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欠ける夾雑の自然さ

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ドイツの名匠と誉れの高かったシュヴァルツ醸造親方の赤を開けた。2005年産であり、ボルドータイプであったので、試飲の機会に本人から購入したものである。白ワインの醸造と赤ワインのそれは全く正反対のことやるなどと語っていたのが印象に残っている。

それはそうだろう。特に氏の場合はステンレスでの培養酵母の醸造に腕を発揮したので、現在の天然酵母と木樽のリースリングとも全く異なり、当然のことながら木樽や酵母が大きな意味を持つ赤ワインとも違うのは当然である。それでも試飲した時に筋が通った良さを感じたので購入したのだった。

そろそろ飲み頃と感じたので開けてみた。このところの冷え込みで一口目は完全に冷え切っていたのだが、その酸などで「美味過ぎる」と感じた。ヒーターの横において時間が経つと案の定開いてきて可笑しな風味とあまりにも透明過ぎる味筋がはっきりしてきた。赤ワインの名人と言われているバニラ味のクニプサーなおとは正反対に如何にそうじた夾雑味を落としていくかに精力が注がれている感じがする。

反面、ボルドーの膨らみ感が無いのは当然としても、不自然さを感じさせるのは、キュヴェーの配合や樽の使い方が出来ていないからに違いない。なるほど筋が一本通っている感じは名器のヴァイオリンのようであるが、どうもそれの複製のようにしか感じられないのである。

冒しなもので、清潔すぎて、その高いアルコールとともに悪酔いしそうな予想がしたのだが、やはり酔い心地はあまりよくなく、喉の渇きを覚えた。あまりにも可笑しな方法で手を加えすぎたのだろう。



参照:
熟成の秋を待つ初夏の日 2009-05-18 | ワイン
俗物図鑑のための閻魔帳 2009-04-21 | 試飲百景
ファンデルスワールス感 2011-11-09 | 試飲百景
by pfaelzerwein | 2013-02-13 00:06 | ワイン | Trackback
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