人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ポピュリズムにもならない遺物

マルク・デュトローの共犯者で、妻の元教師ミシェルが放免になるとラジオが伝えていた。少なくとも地下に監禁していた二人の少女を餓死に導いたのは彼女であるから、三十年の実刑でその半分を残して出所してくるのには驚かされた。伝えるところによるナントの修道所に入って暮すというが、流石に遺族をはじめ市民の抗議運動が始まっているようだ。主犯の親爺の方は当然ながら終身刑であるが、六人の少女たちを誘拐監禁して、性的奴隷として虐待を繰り返して、四人を死亡させた凶悪事件の共犯者の扱いとしてはあまりにも容易すぎる印象がある。当然のことながらこうした性犯罪の犯人は自らが性犯罪の被害者であるのはいつものことであろうが、それにしても餓死させるまでの「未必の故意」の犯行は恐ろしい。

官邸抗議行動で政党が配った白い風船が目に付く。上の事件の節に抗議行動に使われたものと言う。ベルギーのエスタブリッシュ層に上の犯罪組織の会員が広がっていたために、その追求を求めた市民の抗議活動「白い行進」だったのだろう。当時のオーストリアの権力者No.2であった故ハイダー博士が、こうした破廉恥のさまをしてベルギーを愚弄することからEU内の外交問題となった。

大阪での瓦礫処理の市民説明会の様子を一部見た。とても説明するというようなものではないのは、まさしくポピュリズム政治家として名高い大阪市長がそこに臨席しているというだけで、想定内のアリバイ作りであった。人気市長の発言を見聞きしてそれをポピュリズムとして貶すことは容易であるが、一つだけ脱原発へ揚げた風船のそのシングルイシューのみを鑑みても、一部に期待されているようなボナパリズムや高踏な目的のために手段は選ばずというようなマキャブリズムの強権政治とも全く異なるものであることが明らかになっている。多くの反原発運動家や専門家は、一時はそこを勘違いしていたようであるが、完全に化けの皮が剥がれてもはや強い批判を受ける対象となっているようである。

警察権力によって市民から守られなければいけない共同体の長など聞いたことも無い。彼のハイダー博士でさえ地元の首長としての人気は絶大で、どのような集まりにも颯爽と表れていた。要するに大阪市長のような政治家はポピュリストとも呼べないほどの、その選任の過程を別にすると、殆ど前近代の悪代官のような過去の遺物ような恐竜政治家なのである。

そのようなことを考えながら中継画像などを眺めていると、白い風船に民主主義の力や正義を感じるよりも、そこに少女たちの涙のようなものを感じさせて、殆どその白い風船を見て胸が悪くなり、殆どハシ下ならず吐き気さえするのである。



参照:
上げよ、怒りの雄叫びを! 2009-03-29 | 歴史・時事
知性に劣る民を卑下する美徳 2009-04-06 | マスメディア批評
武器を所持すると言うことは 2010-08-07 | 暦
男なら運転前に一寸一杯 2008-10-17 | 生活
伝えられた十一日の急死 2008-10-12 | 生活
黴の生えた高い民意 2005-04-05 | 歴史・時事
by pfaelzerwein | 2012-09-01 04:02 | 歴史・時事 | Trackback
<< スタート地点に戻ってみる 索引 2012年8月 >>