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ぺドフィリア合法化の綱領

緑の党に関してまた面白い記事が載っている。その1980年の創立当時の少年少女愛に対する解放を謳っていた党の綱領の資料への調査結果が、ヴィースバーデンで立候補する自由党の女性議員の立候補断念に結びついたとう話である。選挙前の動きの一つでもあろうが、カトリック教会の罪との関連もあり、第三者であるゲッティンゲンの教授による調査結果の波紋である。

その女性こそは、十七歳のときに十齢上の教師と性的交渉を持ち、更に十四歳の少女との性的交わりをして、それら行動を青少年保護に関する処罰からも解放しようとしていた自由党のヘッセン左派青年グループの理事をしていた、既に二人の子供を持つ五十過ぎのお母さん政治家である。

波紋は今回自由党へと及んだのであるが、そもそも緑の党が創立当時は過激な解放主義のイデオロギーに固まっていたことが、以前から指摘されていたヴェストファーレン州の支部だけでなく、ラインラントプファルツなど全国的な綱領として存在していたということが明らかになったのである。

そもそもペドフィリアは、性的倒錯の一つとして認識されていて、同性愛と同じように弱者の立場として、1980年ごろには認識されていたということである。その背後には強いフェミニズムの影響もあって、上のような女性が政治的な発言力を持ちえたのであった。

現在から1968年以降の性の解放やその他の解放の歴史を振り返ると、現在においては完全に犯罪として扱われる行為がタブーを打破する政治文化的な運動として存在していたことは、ドイツのそれがフランスのサルトルらの実践活動に支えられていたことでも認識できる - 当時のフランス映画などを観ると、所謂思春期・青春映画などを越えた踏み込み方をしているものが少なくないことでも分る。その一方において、なるほど同性愛の政治家は票こそ得ても票を失うことが無くなった現在の連邦共和国において、ペドフィリアは触法して刑事罰を受けるという甚だ異なる事情がある。

それでも、イタリアのベレスコーニに限らず、毎日のように社会的に地位があったり有名人である人物がこの罪で訴追されているような状態は可也異常である。そして当時の緑の党の見解は、暴力的な行為が存在しない合意の上の性的な関係ならば許されるということになる。そして現在の緑の党の主要政治家もそれに賛成しているのである - 流石に連邦共和国の与党として現実路線を選択した時には、ペドフィリアは他の性倒錯とは一線を隔すことになるのだが、そのときに袂を分った左派はウルトラリベラルの所謂ニューレフトと呼ばれた層であったのだろう。

なるほど、エイズは別にしても子宮筋腫などの発症に早期の性行為の有無があるという見解は、医学的な実証が出来ていない限り、理論的に決して不健康とは断定できなかったに違いない。社会的・文化的な要因も含めて、当時の事情からすればまだまだ少子・高齢化社会の問題はそこに十分に加味されていなかったのも想像できる。実際のところ市民の健康や平均余命などを考えなければ、高齢化社会にもならずに少子化にもならない。戦乱や災害でどんどんと死人が出るような状況では、そもそも性の解放どころか種の保存が優先されるわけであり、緑の党が党是とする持続性ある社会や環境に繋がるようでこれまた面白い - 日本でも最近話題になった直接の被害者がいない児童ポルノ表現への規制問題は、そうした文化社会学的な視点まで遡らないと話にならないである。生殖活動のために夫婦や家族関係があるという視点からでは、少子化や高齢化問題は解決しない。少年少女の性生活以上に、そもそも高齢者の性ですらそれでは全く解決されないのである。



参照:
トラウマ脱出の二十歳の衝動 2013-06-27 | 女
普通の日本人たちの責任 2013-05-20 | 歴史・時事
破瓜する死の恐怖の興奮 2013-02-06 | 文化一般
三十路女は相手にしない? 2013-01-11 | 女
by pfaelzerwein | 2013-08-13 23:45 | 文化一般 | Trackback
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