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バソニール染料の色眼鏡

日本のサイトを日常的に見るようになったのはXP導入からである。十年は経っていないが、それでも世田谷の殺人事件については何度か目にしている。ドイツの染料会社まで捜査員を派遣したと書いてあったので、直ぐにルートヴィッヒスハーフェンのBASFと分かった。遺留品に塩基性染料バソニールの粉が付いていたという。

書かれているように衣服にそうした染料が付くのは特殊な状況であろうが、顔料化する前の粉末の形でも結構様々な目的で出回っているだろう。一体どのような作業中に複数種類の色素としてその染料が付着したのか、とても興味ある。トレーナーのようだから、最終商品に使われなくても、その程度の品質管理ならば、染色工場などでもライン上で汚染されないとも限らない。蛍光ものはスポーツ用品関連ならば比較的使われるだろう。インクの素材としても今時、日本でも韓国でも中国でも同じように使用しているから態々ドイツまで飛んできても全く進展は無かったに違いない。

またウェストバックに硬水用の洗剤が残留していたとあるが、これも滞在先もしくは所縁のある外国で洗濯するよりも、日本国内においても一般に流通していない洗剤を使う人もおり、むしろその可能性の方が大きいのではないだろうか。特に日本に駐在する家庭の主婦などには、漂白剤の入った日本の洗剤はきつ過ぎると昔から不評であり、本国から都合していた人もおり、またそれ以外にも少なからず需要はある。

もう一つ、モナザイトと呼ばれる素材も結構最近は話題のもので十年前はどうであったか知らないが、そのような物から足が付くのだろうか?

それにしても事件の概要などを読むと、計画的な犯行の割には想定以上の展開にもなったのでもあろうが、それほど遺留品などにも拘わらない犯行は、破瓜型と言うのだろうかそれ故に大胆不敵にも見える。実際、作られた犯人像に当てはまるような人物は何処にでもいて、それだからこそ目立たないのだろう。

それは丁度、遺留品などについても言えて、何も今更大量消費生産品で森の中に木を隠さなくとも、物流にもならない少量多種の数知れない流通の小さな動きとなっているからこそ遡って辿るのは殆ど不可能なのである。今時足の付くような国境も無ければ何も無い。
by pfaelzerwein | 2010-12-31 03:10 | Trackback
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