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素人を騙す金儲け評論

取ってきたPCを開けた。ヴァッヘンハイムのゴルトベッヒャエルである。なんていうことのない地所であったのだが、辛口醸造になって更にビオデュナミで根が蔓延ったためか、街道沿いの比較的低地にある割にはミネラル感満載のリースリングが出来上がる地所である。数年前に初めてレープホルツ醸造所の極辛口オェコノミラートとの比較でその辛口度に気がついたのであった。

それ以後ビュルクリン・ヴォルフ醸造所のプリュミエクリュとなっているこれは毎年注文するのである。そのそも人気もないが、量も少ないので、ひっそりと楽しんでいるが、基本的には雑食砂岩のミネラルであり、それが辛口として夾雑物無しに表れるのだ。

なるほどレープホルツのそれと比較すると糖も残っているので、あそこまでは行かないが、ワインだけを飲んでいると、レ-プホルツのものよりも遥かに複雑で旨い。恐らく二年を過ぎた時点では甲乙を付け難いどころか、明らかにレープホルツの上級の雑食砂岩と同等の熟成を果たしているのは間違いない。しかし四年五年を過ぎた時点でどれほど新鮮なのか?レープホルツのそれがパプリカ水になってしまっている時点で、どれほどの熟成を果たしているのか?それには限界があるだろう。

しかし、ロベルト・ヴァイルのキードリッヒと比較すればそれなりに熟成もして尚且つ新鮮さが残っているだろう。1999年度の嘗てのゴルトベッヒャエルを先日試したが、培養酵母とステンレス醸造で現在の天然酵母と木樽醸造とは全く異なり流石にフィルンの趣が強くても、そのミネラルは不動であった。当時は全くそれに気がついていなかった。そして現行のワインは、本年度試した2012年産のリースリングとして、最高の出来上がりを体験したワインであった。

ゲオルク・モスバッハー醸造所のフロインドシュトュックを試した。注文していた二本を回収するために出かけると、先代がこれが評価本で最高点を取っていると教えてくれた。試してみると全く酸が効いていなくて - 酸よりも残糖値が高く、流石に先代も二年以内の消費に同意した - これは保存は利かないと思ったが、評価本の評価などはそのワインの価値を示すものでは全くない。それでもそのときの試したときの美味さだと規定しているならば良心的であるが、素人を騙しての金儲けのためならばなんでもするという破廉恥さはいつも隠され続けているのである。こうした輩がジャーナリストを称するのは、こうした分野だけでもなく日本だけでもの話ではないから、酔わずには居られないのだ。



参照:
解禁なったPCリースリング 2013-07-05 | 試飲百景
狩人の健康な食欲の特権 2010-08-10 | 生活
by pfaelzerwein | 2013-10-02 03:55 | 試飲百景 | Trackback
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