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手練手管の質やその価値

ネーチャー誌に載った小保方式のSTAP細胞に関しての記事を読む。山中式のiPSとの長短についての議論はあるとしながらも、その新方式の質や安全性については目下世界中で鋭意研究中とある。勿論興味を引くのは、そのストレスによる発達生物学的な見解である。

そもそもその切っ掛けは、ヨハネス・ホルトフレターの酸による両生類細胞?の研究があり、シャーレの中で皮膚細胞を神経細胞に変換させていることにあるとされる。1947年のこの論文は、発達生物学に過小評価されて片づけられてしまったようだ。しかし、最近はこのストレスの細胞に与える影響は、物理的なストレスとしての研究が盛んで、浸透圧として若しくは生体膜圧として理解されているようだ。

ここまで説明されると、ただ酸のストレスと聞いていたのとは異なり、とても興味深い。そして、キャリフォルニア・バークレー校のティモシー・ダウニングとソン・リーのネーチャーの論文による、トリミング効果の利用に描かれる幾何学的なリプログラミング機能を考えれば、門外漢にとっても俄然関心が沸き起こる基礎科学的な考察となる。

先月開けたブルゴーニュについて書き忘れていた。当地に赴いた saarweineさんに、20ユーロ以下という条件で購入を依頼したものである。蔵出しもの2006年産オーセイ・デュレスのレ・デュレス一級である。ドメーヌ・ロワ・フレーレは中国にも輸出している様でそれなりの規模であるようだが、ここではなによりも新樽の使用が目立つ。2006年物であるから大分熟れていても、そのタンニンの存在に気が付くことからすれば、敢えて強くかけているのだろう。それでもボーニュ周辺のピノノワールとしては繊細で果実風味もチェリー風ながらあまり嫌味は無かった。

なるほど瓶熟成をさせて蔵出ししている理由は、こうしたところにあり、それはそれで一つのやり方だろう。土壌面では決して関心はしなかったのだが、もう一本持ってきてもらったネゴシアンもののそれとは全く比較できないほど価値があった。やはりドメーヌ物で丁寧な仕事をしていなければブルゴーニュと言えども、ドイツのシュペートブルグンダーと比べて価値がある訳ではないことがこれで明らかになった。さて、シュペートブルグンダーとの直接の比較では、この価格で2006年産と言うことを考えれば、手練手管の分、今回はブルゴーニュの勝ちだろうか。それでも良い年の同じ価格のシュペートブルグンダーと比較すればそれだけの価値があるかどうかは微妙である。



参照:
驕らない、慎み深い主役 2007-11-28 | 生活
克服すべき倫理と回答 2007-06-12 | 数学・自然科学
早落としの村名ピノノワール 2013-08-01 | ワイン
by pfaelzerwein | 2014-02-20 23:42 | 数学・自然科学 | Trackback
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