目が行った。そして何よりも先日訪問した際に日本から訪問中のSaar Weineさんが、元ワイン女王の奥さんに語った内容を思わず反芻した。そのワインを味わうようにである。

と言うのは、父親のレープホルツメモについては何度も触れている当代のレープホルツVDP支部長であるが、思いがけずにここでは先々代のおじいさんの事に触れている。つまり、先祖代々の名前が示すとおりのワイン農家と言うだけでなく、おじいさんはテロワーを重要視したという効能書きである。

もちろん現在のVDPが押ししすめているブルゴーニュ風のそれを意味するのか実際は少し違うのかは判断がつきかねる。しかし、再生産の金太郎飴のようなものでなくて毎年葡萄が違うように、その土地によっても違うそれを決して平均化しないというのがモットーだったと言うのである。

その一部は、たとえば今でもVDP以外の醸造所が当然のごとく行っているような減酸やもしくは加酸、そして加糖という手を加えずにとことんアルコール化してとうを出来る限り残さないことがそれだと言うのは、必ずしも作り話とは言えず、それ以前から自然なワインとしてドイツのリースリング造りがあったことは私自身も何度も遭遇している。いわゆるビールにおける自然ビールに代表されるドイツ文化の純粋主義の一つの現れとしてである。

しかしその反面、レープホルツ醸造所の限られた地所において、それほどまでにテロワーを出せる可能性が現在のようにあったとは思えないのも事実である。なるほど1970年のワイン法の改悪以前は細かな地所に区割りされていたのも事実であろう。しかしである、そのテロワーの差異は他の大手醸造所のそれと比べて如何にもミクロでの話しなのである。

そしてそのミクロな世界がなぜか北米の物書きによって1949年とかのミュラー何某のトロッケン・ベーレン・アウスレーゼとして極東の全くワインとは無関係な日本人によって語られるのだ。如何にも情報の輪というものを感じさせる。そして、その彼が購入する銀座の高級なワイン販売店が、ミュラー何某さんをレープホルツ醸造所で栽培しなくなるまで日本市場に紹介していたというから面白い。私などはこの醸造所に顔を出すようになったのは最近ことだからミュラー何某さんが醸造されている記憶もなかったのは当然かもしれない。反対に、それ以前のこの醸造所とそれ以降では如何にその市場やワインの質が変わってきたかということでしかないだろう。少なくとも私が顔を出すような醸造所は急上昇することはあっても顔を出さなくなるまではその質において上昇傾向にある醸造所に違いないのである。

因みに、この血も涙もないほどの辛口の雑食砂岩ワイン2012年産「エコノミーラート」の分析票を紹介する。

エクスレ糖比重88、アルコール12%、残酸7.9G、残糖 0.4G



参照:
クローンはピノノワール 2013-06-23 | 試飲百景
忙しかった週末を回想 2013-05-14 | 試飲百景
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by pfaelzerwein | 2013-06-29 20:31 | アウトドーア・環境 | Trackback

十ユーロ越えのテロワール

地元のワインを試飲した。2012年物である。ブュルクリン・ヴォルフ醸造所のグーツリースリングは、残念ながら甘い、なるほど12.5%の高いアルコールとの調和と言う意味では良いのかもしれないが、あまり熟れていない酸との均衡でやや荒が見える。この醸造所のリースリングが悪く批評されるときの典型である。PCや上級のワインならば経年変化を考えた醸造と言えるのだが、この程度では致し方ない。勿論、この程度のワインでもレープホルツ醸造所のラーゲヴァインの五年後よりも新鮮に飲めるかもしれないのだが、最初から最後まで冴えないワインを取っておいても仕方ないだろう。

新鮮なワインを果実風味豊かに気軽に飲むには、同じ価格帯で隣町のフォルストにあるゲオルク・モスバッハー醸造所のそれの方が遥かに気持ちが良いだろう。しかし、その上のオルツリースリングクラスになると若干事情は変わってくる。つまり、天然酵母が醸し出すそのテロワールは培養酵母ではなかなか綺麗に醸し出されないものだからである。

その意味からは若干チグハグさがあってもヴァッヘンハイマーリースリングは例年通り悪くはない。そして二年ぐらいかけて綺麗に瓶熟成してくれることは間違いないのである。しかし、二年の瓶熟成よりも新鮮な果実味風味豊かなリースリングの方が良いという人も多いのは間違いない。この辺りが高級ワイン指向とそうでない人の大きな分かれ道である。

私などがこのヴァッヘンハイマーを飲むとはっきりとその耕地場所により、セパージュの割合までがなんとなく分かってくるのである。典型的なケーニッヒスヴィンゲルトの少し苦味のあるようなミネラル風味やルーギンスラントのそれが両方同時に楽しめるのである。しかしそれをほかの人に分かってもらおうと思うと各々の典型的なワインと直接比べて貰わないといけないだろう。それも面白そうだとは思うので、フランス遠征には考えてみよう。

更に傾向の違うルッパーツブルクのオルツリースリングを比べると、いよいよライナップの幅が見えてくるのである。これはVDPのどこの醸造所もやっているような二系統の対抗軸を示すことでテロワーを良く分かって貰おうという手法であるが、そもそもそのような土壌を所有していないことには話にならない。それでも、土壌の重い軽いだけでこのような差は誰の口にも明らかになるので、それほど難しいことではない。

とは言っても下位のクラスであるオルツリースリングでこれだけのテロワーを表現しているのが実力そのものだろう。それに比較するとレープホルツでは今年からできたオルツリースリングではまだ頼りない。矢張りその上のPCクラスを待たなければいけない。そしてそれは二年ぐらい熟成しないと本当の味は全然出てこないのである。同じようにシェーンレバー醸造所においても分かれていてもテロワーとして楽しめるのはPCクラス以上となる。結論は、価格である定価10ユーロ以下では難しいということになる。それからするとロベルト・ヴァイルは高すぎる。

総じて、2012年は悪くはないが良い地域とそれほどでもない地域の両極端になりそうだ。そして熟成度は高いのでアルコール度は十分に高くその点からはお得である。



参照:
忙しかった週末を回想 2013-05-14 | 試飲百景
裸の王様を斜に見ながら 2013-05-05 | 試飲百景
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by pfaelzerwein | 2013-06-07 02:53 | 試飲百景 | Trackback

忙しかった週末を回想

週末は忙しかった。金曜日にはタイヤ交換もあったが、ザールのファン・フォルクセム醸造所からワインが届いていた。そして午後にはレープホルツ醸造所での試飲会であった。ザールのリースリングは、残念ながら一本目はコルクや遣られていて正しい評価は出来なかった。それでも特徴はある程度分かった。それ以上に驚いたの底に溜まっていたヴァインシュタインである。恐らく冷えの影響もあるのだろうが、最後の瓶詰の時にフィルターなどを通していないからだろう。フランスの赤ワインにはよくある話だろうが、新しいリースリングではあまり気が付いたことが無い。

更に瓶詰番号は一番になっていて驚いた。昨年の夏に購入したものは25番だったので、二週目ぐらいだろうが、今回のは他のより単純なワインを差し置いて一番目に出来上がっている。なるほど少し濁酒風で、出来立てのワインの感じである。一度冷蔵庫で冷やした昨年のザールリースリングを再び地下に戻して、その成長を観察することにする。

さてお馴染みのレープホルツ氏の講釈試飲から書くと、何時ものように単純なカビネットを出して、その瓶熟成の可能性が強調される。92年のそれであるが、その講釈とは別に、完全にフィルンであるが、濃く出しているので酢のようになっていないのは確かであり、レープホルツファンには飲めないことは無い。しかし保存する価値などは一切ないのは当然である。2012年のワインで比較的上手くいっていたのはロートリーゲンスのカスタニエンブッシュ系統のものであり、例年のように重くない。そして今年からはSシリーズが無くなってオルツリースリングとして、ブリュクリン・ヴォルフ醸造所の採用したブルゴーニュシステムがVDPの基準となった。

そこでここでも、ビルクヴァイラーと称するものが現れて、三種の土壌のものに先立つ。しかし、この醸造所はPCに匹敵するような名地所が無いために些か並びが悪い。つまり、雑食砂岩は下からグーツリースリング、オェコノミラートと石灰の有る無しで、貝殻石灰有り無しに先立って、ガンツホルン、イム・ゾンネンシュタインへと続く。

一週間前のシェーンレーバー醸造所で見かけたという人と話していたのだが、今年はここでも赤スレート系のものがなぜか上手くいっていて浮き上がっている。なるほど悪くはないのである。しかしそのラインガウからの夫婦に言わせると、シェンレーバ―のフリューリングスプレッツヘンは期待外れらしい。それで、丁度反対側からものを見ているんですねと言うことになった。要するにフルーティーなワインが好きな人はどうしてもそちら系が好みで、私のようにミネラルの構築感などを求めて本格的な辛口となると、赤系は苦手で喉を上手く通らないのであり、量を飲めないとなる。これは全く好みの問題ではあるのだが、本当のリースリングの良さを求めていくと私やレープホルツ氏が求める方向へと行き着くのである。フルーティーなワインを求めるならばモスバッハー醸造所のそれの方が安上がりで良い。

その意味からは2012年のオェコノミラートは凄い。酸が胸にしみわたり、如何にもレープホルツらしい容赦のない辛口である。昨年とは違って、かなり危ない。そして昨年は失望させられた割高のアルコール度11.5%とは異なって、今年は12%とお得なのである。

講釈ではグーツリースリングの炭酸を残したものに触れられたが、なるほど「夏などはそれが爽快な感じとなり、それが落ちて寝かしたところで酸が和らぐ」というのは裏返すと、「炭酸の爽快感で飲ませて、落ちると腑抜けた感じになる」となる。些か詭弁の様なのは、氏のワインの経年変化と同じである。少なくとも我々は、十年以上たっても新鮮度が落ちないでフィルンにならないリースリングを知っているので話にならない。そもそも糖をあそこまで落としてしまえば長持ちしない。

なるほど24時間のマイシュツァイトが味落ちしないワインを造るのは事実であるが、レープホルツワイ五年以上寝かせても仕方がないのである。丁度その反対を行くのが甘味を残したファンフォルクセンワインで、天然酵母醸造への希望であろう。前者がすっきりしたリースリングを供給するのに対して、後者のそれが複合的な味わいを残しているのである。

序ながら同じようにバッサーマン醸造所への批判やフォンブール醸造所への評価を人々から聞くことになるのである。要するに前者の急速な信用の失墜や後者のそれがフルーティーなワインを好む向きには愛されていない現実である。

これを書きながら石灰無しの雑食砂岩リースリング「オェコノミラート」を愉しんでいる。食事をして口をさっぱりさせながら飲むこのワインは食中以上に素晴らしい。まさに健康飲料ここにありの感じである。試飲しただけでこれを買う人は殆どいないであろう。この旨さを知らなければ買えない旨さなのである。

ムスカテラーも上手に造っていたが、ゲヴルツトラミナーなどは2011年産のモスバッハーのそれに遠く及ばない。しかし、ソーヴィニオンブランは青ピーマン味でいかにもレープホルツワインらしくて面白い。2010年産のシュペートブルグンダーは、講釈の通り、草や薬草の味があって爽やかである。これはなかなかこの年度の良さを表していて、赤でもなかなか良い腕を示している。

ピノブランとグリの二種類では、意外に黄土の土壌と石灰のそれの違いがよく出ていたが、それは石灰の有無であり、土壌の重さの違いであることを考えればミネラルの反映とは言えない。正直あまり関心が無い。ピノグリの方も上手に造っていたが、これは単純なものの方が飲みやすく、ワインの質が如何とか以前の問題であろう。

醸造所のパーソナルのが一部変わった印象で、これも興味深かった。



参照:
試飲会の後で開けるワイン 2013-05-07 | ワイン
裸の王様を斜に見ながら 2013-05-05 | 試飲百景
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by pfaelzerwein | 2013-05-14 04:20 | 試飲百景 | Trackback

グランクリュ試飲会週末

グランクリュ試飲会週末でまだ書いていなかったレープホルツ醸造所についても触れておく。春の試飲会にも行っているので改めて付け加えることは少ないのだが、目的としていたのは、その時点では若過ぎたSシリーズとはお目当てのグローセスゲヴェックスの試飲である。

前者は、二年ほど待たなければ本領を発揮しないことは経験から分っていて、今までも買いそびれていたことが多かった。その分、今回は2008年産の出来も素晴らしかったことを確かめていて、どれほどの伸び代があるかが問われていた。

試飲の結果は、明らかにワインらしくなってきていて、二年後ほどのその質は間違いなかった。しかし、残念なのは直ぐに飲むのは惜しいので、日常消費用の「オェコニミラート」の飲み干してしまったので困るのである。

それでも今更「オェコノミラート」を購入する気はあまり起こらない。なによりもアルコールが11%少々しかないのだからどうしようもないのである。そしてモーゼルザールなどのものよりも遥かに高価である。

さて、それと比較となるグローセスゲヴェックスは流石に上手に出来ていて、明らかに2009年より良かった。いつもながらガンツホルンは当たりがガツンと来るが、その透明さではシェーレーバー醸造所のハレンベルクと良い比較となる。

そして毎度の事ながら、ロートリーゲンデスのカスターニアンブッシュは通俗な美味さを備えていて中々飲み応えがあるのだが、経年変化とかその楽しみ方とかを分っている者は手を出さないであろう。なるほどナーヘのフリューリングスプレッツヘンと比較すると透明度は高いが、些かリースリングの愛好とは方向がずれる。それでも石灰のゾンネンシャインよりは価値はあるだろう。

同じように、各々のSにおける特徴はグローセスゲヴェックスとかわらないが、ロートリーゲンデスや貝殻石灰で試してみたいと思うものはなかった。結局、グランクリュとブントザンドシュタインからには、予定通り満足したことになる。

あまりに真剣に利き酒をしているので、アールからやってきたという老夫婦から声が掛かった。おじいさんが1930年に神戸で製鉄の技術指導をしていたというのである。同じような人は知っているが、これで二人目なので、如何に多くのドイツ人技術者が当時神戸で技術指導していたかである。先日あったアールのアデナウアー醸造所の話をした。



参照:
素晴らしい投資相応の価格 2012-09-11 | 試飲百景
青赤つける山の明確さ 2012-09-08 | 試飲百景
グローセスゲヴェックス解禁日 2012-09-03 | 試飲百景
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by pfaelzerwein | 2012-09-12 22:42 | 試飲百景 | Trackback

エコノミラートとは農業顧問官

「エコノミラート」と異なるレープホルツ醸造所の辛口リースリングを開ける。昨年までは雑食砂岩からのリースリングと名づけられていたが、それが無くなりグーツリースリング扱いとなった。最初の口当たりは試飲のとき以上に柔らかく、むしろ微炭酸が飲み心地を良くしていた。このシリーズのものには見られた傾向で、その価格9.80ユーロとしては寂しい。

味筋は、その後に押しの強い酸が押し寄せるようで、酸の分解も「エコノミラート」より落ちるのは明らかである。つまり酸の質が荒めなので、完全に以前の雑食砂岩からのカビネットより質が落ちているが価格は上昇している。

よって、価格差1.20ユーロは実質の価値よりも小さい。個人的には安い方ならば他の醸造所のものを買う。決して悪くはないのであるが、出来としては2009年の雑食砂岩からの方が遥かに良かった。しかし実りの年で糖を落とすと言うことはそれだけアルコールを上げると言うことで12.5%は糖が無い分軽く幸せである。

そこで「エコノミラート」に再び目をやると、アルコールが11.4%しかないのだ。やられたと思った。まるでモーゼルの辛口である。そして酸が8.1G、糖が0.4Gであり、エコ003指定葡萄を使用している。糖比重が84エクスレであったから、むしろ早摘みである。それであの肌理細やかな酸は?決して青っぽくないどころか深々として落ち着いていて、とげとげしさのない酸は?

一段落したところでザール地方のシュロースザールシュタイン醸造所のお試しセットを注文した。送料ともで大変お得なので、飲みたくない二本が入っていても料理に使っても損はないのである。

古い年度から2008年のアルテレーベンがそこに含まれているのだが、これは一年半以上前に飲み干しているが、今や絶好調の2008年産がどの程度の感じで飲めるかがとても興味深い。また、10ユーロ超えの「グラウシーファー」が強豪に太刀打ちできるか。



参照:
何処までもついて行くわよ 2012-05-20 | 試飲百景
品質向上戦線で勝ち抜くのは 2010-07-28 | ワイン
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by pfaelzerwein | 2012-05-24 21:08 | ワイン | Trackback

何処までもついて行くわよ

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殆ど禁断症状であった。レープホルツ醸造所のカビネットが切れて長い。昨年の夏には雑食砂岩からのリースリングカビネットが無くなり、補給しようと思うとシュペートレーゼクラスしか残っていなかった。そのSは寝かさないと本当の凄みは出ず、素晴らしく開花していた2008年産も続けて飲むのは惜しい。

だから九ヶ月ほどは切れていたのである。2010年産のそれが決して良かった訳ではないが、除酸や酸の強さで苦労している各醸造所の中にあって上手に造ってはいたのだが、生産量も少なく夏には売り切れていた。

そこでこちらも気合が入るのである。なるほど2011年は収穫量も十分で更にもう一つ上のカビネットが出ることはそれとなく奥さんから聞いていたのだが、それでもやはり飲んでみるまでは分らない。

酸の穏やかなジルファーナーや酸っぱいリッターワイン、そして酸の立った雑食砂岩リースリングに続いて、お披露目の「エコノミラート」である。

2009年に出ていた「ナテューウーアシュプルング」の後釜であるが、価格も上昇している。雑食砂岩がスクリューキャップになって、そもそもその質の違いは2009年にあったのだから当然であろう。

石灰の混ざらないミネラル質の透明性と逆に立たない酸が興味深く。残糖0.4Gまで落としていることから、逆にアミノ酸のような甘みすら感じるのである。「ティピカルなレープホルツワインの提示」に基本コンセプトがあったようだが、どうしてもう一つ突き進めてしまっている。完全に病気である。酸も8.1Gと決して少なくないのであるが、分解が進んでいるのかシュペートレーゼ的な深みがあるのだ。

親仁さんは完全にいってしまっているが、これを味わうと何処までもついていくよとなってしまうのだ。こんなに危険なワインは知らない。そしてこの後味、塩気に混ざって、長く尾を引く懐かしいあの味は何だ?その後味が糖が無いだけに水のように喉を流れ風味だけが残るのだ!

なんたることだ!なんでもない、酸を綺麗に分解して、糖が無くなるまで醸造すれば良いのである。24時間の葡萄付けした果汁を素にして。

これ以上付け加えることはないのだが、記録として、雑食砂岩Sは酸が少ない分若干弱弱しく、まだまだ樽試飲的な出来上がりである。九月に再度試飲するしかない。貝殻石灰Sはバランスが良く、万人向けであろう。さて、ロートリーゲンスSであるが、先日のシェーンレーバーと比較して明晰さで秀でているが、それが甘みとして感じるところは代わらず、少し物足りない。しかし引っ掛かりが無い分、今年のカスターニエンブッシュは、良いかもしれない。

その他ブルグンダーでは、いつもながらの糖を残した造りで一般向けである。ゲヴュルツトラミナーなどはゲオルク・モスバッハー醸造所のそれよりも甘く、些か商業戦略をここに見る思いだ。それでも、メロンパンのようなムスカテラーの透明感や、ソーヴィニオン・ブランの緑のピーマン臭さは流石である。

そしていよいよ恒例のレープホルツ講話の時間である。今年はリースリングの古いものが次々と出された。先ずは2.08G残糖の1983年もの、私はブルグンダーと判断して恥をかいたが、やはり完全に逝っていた。

二つ目は、エコノミラートで、その将来性を考える。

三つ目は、雑食砂岩カビネット2001年物である。2001年は私のペッヒシュタインなどの絶好調のリースリングと比較すると、お話にならない。糖が無いということは経年変化の可能性をなくしているとことでしかない。それでもまだ飲めることを主張するレーブホルツ氏の悩みはそこにあるのだ。

更に対照的なふくやかな2002年のロートリーゲンデスのシュペートレーゼである。なるほどその差は分るのだが、私の2002年のペッヒシュタインの豊穣さとは比較の仕様が無い。

五つ目は、1991年のムスカテラーである。これはゲヴュルツトラミナーではないかとの声が出たが、そのようにそれらしさがなくなっていた。

六つ目が1991年のゲヴュルツトラミナーで、これはまさにレヴァーなどの食事にあわせられる。

それと現在のゲヴュルツトラミナーを比較する。

八つ目が、2011年のシュペートブルグンダーのロゼで、最後は6.8Gの酸の1991年のロゼで酸だけの味だった。

レープホルツのティピカルなワインを理解している家庭は世界に三桁もいないだろう。そして、その瓶熟成の可能性もグローセスゲヴェックスの経験がまだ足りないので、実証的証明不可能なディレンマがある。それはある意味正直な態度であって、彼のビュルクリン・ヴォルフ醸造所でさえ未だに2001年産の将来に掛かっているのである。そこでも精々十年の可能性を証明しているに過ぎない。

しかし、ドイツのリースリング批評において顧客としてオピニオンリーダになりつつある私としては、それほど気にすることは無いと言いたい。五年経った時に完熟していればそれで良しなのだ。むしろ、彼らに示したようにSの飲み頃や、食事とのあわせ方に醸造所内で十分な議論がなされる方が重要なのである ― これに関しては顧客からのフィードバックが大切であることを醸造所にそれとなく指導している。九月にはクリストマン氏とヴィットマン氏を迎えてお披露目をするようだが、招待状がこれば考える。

帰りに最後まで居残っていた、「二日続けて来る」と言うとレープホルツ親爺に「明日も同じワインしかない」と言われていた馴染みの夫婦づれと情報交換をした。ベッカーのベーシックなピノノワールとゼーガーのセメント味のピノノワールやバーデンのフーバーに関してである。

それにしてもレープホルツ親仁やそのおじいさんの言うことが私の言い草に近い。つまり、幾ら飲んでも飲んでも飲み飽きない、飲めるワインが日常消費の良いワインであり、勿論酔い心地が良いことである。同時に食事に合うワインとは感覚を鋭くして、その食事の味を引き立て、食事がワインを引き立てる感覚的な遊びなのである。その意味からも「エコノミラート」は凄い。d0127795_1618875.jpg



参照:
六月とはこれ如何に? 2011-06-07 | 試飲百景
辺境の伝統の塩味ピーマン 2009-05-26 | 試飲百景
偏屈者の国際市場戦略 2008-05-28 | 試飲百景
良酒に休肝日など要らない 2009-05-08 | ワイン
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by pfaelzerwein | 2012-05-20 05:08 | 試飲百景 | Trackback

アルコールの乳酸への影響

朝の20分ランニングコースを走った。先週は、ボルダーリング、クライミングと通常通り二回に日曜日の道場破りの遠征が加わるところだったが、それが無くなって週末は大人しくしていた。先週は週末までワインをグラスに一杯とヴァイツェンビーアを一本しか飲んでいない。

肩の関節など通常は使わないところが張っていて、風呂に浸かっても直らなかったので、週末に走ればよかったのだが、疲れが残っていた。いつものようにパンを取って肉屋に行くまでの間に一走りである。

一週間前に上りを感じなかったので、今回は万歩計をつけてゆっくりと走り出した。直ぐに先週とは違って足に違和感を感じたので、様々な相違を考えたのだが、足場の悪さ以外にはあまり感じなかった。強いて言えばワインを開けたことぐらいだろうか?

それでも上りのテムポは遅めでも長めのピッチを切れて、上りをあまり感じなくなったのは先週と同じである。計測値は上り12分で凡庸な数値であったが殆ど一分近く短縮している印象があって、案の定下って時計を見ると22分しか経過していなかった。下りを急いだ訳ではないが、明らかに上りも下りも時間を短縮している。

さて、アルコールの影響であるが、頭脳労働の場合は緊張のストレスなどがあるので、アルコールは思考には役に立つこともあるが、スポーツには明らかに能力が落ちることは感じ取ってきている。以前は持久力にそうしたアルコールの影響を感じていたが、運動の能力限界を目指すとどうしてもアルコールは運動能力を落としそうである。量とか期間とかは分らないが、スポーツ選手には時々飲酒するぐらいが最適なのだろうか?

この間開けたワインについては期間が延びたのであまり覚えていないが、以下の2010年産の三種類は色々な意味で興味深かった。先ず何よりも、ミュラー・カトワール醸造所のピノグリで、通常は買わないこの独特の葡萄の味が強烈な酸と炭酸でこれほど軽い飲み口になったものを知らない。価格も手ごろであり、機会があれば追加購入しても良いかと思っている。もちろん安物のグラスに注いだらどんどんと酸化して臭くなってくるそれとは違って三日目にも全く問題なく楽しめる。酸が益々強く鋭くなってくるので恐ろしい。

酸が強い意味ではビュルクリン・ヴォルフ醸造所のPCリースリング「ゴールトベッヒェル」が物凄い。今まで歯に感じるような激烈の酸をあまり知らないが、十分に酸を分解していて、更に高度な除酸をしているのであるが、二口も口に含めば歯にがんがんと当たる。こうした醸造は失敗だったのかどうかはまだまだ回答が出ないであろう。しかし今飲んでも仕方が無い。基本は天然酵母と糖を落としたミネラルであるが、ここまで激性酸であると瓶詰め後九ヶ月ほど経っていてもまだまだ恐ろしい。

それに引き換え最もドイツで糖を落とす醸造で有名なレープホルツ醸造所のGC「ガンスホルン」は、試飲のときの印象を引き継いでいてとてもフルーティーでまるでぶどうジュースを飲んでいるようで飲みやすい。ここのリースリングにしてはとても万人向きのバランスであるが、まだワインらしくなっておらず、偉大な印象は無いが、今日現在までに飲んだ2010年産のワインの最高峰であることは間違いない。葡萄の糖の分解は綺麗に出来ている感じであり、それ以上に培養酵母を大変上手に使っているように思われる。除酸に石灰を使っている様子が無いので、これがセシウムをそれで置換した福島の米と同じように高価なカリウムを利用した除酸であろうか?兎に角、角が丸くなっていない上に、綺麗に酸が整えられている。フルーティーさも手伝って、例年の超辛口よりもフルーティーさが顕著のは2008年産と同じである。

酸が強かった2010年産は如何に糖を残してバランスを取って、将来の熟成につなげるかが、その除酸とともにどの醸造所も苦心した点である。そのお手本になる資料は、過去の父親などが残した手記が使われる場合が多くて、伝統のある醸造所ほどこうした特別な年度を将来を見据えて苦心して醸造しているのである。

2010年産は、四年ほど経ったときにその醸造所の実力がくっきりはっきり見えてくるような年度であったに違いない。天然酵母を使ってふっくらとしてなかなか収まりがつかないリースリングの方が、素人向きの培養酵母ですっきりと仕上げたものより遥かに将来性があると思うのだが、それは只の推測であって、少なくとも今現在美味い方が良いというのにも一理ある。要は除酸の按配である。



参照:
台地を越えて走り続けると? 2012-01-17 | 雑感
漬物味のハウスワイン 2011-09-22 | 試飲百景
ファンデルスワールス感 2011-11-09 | 試飲百景
狩人の健康な食欲の特権 2010-08-10 | 生活
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by pfaelzerwein | 2012-01-24 04:47 | 生活 | Trackback

切れが良いSクラスのはなし

立川流の家元が亡くなったようだ。自他共に認める天才噺家であった。何と言ってもあの小話ショートショートの切れ味は日本語での最高の域に達していたに違いない。小話の上手い落語家は上方には居らず、同じような天才が居たとしても大丸ややすしのような漫才師となってしまう。

小話は、プファルツ方言でのそれも盛んであるが、どうしてもふにゃふにゃとした語り口には自虐的な方言ものが多いので、ドイツのそれもメリハリが効いた方言のものの方が良さそうである。英語のそれも考えるのだが、フランスのそれは実際にはあまり知らない。キャバレと小話の違いもあって、小話は素人でも上手に出来るところが異なるのであろう。立川談志のネタ素は様々なのであろうが、磨きに磨れたネタとその話術はなかなか追従を許さないものだろう。今後も録画などで尚一層と勉強させて頂こうと思う。

天気が良かったので南ワイン街道のレープホルツ醸造所を訪ねた。今年最後のそこでの試飲である。改めて試飲したのは、雑食砂岩からのSシリーズ二種類で、2008年産と2009年産である。先日自宅で2010年産を開けて間違いなくまだ二年以上待たなければいけないことを確認したが、2009年産が酸は弱くともまだ一年待つべきと確認した。今の時点で飲んでしまうととんでもなくもったいない。

その反対に2008年産が丁度飲み頃となっていて、適当にベーシックなそれを飲んでいながら、Sクラスを買っていなかったのを恥じる。もちろんグローセスゲヴェックスのパイロットワインとしてそれを購入した。その残糖を切り詰めたガンツホルンの切れ味は、2010年産がトップだろうが、飲み頃は何時になるだろう。

その他では、まだ試飲していなかった2010年産のシァルドネSとブルグンダーのピイーノーを試した。前者の繊細さが良さを発揮するのは百パーセントバリックが消えてからである。三年以上は間違いなく掛かる。

天気に恵まれた南ワイン街道の雑食砂岩の土壌を縫うような道をドライヴして帰ってきた。来年は四月には通常より三週早くぼちぼちとリースリングが出るそうだ。



参照:
漬物味のハウスワイン 2011-09-22 | 試飲百景
六月とはこれ如何に? 2011-06-07 | 試飲百景
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by pfaelzerwein | 2011-11-24 02:03 | 試飲百景 | Trackback

根の張り方で味が異なる日々

月曜日は何故か忙しい感じである。特別なことをしていないのに、時間に追われる。そして月曜日が終わると、週末まで一直線である。

昨晩、2007年産のシュペートレーゼを開けた。適度に熟成してワインらしく落ち着いてきていてとてもよかった。レープホルツ醸造所の雑食砂岩土壌のものである。最初は硬さがあったが、それが馴れてきていて、均一な旨みと言うかミネラルの苦味が丸みを帯びてきている酸に奇麗に包まれている。

このワインに関しては試飲直後にも何度もレープホルツ氏に直接飲み頃を尋ねたものだ。当時はこちらも不信感があり、先方も好みだねという感じで明快な回答をしなかったのだが、今から考えると本人も十分な回答は出来なかったのだろう。三本ぐらいは購入して、今回はじめて満喫した。

カビネットでの良さがありながら十分にワインらしくなったそれはなかなか良い。今が飲み頃で、この時期を過ぎると氏が表現するように穴に入るのだろう。そのあとは本当に枯れたリースリングになるのだ。

先日、神の棺桶と呼ばれるヘアゴットザッカーの地所の最上部で、フォンブール醸造所とゲオルク・モスバッハー醸造所の隣り合った摘み取り残された葡萄を試食した。前回の比較試食では前者の方が果実風味があったのだが、今回は後者のミネラル風味の深さに軍配が上がった。よく見ると、そのクローンの違い以上に葡萄の樹齢が後者の方が遥かに高いことが分かった、根の張り方でこれほど味が番うのである。
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by pfaelzerwein | 2010-10-19 03:57 | アウトドーア・環境 | Trackback