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解体する原子炉が旨いのか

技術欄で原発解体工程を比較的詳細に紹介している。その工程は政府統合本部やテプコが出しているようないい加減なものではない。しかし工程通り進めないといつまでたっても終わらないのは同じである。テプコの嘘吐きは、排水処理システムの進展状況の遅れ方を説明しているのだけを聞いても誰でも呆れるのである。一刻も早く解体すべきである。

さて永遠に続かに見える現状回復に二十八年掛かるその解体作業の全費用は新設費用よりも多く計上される。たとえば一千億円以上と新設の場合の三倍半以上の経費が計上されている。それでも大事故による修復作業とは全く異なり手軽な作業なのは明白である。そしてその解体工費自体が最初のことであり予想以上の解体費用が出てくると予想されている。

総重量二十五万トンの八割方コンクリートの素材の670メガワットの沸騰水型の二十四年後の1997年に停止された古い原子炉である。そのうち 僅 か 五千トンだけが保存の必要な高放射能廃棄物となる。

それでは安全な解体廃棄物とは何か?掃除してきれいにぬぐって表面上が綺麗になってもまだ駄目なのである。酸やイオン化処置をしてからコバルト60で、キログラムあたり100ベクレルになったものが始めて通常の廃棄物として扱われる。日本の食糧のそれの三分の一ほどの汚染の鉄材などである。日本人はこれなら鉄分補強のためにでも解体した原発をゴリゴリ齧った方が安全なのかもしれない。

建築は僅か二年間、解体は二十八年間なのである。健全なウランやMOX燃料を完璧に取り出して、事故なしに解体してもこれだけの金と手間がかかるのである。一企業が福島のような事故を起こしても、特別な政治的な裏がない限り、解体されない訳が無いのである。



参照:Abshalten und wegschließen, Georg Küffner, FAZ vom 14.6.2011
by pfaelzerwein | 2011-06-23 07:48 | テクニック | Trackback
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