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漸く歩みだした廃炉への道

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福島のお陰でモラトリアム停止となったフィリップス一号機 ― ヘッセン州にはビブリス一号機の再稼動も提議した。バーデン・ヴュルテムベルク州を統治する緑の党の環境政策からマンハイムの火力発電所の再稼動は阻まれた。しかし、連邦の管轄局は、冬場の電力供給不足のリザーヴとしてその原発一号機を再び稼動の待機をさせるようにと強請った。そして州政府は火力発電所の再稼動を認めた。

こうした火力発電所の再稼動が将来のエコ発電が整うまでの需要体制の基礎となる。更に寒さが厳しくなった場合にはオーストリアの二つの古い石炭発電と三つのガス発電所が高圧電線で繋がれて、福島後に七つの原発が停止した南ドイツの電力需要をサポートすることになった。

具体的には、福島以降8400KWの供給力が低下したので、それを埋め合わせる為には、節電以外に五つの火力発電で1009KW(マンハイム火力発電ブロック3、エンスドルフブロックB、マインツ・ヴィースバーデンガス発電2、ミュンヘンのガスヒーター発電、オバーラインのガス発電)、オーストリアから1076KWを織り込んだ。経済相のレスラー博士は、「これは企業がこれでこの冬の供給を賄える指標」となったと歓迎しており、緑の党のジルビア・コッチンク・ウール女史も「古い老朽炉無し」に供給確保できると評価している。

そしてその高圧電線ネットの確保と発電所の待機準備のための費用は、電気料金と配線料金に上乗せされる。これをして、FAZは、当局の脅しを以ってはじめてこれで老朽化原発炉が再び操業されることはなくなり、法制上の権限を駆使した正しい処置であったと評価する。そして環境に火力発電が良い訳が無く、これで供給が保証された訳ではない。しかしそれもこれも新たな安定したむしろ再生可能では な い エネルギーの供給量が確保されない限りとしている。

要するにフランスやチェコの原発からの電気補給や外国からの援助無しにはやっていけないということであり、電気を未だに効率的に保存しておけないということに尽きるのである。


写真:ハイデルベルクを背景としたマンハイムの巨大火力発電所



参照:
Kein Atomkraftwerk als Reserve,
Reserve mit Risiko, Andreas Mihm, FAZ vom 1.9.2011
脱原発よりも遥かに偉大な罪 2011-08-27 | 雑感
原発の水蒸気塔の見える町 2011-04-09 | アウトドーア・環境
裏町のパブリックな対応 2008-02-18 | 試飲百景
by pfaelzerwein | 2011-09-03 18:46 | マスメディア批評 | Trackback
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