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二大国民政党制の終焉?

ドイツの総選挙は予想以上に自由党が躍進した。それゆえに今回投票締め切り直後の抜き打ち調査結果でもめることなくキリスト教民主同盟と社会同盟が自由党と連立する事で過半数を獲得して、政権交代が実現した。何よりも大連立が解消されて議会制民主主義の枠組みが護られたことを喜びたい。

因みに予想通り社会民主党は転落して、その支持層の多くが棄権に廻ったようで、過去最低に迫る投票率72%の低さであった。同様に注目したいのはバイエルンの政党キリスト教社会同盟が六パーセントと弱小政党となり、自由党の半数以下の支持しか得られなかったことから、新政権内では社会主義的政策は後退して自由主義的政策が強調されるに違いない。

その反面、左翼党が躍進して堂々第四の政党となり、同じく伸張した緑の党と共に合わせて社会民主党の議席数に迫る勢いである。そのような情勢においても厚顔のSPDシュタインマイヤー党首は最大野党党首としての意欲を示しているが、今後党内が一枚岩で推移するとは思われない。過激さを増すであろう国会論議の中で左右から板挟みとなれば、いよいよ左派党との合弁への動きや切り崩しなども激しさを増すのだろう。

いづれにしても第一党のキリスト教民主同盟も過去最悪の議席数に迫っていることから、これが二大政党制の終焉なのか、それとも大連立の余波なのかはなんとも言えないが、支持率一桁の少数政党はバイエルンの地方政党だけとなり支持率二桁の三中政党と支持率二十パーセント台の二大中政党の多政党時代へと踏み出した。


追伸:当独日協会の名誉会長ユットナー教授は返り咲きを果したようである。



参照:
WAHL2009 (ARD)
by pfaelzerwein | 2009-09-28 05:19 | Trackback
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