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無責任なリセットの構造

昨日は「冷温停止宣言」が世界を巡った。一様に驚きと共に、「理解不可能な日本人」が改めて確認された。冷温停止の言葉の使い方についての議論をぶり返す必要もないが、最も興味深い東京からの独第一放送協会SWR放送の特派員のそれは、「日本人を知っている者」にはなるほどと思わせる「否が応でも年末で宣言しなければいけない心情」であって、新年を迎えるにあってリセットしなければいけないという日本人の世界観を如実に示していた。

しかしそのようなことよりも、細野大臣の発言を聞いているだけで、途轍もない悪がそこに存在しているのが分るのである。要するに「オンサイトからオフサイト」への問題の切り替えは、表向きの被災者などの救護と今後発生するであろう被曝症への対応や除染などを含む「復興」ではなくて、東電や政府の責任への関心を他所へと向ける宣言でしかなかったのである。これはフランクフルターアルゲマイネ新聞 - 昨日新聞社から電話があった。お試しの日曜版についてである。もちろんはっきりと「レベルが違う」と答えておいた。 - などの記事も指摘しているが、要するに「これで東電は救済された」という宣言である。

更にはオンサイトつまり福島原発の国有化で、東電を負担から解除してやってというような論調が繰り広げられるようになってくると、もはや日本の市民各層が総力を挙げてそうした悪の構造を粉砕しなければいけない市民革命的な状況が近づいているとしか思われない。

東電は、あくまでも「除染については協力」としての態度を昨日の最後の統合会見でも繰り返していて、政府がその汚染処理の当事者から東電を既に解除していることを端的に示している。少なくとも東電前での抗議活動や要求を大々的に繰り広げるべきである - それが出来ないならせめて新聞の購読を停止してTVをつけないことである。そうして責任を追及しないことには日本は第二次世界大戦後の復興と同じように再び同じ過ちを繰り返すことは間違いないのである。もはや東電解体にしか日本の民主化はありえない。

細野大臣は、統合記者会見の終了に関して記者クラブの「仲間内」から要請があったという意味を不用意にも漏らした。マスメディアや政府・行政組織だけでなく立法府においても悪の構造が蔓延っている限り、まっとうな議会制民主主義など戯言なのである。政権交代などは茶番劇でしかない。



参照:
市民を無視する政治社会背景 2011-06-05 | マスメディア批評
経営不安の独占企業 2011-06-13 | 歴史・時事
誰の生活が第一なのか? 2011-08-04 | マスメディア批評
初盆に配慮で統合会見休止 2011-08-12 | マスメディア批評
毒は勝俣に呉れてやれ 2011-08-25 | マスメディア批評
弾劾すべき官僚らのサボり 2011-08-30 | 歴史・時事
引き継がれるとても重い遺産 2011-09-14 | マスメディア批評
不平等には不払いの薦め 2011-10-10 | 歴史・時事
地盤に立ち上げれ、農民! 2011-11-15 | アウトドーア・環境
小日本鬼子の無法地帯 2011-11-29 | 雑感
ありえない出入り管理 2011-11-30 | 雑感
覚せい剤の民主的な合法化 2011-12-04 | 歴史・時事
キャリア志向の俗物記事 2011-11-16 | マスメディア批評
襲い掛かる教養の欠落 2007-07-27 | 雑感
旧大陸での人権の保障 2007-02-13 | マスメディア批評
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「冷温停止」 最後の合同会見で世紀の大ウソ (田中龍作ジャーナル)
by pfaelzerwein | 2011-12-17 21:29 | 歴史・時事 | Trackback
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