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財政再建無ければ未来も無い

独第二放送で近未来スリラー・ドキュメンタリーが放送された。TVは観ないので内容は新聞に書いてある通りだが、2030年のドイツ社会のドキュメンタリーである。高齢化社会での若者の強制収容所行きとその暴動が描かれている。久しぶりに子供の頃に聞いたことのある当時の新作映画「ソイレントグリーン」のタイトルをみた。

今後の政治に減税を求め、年金や医療や介護の保険の安定などを求めても、更に給与の上昇どころか低下しか期待出来ず、政治が振り分ける行政の財源である経済成長による自然増収もあまり期待出来なくなって来る現実から、上のような近未来が演繹的に描かれる。

上昇志向のある若い出来の悪くない少年が、高等教育で鍛えれば何とか「使い物」になるような一般的な少年が、公的費用では賄えなくなったその高等教育費用を稼ぎ出すために、挙句の果ては警官に足を銃で撃ちぬかれて、病院に運ばれてもそのような人間を治療するスタッフも何もないという訳である。

要するに現在十歳の子供がそれ相応の年齢になったときに、現在のつけがそのまま上のような現象を作り出していくと言う按配である。高齢化により働き手はますます減少して、その一方社会保障を受けなければならない年齢の不労者は爆発的に増える。働けど働けど、わが身は立たずが、今の子供たちの将来なのである。

財政再建や徴税の簡素化は、EUにおける最重要課題だけでなく、世界の工業先進国が同じように希求する政治課題であり、将来を生き抜くただ唯一の道でしかない。社会のセーフティーネットの完備もそれが前提となるが、その一方で完全崩壊を向える前に、簡素な社会保障や税出の縮小を図るために可能な限りの小さな政府と自由市場の活用しかないのは議論の余地のないところである。

友人の大学病院の外科部長の仕事振りを思えば、その延命効果の経済効果としてのCPは別として、そこまでやるかと言う医術の施しが可能となる。健康保険で同じように生活意欲のある者もない者も同じような治療を施されると言うのはある意味不条理なのではなかろうか?まさにそうした生の意志こそが命であるのだから。年金や社会保険制度と、社会として不可欠なセーフティーネットは全く別物である。



参照:
2030-Aufstand der Jungen, ZDF
by pfaelzerwein | 2011-01-14 03:40 | 歴史・時事 | Trackback
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