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玄人の判断と素人の選択

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比較的容易なスポーツクライミングルートを登るために中間支点の楔類を整理した。詳しい情報は持っていないが、石灰岩の壁なので、先ずは楔類を準備した。六種類の楔である。これで大抵のところに中間支点を設置出来る筈だ。そのより大きな割れ目には、オメガパシフィック社のリンクカムを用意した。今まで使っていたゴールドの大きさよりも一つ小さな赤色のものである。これで実質的に銀色の通常の機械式楔の大きさまでカヴァーしてくれる。要するに手の先しか入らない割れ目以下にはこれで十分だ。その上には、重量と可能性を考えて、ゴールドとブルーのへ変形六角形の楔を追加した。これで手の入る割れ目から、組み合わせることによって膝の入る割れ目でも使える可能性が生じる。

今回リンクカムを購入したのだが、前回以上に安く購入できるオファーを見つけたからである。前回は100ユーロを割ったところで話をつけたが、今回は90ユーロを下回る価格で購入出来た。だから思い切って購入したのである。

この通常の三段階の大きさに対応する高価な機械式楔に関しては賛否両論あるのだが、アルプスなどの登攀を考えるときにとても便利なものであることには間違いない。なんと言っても三つ持参しなければいけないものが一つで用足りることでの嵩と重量の削減は大きく、無駄なものは一切省くと言うアルピニズムの思考に合致している。

欠点は、一つを使ってしまうと、その次にはその前後の大きさのものが手元に残らないことである。だから機械式楔を多用するようなルートではこれでは用が足りなくなるので、逆に自重が重い分全体重量が嵩んでしまう可能性があることだ。だから、あまり多用しない可能性のあるルートでの補助的な意味で使うことが前提となる。

勿論そうした判断はザイルシャフトの中での全体装備などとも関係するので、全体の装備としては完結しないのだが、個人装備としては曲がりなりにも一通りの大きさを網羅していることで、経験豊かな判断でもある。

パートナーである町医者がこのシリース四種類を全て揃えているのはまったくこうした判断とは異なっていて、素人が手軽にサイズを選ばずに設置できると言う有利さを生かしているのだが、その小さなサイズである緑色やピンク色のそれは強度が8K以下である不利と、あまりにサイズが小さいために一度設置すると抜けなくなる可能性が多いことであまり勧められない代物である。



参照:
アメリカ製の素晴らしさ 2013-10-09 | テクニック
九々のような楔の練習 2013-05-10 | 生活
by pfaelzerwein | 2014-06-20 00:00 | アウトドーア・環境 | Trackback
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