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葡萄泥棒も入りやすい家

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旅行に出かける前の週末に事件が起こった。葡萄の摘み取りしようとしていた土曜日に、前列だけを残してそれに隠されるように十二列のピノノワールが密かに摘み取られていたのだった。

前代未聞のこの盗難事件は、フォルストとダイデスハイムの間に広がるヘアゴットザッカーでシュペートブルグンダー種から高級赤ワインを製造していたヴィニンク醸造所の一角で起こった。被害総額は、2500KG分の葡萄から三千本のワインが出来るとして一本32ユーロとして一千万円を超えると報じられているが、要らぬ作業を省かれた分損失はその三分の一以下であろう。

さて、その摘み取りの痕から機械で一気に夜中に摘み取ったとされていて、近隣の農家が疑われているようで、見つかれば二年以下の懲役となるとされている。だからそんな馬鹿なすることをするものはありえない訳で、犯行は内部事情に詳しい外国人労働者だと推測する。ヴィニンクという醸造所で起こったのもまだ十分にマネージメントが効いておらず、出稼ぎ労働者の質も比較的悪いと思われる醸造所だからだと想像される。

最近は観光客の立ち入りも多く、資本投下した分を躍起になって回収している様子が外部からも伺えるが、こうしたところにそうした事業形態の罠があるように思われる。本来ならば大人数で一気に刈り取り、それを急いでプレスするなりして、海外などに運んで売り払わなければ、盗みの成果が出ないわけであり、誰の目も盗んでこうした犯罪を成功させることは難しい。やはり、近隣の監視の目が効かない状況にあったのだろう。

未だ嘗てないような秋の好天が続いている。そして既に報告したように、腐りを避けれた葡萄とそうでない葡萄との差がここに来て予想外に大きく最終のワインの品質の差を広げているようだ。来週の水曜日ごろから再び湿り気が増して、この乾燥した好天は終わるようである。そしてそこまで葡萄を下げておくことで、更に酸の分解即ちリースリングの高品質化が期待できるのである。

先ずは幾つかの写真を比べて、その相違を観察する。以下の二枚は十月二日、日曜日に三百メートルも離れていない地所で撮影したものである。見事に実ってつるが重さに耐えかねるような繁々とした葡萄も健康そうである。そして二つ目は、これまた健康そうで涼しげにぶら下がる葡萄である。この二つの葡萄から出来るリースリングワインは全く違うものとなるのである。何が違うのか?(続く葡萄泥棒も入りやすい家_d0127795_17155656.jpg
by pfaelzerwein | 2011-10-02 17:19 | ワイン | Trackback
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