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降誕祭前の髪結い風景

床屋に出かけた。駐車スペースが一杯で中に入ると待ちであった。そこで出直すことにした。クリスマス前となると日本の正月と同じでやはり散髪屋はてんてこまえになるのは例年のことだということだった。

シーズン第十八日の水曜日はある意味次のラウンドに突入したといってもよいかもしれない。相棒にとっては完全に限界域への突入であり、私にとってはここにきて初めてこれまでの成果を試す機会になってきた。

先ずは、長い右へ右へと天井まで上がっていく垂壁をウォーミングアップに続いて試した。今シーズンから新しくなったルートなので初見である。難易度は五級上なので問題なく登れるわけだが、初見で右上がりなのでどうしても手掛かり足がかりの組み合わせが重要になった。相棒も何とかこなしたが、最上部では動きがぴくぴくして恐怖心との戦いとなっていた。それは至極普通で、動きや技術に確信がなければ致し方ない。

当然ながらベストポジションでカラビナにザイルをかけることもなく、下からかけて登り切ったに過ぎない。勿論その難易度を登れるということにはまったくならないのである。

そのあとオーヴァーハングに向かうが、既に同じ難易度は全て終えてしまっているので、相棒には限界域の六級へと向かう。流石に私自身は横向きの手掛かりをみっちりと練習してきたので、そのルートの核心部である二三度あるそれをうまく使えこなせたが、初見であったのでザイルにぶら下がって手掛かりを確認する必要はあった。一度目であるからレッドポイントで登れなくても仕方がないだろう。

案の定相棒にとっては、そのサイドグリップを説明しても使えないので、腕力を使おうが上手に登れないのである。なるほど最後のそれは左下から使って、再び右横から使う両方向のグリップなので、登り方を十分に計算しないと使いこなせないのも仕方がない。少なくとも私が登るのを一部始終見ているようでないと駄目である。

これで急に疲れが出たようで、あとはもうトップロープでの練習としたが、七級上でどうしても無駄な力を使い、そのあとの先日一回目でうまくいった垂壁が手が滑ってうまくいかなかった。そのような感じでへとへととなって二時間の練習を終えた。

金曜日もその延長になるだろうが、どんどんと難易度を上げていくところで技術的な課題に気が付いてほしいのだが、まだまだ六級上の庇を見上げて手掛かりが大きそうだとか呟いているようでは話にならない。「あんたには難しすぎる」とぴしっと牽制しておいたのだが、本当にわかってくれるのだろうか?先ずは、その矛先をついて、彼の赤信号ゾーンでもう少し失望感を味わってもらうことになるのだろう。

それにしても技術的にかなり安定してこないと、ポジションがなかなか決まらない。足の疲れがその難しさを示しているようで、選択の都合もあって朝一番に起きて、走りに行った。冬になってから木曜日の朝に走る機会はほとんどなかったのだが、シーズンの成果を出していこうと思えば、足腰を鍛えなおしておくことが、おそらく一月後半ぐらいのアイスクライミングと平行して練習するような時点で大きく反映されると考える。

ラジオはマヤのカレンダーの終末論をカトリックのそれに置き換えた収去の時間のお話となっていた。スタローンのクリフハンガーではないが強い者が生き残るのではなくて、すべてが消滅するのが本当は重要なのである。



参照:
ハイエンドザイルの威力 2012-12-13 | 雑感
「先ずは心の準備」の価値 2012-09-27 | 生活
by pfaelzerwein | 2012-12-20 21:46 | | Trackback
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