悪くないNuits-Saint-Georges

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ブルゴーニュのワインについて書いておこう。ニュイ=サン=ジョルジュの2010年物である。結論からするとこのレヴェルは、ドイツでは毎年は出来ない。金額22ユーロの問題でなくて、この微妙な熟成感は難しいかもしれない。しかし、出来る年度は、25ユーロほど出せば同程度のピノノワールは入手できる。

ミネラルの出方は十分に明白で魅力的ではなかったが、その果実風味は見事であった。恐らく同地の土壌は重めで、比較的低地プファルツに似ているのだろう。例えば同じ価格帯のクリストマン醸造所のオェールベルクと比較すると果実風味の程度は似ているが、そのミネラルは明らかな石灰であり、ゼーガーのそれと比較するとより石に近いものである。前者とはその果実の質で、後者とはミネラルの質で異なる。

但し2010年と言うことで限れば、最初の当りのそれに酸味が出ていて、これに関しては先日試したシャンボール=ミュジニーの村名ものと同じであるが、流石にこれば自己の葡萄を使った醸造所のもので所謂ネゴシアン物のあれとは全く異なった。何が異なるかと言えば当然のことながら葡萄の質で、酸はあっても熟成している葡萄なのでどんどんと果実風味が膨らんでいって干しバナナの風味と言う今まであまり知らなかったワインの果実風味に至るのである - この間にデカンターした。その価格差は、数ユーロにもならないで、ネゴシアン物と有名ドメーヌ物の差が歴然としたものである。不思議なことに、ネゴシアン物が直売りでドメーヌ物がスーパー売りと言う歪な背景が浮かび上がる。

バナナが出た後は、落ち着いてカシスやらミント味へと二日を掛けて変化して行く感じも決して悪くはなかった。要するに酸化の仕方が自然であり、前記のネゴシアン物がどんどんと酸味を増してワイン酢になって行くのとは大違いなのである。この価値差は好みの問題などでは一切なく品質の問題なのである。因みに酸化の仕方は、醸造工程に拠るのであるが、クリストマン醸造所もゼーガー醸造所もこのドメーヌ物と比較して決して悪くは無く、品質の高いシュペートブルグンダーは品質の悪いブルゴーニュよりも高品質であることを証明している。

それでもである。こうして20ユーロを超えるブルゴーニュにはその葡萄のクローンを含めて、そのミクロクリマが齎す独特の魅力があるのは間違いなく、ニュイ=サン=ジョルジュのピノノワールも品質に似合った手ごろな価格であれば決して買っても悪くはないと思った。この価格帯にきてようやくブルゴーニュがブルゴーニュらしくなると言っても許されるだろうか?



参照:
ブルゴーニュ吟味への投資 2013-10-05 | ワイン
早落としの村名ピノノワール 2013-08-01 | ワイン
ブルゴーニュらしいピノノワール 2013-08-13 | ワイン
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by pfaelzerwein | 2013-10-09 18:37 | ワイン | Trackback
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