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麻薬自由化への法議論

麻薬自由化に向けて連邦共和国の全教授の四割に当たる法学者が協議している。法哲学者ラインハルト・メルケルや元裁判所判事ルッツ・マイヤーゴスナー、マックスプラント研究所所長、国際裁判所判事アルビン・エーザーなど錚々たる教授陣百六人が集う。もちろん広義の麻薬の合法化を議論するためではない。それどころか参加者の多くはドイツがマリファナ大国になるのを歓迎しているとは思えないとする。

研究者は、逸早く麻酔薬法の効用と副作用に関する研究会を国会に設置することを求めて、そのアドヴァイスに従って1981年の麻薬を害毒とするその法を修正することにあるらしい。

研究によれば、麻薬の使用を抑えようとしない人々にとって、麻薬自体の危険性以上に非合法化による危険性の方が高いというのである。刑法学者にとっては、麻薬の禁止こそはマフィアなどの組織犯罪を振興するものに他ならないとなる。その結果が、警察組織による監視強化と軍隊化であるという。市民社会が敗北するだけと書く。

例として、大麻規制がドイツよりも緩やかな国では、恐れられる麻薬の使用は決して伸びていないというのは、さらに合衆国での州別の比較で明確という。それどころか、医療での使用からキャリフォルニアでは大麻栽培が盛んで十億ドルの産業になっているようだ。そこからの税収が一億ドルとなるから少なくない。

それに比較して、ドイツは医療現場での利用さえ自由にはならず、癌などの痛み止めの利用に苦心してきた歴史がある。先日のウルグアイでの麻薬栽培への決定は、寧ろドイツでの法制化として適合しそうだというのである。しかし現在のところ連立内閣での協議として議案化される予定はないという。

麻酔薬ですら歯医者でしか使ったことが無く、睡眠薬も鎮痛剤なども無用な人間であるから麻薬に関しては分からないが、飲酒癖はあるのでそれと比較するしかない。自動車運転なども飲酒と同じぐらい危険であるらしいが、アルコールも十分に危険である。昨今の末期癌の痛み止めなどの話を聞くと、麻薬はとても重要であることもわかる。

規制が少なければ少ないほど官僚主義の比重を少しでも減らすことが出来て、国民経済を有効に動かせることは間違いない。これを否定するものはもはやいまい。



参照:
Auch Ernst Jünger würde sich freuen, Oliver Tolmein, FAZ vom 16.12.2013
覚せい剤の民主的な合法化 2011-12-04 | 歴史・時事
麻薬享受の自己責任 2006-12-08 | 生活
by pfaelzerwein | 2013-12-18 16:57 | 歴史・時事 | Trackback
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