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写真から気がつかなかった?

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承前)葡萄泥棒はまだ捕まっていない。

ワトソン君、実りの写真を見てなにか気づかないか?

その通り、葡萄の枝の下の方に同じ高さに綺麗に揃えて葡萄が下げられている。それとは違って、てんでばらばらと不景気に実っているのもあるね。後者の多くは幹が太くて古い以上に葡萄の収穫量を落としたグローセスゲヴェックスと呼ばれるワインで、全て手摘みで収穫するのだよ。そして鈴なりに実っている前者は機械摘みをするために準備されているのだ!

フォン・ヴィンニンク醸造所で高級とされたピノノワールはどのように準備されていたのだろう?そうなのだ。機械摘みで盗まれたということは少なくとも揃えられていて、収穫量もあまり落としていなかったということだろう。

ワトソン君、なにか臭わないか?一本三十―ユーロもとる高級ワインが機械摘みされたなんて。

なるほど、ヴィンニンク醸造所の新しい施設には大きな投資がなされたが、ワインの手入れは一向に進んでいないことは周知の事実である。明らかに高級ワインを収穫するには投資バランスが崩れている。あの規模の醸造所が収穫機を使っていてもおかしくはないのだが、高級志向と量志向の二股を掛けているようなので、そこにこの事件の真相があるかもしれないのだ。

リースリング種とは違って、シュペートブルグンダー種はあそこ、地所ヘアゴットザッカーではグローセスゲヴェックスとして認可されていない。要するに収穫量を落としていなくてもおかしくはないのだが、機械摘みであると枝葉が同時に刈り取られて後で取り除かれる必要があるだけでなく、痛んだ房も同時に収穫されてしまう。それを避けなければいけないのはリースリングと同じなのだが、赤ワインの場合は収穫後の選択も一般的に行われている。つまりそこで手で選択をしたものだけを良質の赤ワインとして醸造するのである。

ワトソン君、そこだよそこ。まだ床屋に行くには時間があるな。



参照:
Diebe im Herrgottsacker (FAZ)
葡萄泥棒も入りやすい家 2011-10-02 | ワイン
玄人もよく分っていないこと 2011-10-02 | ワイン
高級な持続可能な環境 2011-10-03 | ワイン
by pfaelzerwein | 2011-10-08 16:16 | ワイン | Trackback
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